ロマンス詐欺の手口とは
ロマンス詐欺は基本的に、偽のプロフィールで信頼を得て、感情を操作し、最終的にお金や情報をだまし取るという流れで進みます。犯人たちは見た目も言葉遣いも魅力的で、長期間にわたり関係を築こうとするため、気づきにくいのが特徴です。
よく使われる手口にはいくつかのパターンがあります。まず、偽の写真や情報を使って別人になりすます「キャットフィッシング」。これはSNSやマッチングアプリでよく見られ、信頼関係を築いた後にお金を要求してきます。次に、恋愛感情を利用した長期的な詐欺。結婚を匂わせたり、会う約束を繰り返したりしながら、緊急のトラブルの費用などを理由に送金を求めるケースがあります。さらに、偽のログインページに誘導するフィッシングリンクを送り、SNSや銀行のID・パスワードを盗み取る手口もあります。そして、送った写真やメッセージをもとに脅迫（ブラックメール）してくるケースも報告されています。巧妙に感情を揺さぶりながら近づいてくるため、たとえ相手が優しくても「どこかおかしい」と感じたら、慎重に見極めることが大切です。
オンラインロマンス詐欺の見抜き方
ロマンス詐欺を防ぐためには、初期段階で「おかしい」と気づくことがとても重要です。相手の言動に違和感を覚えた時点で立ち止まり、冷静に判断することで被害を防ぐことができます。以下に、よくある警告サイン（＝レッドフラッグ）をまとめました。
- プロフィールが完璧すぎる：モデルのような写真や、曖昧な自己紹介文しかない場合は要注意。
- すぐに愛を語る：知り合って間もないのに「運命を感じた」「あなたなしでは生きられない」など、強い感情を示してくるのは典型的な手口です。
- ビデオ通話や対面を避ける：カメラが壊れている、仕事が忙しい、国外にいるなど、いつまでも会おうとしない。
- 話の内容に矛盾がある：以前に言っていたことと食い違っていたり、個人情報に一貫性がなかったりする場合は要警戒です。
- お金を求めてくる：緊急の医療費や家族のトラブル、航空券代、仮想通貨の「投資話」など、あらゆる理由で金銭を要求してきます。
- 早く他の連絡手段に移ろうとする：マッチングアプリや出会い系サイトを離れて、LINEや他のメッセージアプリなどに移るよう急かしてくるのも典型的。
少しでも不安を感じたら、一人で抱え込まず、信頼できる友人や専門窓口に相談することが大切です。詐欺師たちはプロのように巧妙なので、慎重すぎるくらいでちょうどいいのです。
最も一般的な出会い系詐欺の手口
日本では近年、SNSやマッチングアプリを利用した出会い系詐欺が急増しています。手口は多様ですが、多くの場合は「親密な関係を装って信頼を得たあとに金銭や個人情報をだまし取る」という共通パターンがあります。ここでは、実際に報告されている代表的な詐欺の手口と、それぞれに対する対策を紹介します。
偽プロフィール詐欺
偽プロフィール詐欺では、詐欺師が盗用した写真やAIで生成された画像、さらにはディープフェイク技術を使い、あたかも実在する魅力的な人物のように装ってSNSやマッチングアプリに登場します。 多くの場合、モデルのような容姿に加え、職業やライフスタイルも完璧すぎる設定になっているのが特徴です。これにより、相手が本物であるかのように感じさせ、被害者を引き込もうとします。
日本では特に海外駐在の医師、軍関係者、外国人ビジネスマン、芸能人になりすましたアカウントなどがよく報告されており、会いたいと申し出てもカメラが壊れている、セキュリティ上会えない、などと理由をつけてビデオ通話や実際の面会を一切避けようとするのも典型的な特徴です。
こうした詐欺を見抜くには、プロフィール写真をGoogle画像検索やTineyeなどで逆検索することが有効です。また、SNSアカウントがあるか、フォロワーや投稿内容に違和感がないかを確認するのも大切です。相手があまりにも理想的に思えたら、一度立ち止まって冷静に確認してみましょう。
金銭詐欺
金銭詐欺は、ロマンス詐欺の中でも特に多く見られる手口です。相手は親密な関係を装い、信頼を築いた後に、「家族が病気で医療費が必要」、「投資で一緒に成功しよう」、「ビザ取得の手続きを手伝ってほしい」といった名目でお金を送ってほしいと頼んできます。日本では特に、振り込み型ロマンス詐欺や偽のビザ手続き、文化的な義務（親の介護費、法事費用など）を理由にした同情誘導型の詐欺が報告されています。
以下のような兆候が見られたら注意が必要です：
- 突然の金銭的なお願い（特に急を要する話）
- 感情を強く揺さぶるような「かわいそうな話」ばかり
- 何度も小額の支援を求めてくる
- 「返す」と言いつつ、いつまでも返済しない
どんなに親密に感じたとしても、一度も会ったことのない相手にお金を送るのは絶対に避けてください。詐欺師は感情を利用して、判断力を鈍らせようとします。少しでも疑問を感じたら、必ず第三者に相談しましょう。
医療費・ビザ手続き詐欺
医療費・ビザ手続き詐欺は、特に外国人とやり取りしている場合に多く見られる手口です。詐欺師は、急な病気や事故、またはビザ取得・更新にかかる費用を理由に金銭を要求してきます。こうした状況は緊急性を装いやすく、相手を助けたいという気持ちにつけ込んできます。
日本では、特に海外駐在者や留学生、外国人労働者を名乗る詐欺アカウントが多く、やり取りの中で「ビザの更新期限が迫っている」「突然の入院で費用が足りない」などと訴えてきます。多くの場合、実際に会おうとすると「入院中で動けない」「手続き中なので出国できない」といった理由で会うことを拒まれます。
2021年には、東京都内で日本人女性が「ビザ取得のためにお金が必要」と持ちかけられ、外国人男性に数十万円を送金した事件が報じられました。これは典型的なケースであり、実際には存在しないビザ関連費用をでっち上げて金銭をだまし取ったものでした。
このような詐欺を防ぐためには、相手の主張が本当に正当かどうかを常に疑う視点が重要です。「緊急」「今すぐ」という言葉に焦らされず、ビザ申請書類などの正規の証明書類を提示させるようにしましょう。また、一度も会ったことがない相手からの金銭的な要請には、いかなる理由でも応じないようにしてください。必要であれば、信頼できる第三者や公的機関に相談することも検討しましょう。
マルウェアおよびフィッシング詐欺
マルウェアおよびフィッシング詐欺は、出会い系詐欺の中でも近年増加している手口の一つです。詐欺師は、親しげな会話の中に悪意のあるリンク（マルウェアやスパイウェアを含む）を送り、個人情報やデバイスの操作権限を盗み取ろうとします。
日本では、PairsやTappleなど人気のマッチングアプリを装った偽のログインページに誘導し、IDやパスワードを抜き取るケースも報告されています。これらは公式のデザインを巧妙に模倣しており、見分けがつきにくいこともあります。
以下のような場合には特に注意が必要です：
- 「今すぐ見て」「緊急で確認して」といった急かす文言
- 正規のドメインに見せかけた不自然なURL
- リンク先がログイン画面になっている場合
知らない相手から送られてきたリンクは絶対にクリックしないことが重要です。また、デジタル上のリスクから自分を守るために、VPNを利用することで、インターネット接続を安全に保ち、オンライン上のプライバシーを守ることができます。さらに、NordVPNの脅威対策Pro™機能を活用すれば、フィッシングリンクや悪質なウェブサイトを自動的に検出・ブロックすることができます。
出会い系詐欺から自分を守る方法
出会い系詐欺から自分を守るためには、何よりも「予防」が重要です。一度被害に遭ってしまうと、金銭的・精神的なダメージは大きく、取り戻すのは容易ではありません。だからこそ、最初の段階でしっかりとリスクを回避することが大切です。
まず、相手のプロフィールは鵜呑みにせず、ビデオ通話などで本人確認を行うようにしましょう。顔を見せるのを頑なに拒む場合は、警戒のサインです。また、個人情報や銀行口座、クレジットカードの情報は絶対に共有しないでください。たとえ相手がどれだけ信頼できるように見えても、そのリスクは高すぎます。
加えて、使用しているアプリやSNSのパスワードは強力なものを設定し、可能であれば2段階認証（2FA）を有効にしましょう。アカウントの乗っ取りや情報漏えいを未然に防ぐことができます。
もしアプリでのやり取りに不安を感じたり、少しでも違和感を覚えた場合は、早めにアカウントを削除することも一つの対策です。特に詐欺の疑いが強くなる前に、やり取りを完全に断つことで、被害を防ぐことができます。気になる方はTinderアプリでのアカウント削除方法も確認しておくと安心です。日々の小さな注意が、大きな被害を防ぐことにつながります。安全に出会いを楽しむためにも、こうした対策を習慣にしましょう。
詐欺に遭ってしまったときの対処法
たとえどんなに気をつけていても、詐欺に遭ってしまうことはあります。ですが、被害に気づいたらできるだけ早く行動することが、被害の拡大を防ぐ大きな鍵となります。
- 1.連絡を完全に断つ
- 詐欺師とのあらゆる連絡を即座に中止する
（例：メッセージ、通話、SNSのやり取りなど）
2.利用していたサービスに通報
- 被害が発生したマッチングアプリやSNSの運営元に通報
アカウントの調査・対応を依頼する
3.アカウントの安全を確保
- パスワードをすぐに変更する
- 2段階認証（2FA）を有効にしてセキュリティを強化
4.マルウェア感染の確認
- 詐欺リンクをクリックしてしまった場合は、スマホやPCでマルウェアスキャンを実施
- 不審なアプリやソフトがインストールされていないか確認する
5.金銭被害がある場合は警察へ相談
- 被害が金銭に及んだ場合は速やかに警察や消費生活センターへ相談
- 公的機関の助けを借りて、被害の拡大防止や再発防止策に繋げる
よくある質問
マッチングアプリは安全ですか？
多くの出会い系アプリは安全に設計されていますが、詐欺目的のユーザーが紛れていることもあります。当社のサービスでは、危険なリンクや不正アクセスからユーザーを守るセキュリティ機能を提供しています。
出会い系アプリで詐欺に遭う確率は？
一部の調査によると、ユーザーの数％が何らかの詐欺に接触した経験があります。特に外国人やビジネス風のプロフィールには注意が必要です。
偽物のプロフィールかどうか、どう見分ければいいですか？
モデルのように完璧な写真、曖昧なプロフィール文、すぐに愛を語ってくるなどは注意ポイントです。ビデオ通話に応じない相手には特に警戒を。
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