ネットストーカー(別名:サイバーストーカー、ネトスト)は、インターネットを悪用したストーカー犯罪の総称です。悪質かつ深刻なサイバー犯罪の一種で、多くの場合、物理的なストーカー行為とデジタルなストーカー行為が相互に影響し合い、さらなる脅威を生み出します。この記事では、ネットストーカーの定義や、ストーカー行為の特徴、被害事例、ネットストーカー関連のトラブル防止策や、ストーカー被害の対処法について解説します。
目次
ネットストーカー・ネットストーキングとは、メール、テキスト、ダイレクトメッセージ(DM)、SNSなどを用いて、嫌がらせや脅しをしたり、身体的危害を加えたりする行為、またはその行為を行う人のことを指します。インターネットいじめやセクハラ、つきまとい行為、SNSストーカーなど、さまざまな形態があり、多くの場合、計画的、意図的、かつ執拗な方法で行われます。
多くの場合、ネットストーキングは、ターゲットが不快感を示したり、やめるよう求めたりしても、終わることはありません。ターゲットに向けられる内容は、不適切であることが多く、時には心をかき乱すことさえあるため、恐怖、苦悩、不安、心配を与えることもあります。
ネットストーカーの特徴として、異常なまでの執着心と支配欲に基づき、行動をエスカレートさせることが挙げられます。ここからは、ネットストーカーになりやすい人の特徴や心理をより詳しく見ていきましょう。
ネットストーカーは、SNSやウェブサイト上のコミュニティで、他人と争ったことがきっかけで激しい憎悪を抱いたり、インターネット上で公開されている他人のプロフィールを見てその人物に好意を持ったりして、サイバーストーカーを始めることがあります。
相手のブログやSNSに投稿された内容から住所などの個人情報を探ろうとしたり、自分の知っている情報と照らし合わせて相手の好みを把握しようとしたりすることもあります。
また、被害者意識が強いために、ネットストーカーになりやすい人もいます。この特徴を持つ人は、自分は特定の人の発言や投稿によって被害を受けた被害者だと強く思っているため、相手が反省し謝罪すべきだと考え、あたかも自分が権利者であるかのように振る舞います。
その人の中では、相手が悪者であるという構図が出来上がっているため、執拗な接触を試みたり、誹謗中傷や侮辱的な言動を平気で行ったりするようになってしまいます。
自尊心が過剰な人も、ネットストーカーになりやすい傾向にあります。他人が自分より優れていたり、優遇されていたりするのを見ると、それを否定せずにはいられません。そのため、相手のSNSやブログを監視して、自分がいつも優越感に浸れるようにしたいという動機があるのです。
このような人は、自分にとって何かが欠けている状態が許せず、欠けていると感じれば精神が不安定になりがちです。
家庭や職場、学校に居場所がないと感じている人が、インターネットに居場所を見出すケースもあります。この場合、特定の誰かに執着することで、自分の居場所を作ります。つまり、相手に対して執拗に愛情表現をしたり、誹謗中傷をしたりすることで、自分の存在意義を見出しているのです。
前述のとおり、ネットストーカーは執着心と支配欲が原動力になっていますが、インターネットを利用したストーカー行為とは、具体的にどのような行為を指すのでしょうか。
ここでは、具体的にどのような行為がネットストーカーに該当するのかを解説していきます。
TwitterやInstagram、Facebook などのSNSのアカウントが特定して、投稿している情報をすべて知ろうとする行為もネットストーカーの行為に当てはまります。
ネットストーカーは、現実の世界、またはインターネット上で出会った人のSNSを特定し、名前、年齢、誕生日、出身地、現住所、学校・会社名、交友関係などの情報を得ようとします。
自分の本垢から連絡してブロックされることを避けるために、ネットストーカーは複数のアカウントを作って相手にしつこくコンタクトを取ることがあります。この際、ネトストはターゲットの趣味に合わせて架空の人物を作り、SNSでフォローするのです。
ネットから得た情報を使って、実際にストーカー行為を働くこともあります。SNSに投稿された写真を調べて、撮影場所や行動パターン、休日の過ごし方、学校・会社の開始時刻から終了時刻を特定し、相手をこっそり盗み見たり、尾行したりします。
SNSを乗っ取り、意図的にターゲットのアカウントで不適切な書き込みをしたり、ターゲットの周りの情報を探ろうとしたりするのもネットストーカーの一種です。ターゲットの友人、昔の恋人、現在の恋人を調べ上げて、本人になりすまして勝手に連絡を取るケースもあります。
ターゲットを攻撃する目的で、匿名掲示板に誹謗中傷や個人情報を書き込むことも、ネットストーカーに該当します。
GPS追跡アプリやGoogleマップのロケーション履歴機能を使って行動履歴、自宅の住所、頻繁に訪れる場所を追跡したり、監視アプリをターゲットのスマホにインストールして、相手の居場所や電話、LINEのデータなどを遠隔監視したりすることもネットストーカー行為にあたります。
高度なIT知識のあるネットストーカーであれば、ウイルスに感染させたり、OSやアプリの脆弱性を悪用し不正アクセスしたりすることで、ターゲットのパソコンやスマホのカメラをハッキングすることができます。
ここからは、ネットストーカーによる被害の種類を紹介します。ネットいじめの種類と重複するケースもあります。
ストーカー行為を処罰する「ストーカー規制法」の改正前は、ネットストーカーがどこからが犯罪なのか、ストーカーのラインや基準が曖昧で、SNS上のネトストは犯罪とみなされず、ストーカー規制法の適用が困難な状況でした。その後、数度の法改正を経て現在の形に至っています。
誰でもネットストーカーによる被害には遭いたくないもの。ネットストーカーを撃退する対策を伝授します。
撮影した写真にも位置情報が記録されることがあるので、設定で無効にしましょう。
フィッシング詐欺や危険なWebサイト、Webトラッキング、マルウェアを介してスパイウェアがパソコンやスマホに侵入するのを防ぐため、最新のセキュリティ対策ソフトを導入しましょう。
NordVPNでは、悪質な広告、トラッキング、危険なWebサイトをブロックする脅威対策機能を提供しています。脅威対策のようなセキュリティ対策を使用することで、デバイス上のマルウェアやスパイウェアを検出し、ストーカー行為に遭う可能性を軽減できます。
NordVPNには30日間の返金保証がついているので、リスクフリーでお試しいただけます。
詳細はこちらここからは、実際にネットストーキングの被害に遭った場合にどうすればいいのかを解説します。
ネットストーカーの被害がひどくなった時のことを考えて、文章や写真などの証拠を保存しておきましょう。証拠があれば、警察や弁護士も対応しやすくなります。
感情的になってネットストーカーを刺激することは逆効果です。できるだけ平静を装って冷静に対処するようにしましょう。
「インスタグラムアカウントの削除」「Facebookアカウントの削除」「LINEアカウントの削除」「Twitterアカウントの削除」「ティンダーアカウントの削除」を参考にアカウントを削除して、SNSの危険性から解放されましょう。
SNS上で執拗なストーカー行為や迷惑行為が続き、自分だけでは対処しきれない場合は、SNSの運営者に通報しましょう。SNSには通報機能があり、ネットストーカーのアカウントを運営会社に通報することができます。
アプリの運営会社に通報してアカウントが凍結されても、ネットストーカーは別の方法で攻撃を仕掛ける可能性もあります。ネットストーカーによる被害が日常生活にも及んでいる場合は、迷わず警察や弁護士などの専門家を頼りましょう。