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キーロガーとは?感染経路、被害事例、対策についてわかりやすく解説

キーロガーは、パソコンやキーボードで入力した内容をすべて記録することができる悪質なソフトウェアおよびハードウェアの総称です。キーロガーは、スマホやパソコンなどのバックグラウンドで静かに稼働し、最も重要なデータを収集するため、非常に危険です。この記事では、キーロガーとは何か、キーロガーの感染経路や被害事例、キーロガーの検出方法や駆除方法について解説し、最後にキーロガーの予防策をいくつか紹介します。

キーロガーとは?感染経路、被害事例、対策についてわかりやすく解説

キーロガーとは?

キーロガーとは、ユーザーがキーボードで行うキー入力を監視・記録するように設計されたコンピュータプログラムまたはハードウェアデバイスの一種です。キーロガーは、「キーボード入力監視」と「画面キャプチャ」の機能を備えており、それぞれ以下のような特徴があります。

  • キーボード入力監視:キーロガーのこの機能は、ユーザーがキーボードで入力した内容すべてを追跡し、記録することに焦点を当てています。パスワード、メッセージ、コマンドを含むすべてのキーストロークを、目立たないように捉えます。
  • 画面キャプチャ:キーロガーは、キーストロークの監視に加えて、ユーザーの画面に表示されているものも画像やデータとして保存します。スクリーンショットを撮ったり、画面全体を記録したりして、訪問したウェブサイト、使用したアプリ、やり取りしたメッセージなどを視覚的に記録します。

もともとキーロガーは、ソフトウェア開発作業におけるデバッグのためにキーストロークのログ情報を記録したり、問題が発生した際や端末を不正に使用された際にログを分析したりするために使われるもので、「キーロガー」という言葉自体に悪いイメージはありませんでした。

しかし、悪意のある第三者がキーロガーを悪用した場合、入力された内容と画面に表示される内容の両方をキャプチャできるため、これによりユーザーはプライバシーが侵害されたり、個人情報や機密情報が危険にさらされたりする可能性があります。

キーロガーの種類

キーロガーは、ソフトウェア型とハードウェア型の2種類に分けることができます。

  • ソフトウェア型のキーロガー:ソフトウェア型のキーロガーは、マルウェア、メールの添付ファイル、または悪意のあるダウンロードを通じて配信されることがあります。バックグラウンドで動作し、ユーザーがキーボードを打つ際にキー入力の内容を記録します。ハードウェア型のキーロガーと比較して、より一般的で配布が簡単という特徴があります。また、ソフトウェア型キーロガーは、スマホ(主にAndroid端末)向けにも開発されており、多くはスマホのroot権限を取得し、キーボードで入力された情報を盗み出すという仕組みです。
  • ハードウェア型のキーロガー:ハードウェア型のキーロガーは、ほとんどがパソコン専用で、USBポートに接続され、セキュリティソフトによる検出がほぼ不可能です。サイバー攻撃者が専用のハードウェアデバイスをパソコン本体に取り付けることで、キーボードやマウスの操作を記録する仕組みです。ハードウェア型のキーロガーは、キー入力の内容を内部メモリーに保存したり、遠隔地に送信したりします。

キーロガーが情報を盗む方法

ソフトウェア型のキーロガーは、通常マルウェアスパイウェアとして提供され、悪質なリンクやダウンロードしたファイルを通じてコンピューターに感染します。

ハードウェア型のキーロガーは、パソコンに取り付けられた小さな物理的デバイスによって情報を盗み出します。しかし、USBやPS/2ポートを覗き込むだけで、キーロガーを含む不審な機器を見つけることができます。また、最近では、Wi-Fiを使ってキー入力の内容を送信するハードウェア型のキーロガーもあります。

さらに、キーロガーは他のマルウェアと組み合わせて仕掛けられることもあり、バンキング型トロイの木馬はその一例です。バンキング型トロイの木馬は、キーロガーを使って、ユーザーに気づかれないようにクレジットカード情報、パスワード、認証情報などを盗み出し、盗んだ情報を使ってインターネットバンキングにアクセスして不正操作をします。

キーロガーの感染経路

キーロガーは、さまざまな感染経路を通じてパソコンやスマホに感染します。これらの経路には以下のケースが含まれます。

  • ソフトウェアやアプリによる感染:キーロガーは、正規のソフトウェアのダウンロードとセットにされたり、偽アプリとして配布されたりすることがあります。ユーザーは、非公式のダウンロードサイトや信頼できないアプリストアからソフトウェアやアプリをダウンロードする際に、知らず知らずのうちにキーロガーをインストールしている可能性があります。
  • ハードウェア型キーロガーによる感染:コンピュータに物理的にアクセスできるサイバー攻撃者が、キーボードとコンピュータの間にハードウェアデバイスを設置し、キー入力の内容を保存することができます。
  • フィッシング攻撃による感染:フィッシングメールや偽サイトは、マルウェアやキーロガーのダウンロードなど、ユーザーを騙して機密情報を提供させる可能性があります。
  • ドライブバイダウンロード攻撃による感染:ドライブバイダウンロード攻撃とは、危険なウェブサイトを閲覧したら、勝手にマルウェアがダウンロードされる攻撃手法で、この攻撃にあうと、キーロガーがユーザーの知らない間に自動的にダウンロードされます。
  • ソーシャルエンジニアリングによる感染:サイバー攻撃者はソーシャルエンジニアリングの手口を使って、キーロガーを含む一見無害に見えるファイルやアプリをユーザーにダウンロードさせる可能性があります。
  • ソフトウェアの脆弱性を悪用した感染:OSやソフトウェアの脆弱性を悪用することで、サイバー攻撃者はユーザーの同意なしにキーロガーをシステムに注入することができます。

キーロガーによる潜在的な被害の事例

キーロガーは、個人や企業に大きな損害を与え、さまざまなリスクをもたらす可能性があります。以下は、キーロガーによって引き起こされる可能性のある被害事例です。

  • 認証情報の盗難:キーロガーは、ユーザー名、パスワードを盗むことができます。攻撃者は盗んだ認証情報を悪用して、なりすまし、インターネットバンクでの不正取引、オンラインアカウントへの不正アクセスを実行します。
  • 機密情報の漏洩:キーロガーは、機密性の高いビジネスデータ、知的財産、または機密情報を危険にさらす可能性があります。
  • 金銭的な損失:攻撃者がキーロガーを使ってインターネットバンクや支払い口座にアクセスすることで、金銭的損失につながる可能性があります。さらに、キーロガーは、クレジットカード情報の不正使用などのリスクもあります。
  • 脅迫や恐喝:サイバー犯罪者は、キーロガーから得た情報を使って個人や組織を脅迫し、機密データを開示しない代わりに金銭やその他の情報を要求することができます。
  • 遠隔操作:一部の高度なキーロガーは、攻撃者が感染したシステムをリモートコントロールできるようにし、パソコンやスマホの乗っ取りなど、データ盗難以外の悪質な行為を可能にします。

キーロガーの検出方法

キーロガーの多くは密かに作動し、検出を回避するように設計されているため、検出は困難です。しかし、キーロガーを検出するのに役立つ方法がいくつかあります。

ソフトウェア型のキーロガーの検出方法

  • 見覚えのないアプリがないかチェックする。キーロガーはマルウェアと同様の方法で拡散するため、見覚えのないアプリやソフトがスマホやパソコンにある場合、それがキーロガーである可能性があります。
  • デバイスがフリーズ/クラッシュするか観察する。特に文字を入力している時やマウスを使用している時にこの症状が現れる場合は、注意しましょう。通常よりも動作が遅い場合、キーロガーが存在する可能性があります。
  • タスクマネージャーで実行されている認識できないプロセスがないか確認する。不審なソフトウェアと同様に、タスクマネージャに認識されないプロセスがないかどうか、常に確認してください。
  • セキュリティソフトウェアに不審な例外がないかチェックする。キーロガーの中には、セキュリティシステムに侵入して例外を発生させるものがあります。

ハードウェア型のキーロガーの検出方法

  • 怪しいハードウェアが取り付けられていないかチェックする。パソコンのキーボードやケーブルなどに、不審な物体が固定されている場合、それはハードウェアのキーロガーである可能性があります。
  • USBデバイスをスキャンする。コンピュータのUSBポートに不正なデバイスがないか、定期的にスキャンしましょう。USB用のセキュリティソフトウェアやUSBデバイスのスキャナーを使用することで、疑わしいハードウェア型のキーロガーを特定することができます。
  • キーボードをチェックする。キーボードを別のパソコンに接続して、使い勝手をテストしてみましょう。別のシステムでキーボードの動作が異なる場合、ハードウェア型のキーロガーが存在する可能性があります。

キーロガーに感染した場合の駆除方法

キーロガーに感染した場合、どのように駆除すればよいのでしょうか?キーロガーの駆除方法は、ハードウェアベースのキーロガーとソフトウェアベースのキーロガーとで異なります。

ハードウェアベースのキーロガーの場合、怪しいデバイスを手動で駆除することが推奨されます。

一方、ソフトウェアベースのキーロガーの場合は、キーロガー対策ソフトまたはセキュリティ対策に特化したソフトやアプリで駆除するのが最善の方法です。

キーロガーの予防策・対策

ここからは、AndroidやiPhoneなどのスマートフォンや、Windows11やMacなどのパソコンで実施できるキーロガーに感染しないための対策を紹介します。

  • 信頼できるウェブサイトやメールだけを開く。メール内にあるウェブサイトへのリンクをクリックしたり、添付ファイルをダウンロードしたりする際には、特に見知らぬ送信者からのものには注意しましょう。
  • 未知のソフトウェアやアプリをダウンロードしない。ソフトウェアやアプリは、信頼できるソースからのみダウンロードしましょう。マルウェアが含まれている可能性があるため、クラックソフトや海賊版ソフトのダウンロードは避けましょう。
  • セキュリティソフトをインストールし、有効にする。脅威対策Proなどのセキュリティ対策ソフトウェアを導入し、定期的にアップデートしましょう。
  • ソフトウェアを常に最新の状態に保つ。OS、ウェブブラウザ、ソフトウェアやアプリを常に最新の状態に保ちましょう。
  • パスワードマネージャーを使用する。キーロガーに感染すると、メールやネットバンキングなどのアカウントに不正アクセスされる可能性があるので、強力なパスワードを作成してくれるパスワードマネージャーを利用しましょう。
  • 公共の場で個人情報を入力しない。キーボードを別のパソコンに接続して、使い勝手をテストしてみましょう。別のシステムでキーボードの動作が異なる場合、ハードウェア型のキーロガーが存在する可能性があります。
  • 身の回りに不審なデバイスがないかチェックする。キーボードを別のパソコンに接続して、使い勝手をテストしてみましょう。別のシステムでキーボードの動作が異なる場合、ハードウェア型のキーロガーが存在する可能性があります。