VPNは必要か?VPN接続が必要な場面5選
インターネットの利用がますます一般的になり、オンラインでの活動が日常生活に欠かせないものとなっている今日、オンラインでの活動において、セキュリティとプライバシーの保護がますます重要になってきています。近年、セキュリティ対策のひとつとしてVPNの重要性が高まっています。今回はVPNの必要性をはじめ、どんな場面で利用するべきなのかについて解説します。
目次
VPNとは?
VPNとは、仮想プライベートネットワーク(Virtual Private Network)の略称で、ユーザーがオンライン上で行なうデータの送受信やインターネットの閲覧履歴、アクセスしている位置情報などを外部に漏えいしないように保護する情報通信技術のひとつです。具体的には、インターネット上でデータを送受信する間にトンネリングと呼ばれる仮想のトンネルを作り、ここを通るデータは全て暗号化されるので、サイバー犯罪者をはじめとする第三者にデータを盗まれたり、改ざんされるといった心配がなくなり、プライバシーが保護されます。
さらには、ユーザーが利用しているIPアドレスも隠すので、アクセスしている本当の位置情報も外部に漏れません。政府機関やマーケティング会社、ISP(インターネットサービスプロバイダー)などは、それぞれの目的からユーザーのオンライン上での行動履歴を監視を企てていますが、もちろんこういった第三者にプライバシーを侵害される心配もないでしょう。
また、VPNは、仕事の機密性の高いデータを送受信したり、脆弱性のある公共のフリーWi-Fiを使用する際に有効的といえ、接続することでトラフィックを暗号化し、IPアドレスを隠すので第三者による介入や盗聴を防ぎます。このようにVPNは、あらゆるものがデジタル化しつつある現代社会において、オンライン上でのプライバシーを保護し、セキュリティ面を強化して安全性を保つために必要といえます。
VPNはどんな時に必要か?
現在、VPNは、ビジネスやプライベートに限定されることなく、さまざまな場面で活用されています。ここではVPNを利用するべきシチュエーションについて解説します。
Wi-FiフリーWi-Fiに接続している時
現在、多くの企業がリモートワークを導入しており、特に2020年以降のコロナ禍の影響でその数は増加しています。多くの社員が外出先で会社のクラウドにアクセスして業務を行いますが、その際に無料の公共Wi-Fiを使用することが一般的です。しかし、カフェや公共機関のフリーWi-Fiは危険性が高く、サイバー犯罪者などの攻撃対象となりやすいため、特に旅行先で無料Wi-Fiに接続したり、オンラインバンキングにアクセスする場合、データ漏えいの危険性が高まります。しかし、VPNに接続することでトラフィックが暗号化され、セキュリティが強化されるため、情報漏洩などのリスクを軽減することができます。
オンライン検閲に直面した時
中国をはじめとするいくつかの国では情報が規制されており、海外のニュースやSNSなどはインターネット検閲によって制限されているため、自由に閲覧することができません。少数のジャーナリストや活動家たちは、そのような報道や表現の自由を制限された環境の中でも真実を伝えようと活動しています。ただし、最近はそのような規制のある国に滞在している場合でも、VPNに接続することで本来制限されているウェブサイトやオンラインサービスにアクセスすることができるようになりました。注意点としては、国によっては近年のテクノロジーの発展により、VPNの使用を検出して制限または禁止している場合があります。したがって、そのような情報規制のある国でVPNを使用する際には、事前に利用可能かどうかを確認することが重要です。
インターネットでプライバシーを守りたい時
普段、私達はYahoo!やGoogleをはじめとする検索サイトを利用していますが、実は個人の検索内容は検索の性能を向上させるためという名目で全て記録されています。このような検索サイトやインターネットサービスプロバイダーは、利用者の閲覧内容や行動履歴は全て追跡されており、もし万が一何らかの問題が起きた場合にその情報が外部に流出してしまう可能性も否定できません。しかし、VPNに接続することでこれらの検索サイトを利用した際もトラフィックが暗号化されるので外部に流出する心配がなくなり、安心してネットサーフィンを楽しむことができます。
海外旅行中
海外旅行中は、著作権や地域的な問題から自国で使用できるオンラインサービスや映画やドラマ、音楽などのコンテンツにアクセスできない場合があります。しかし、海外旅行向けVPNを使って自国のVPNサーバーへ接続することで滞在先の地域制限を回避することができ、自国に滞在している時を同じように各オンラインサービスを利用できるようになります。また、海外にあるフリーWi-Fiは安全性に欠けていることが多いですが、VPNに接続するとインターネット通信を保護してくれるので安心して利用することができます。もし、海外で緊急性でどうしてもフリーWi-Fiを使用しなくてはいけなくなった場合は、VPNに接続してから利用するようにしましょう。
その他のVPNの使用例
上記の方法以外にもVPNはさまざまな場面で活用できます。たとえば、ISPは動画配信やゲームの速度を制限し、その他のトラフィックを優先させる場合があります。オンラインゲームを楽しみたい人は、VPNに接続することでISPの帯域幅の制限を回避し、遅延を軽減したり、頻繁にあるDDoS攻撃を防ぐこともできます。また、VPNに接続することで頻繁に表示される煩わしい広告をブロックし、加えて読み込み時間の短縮やデータの消費量を抑えます。このような広告にはデバイスに悪影響を及ぼすマルウェアが含まれるいる場合がありますが、VPNに接続することで被害を防ぐことができます。
iPhoneにVPNは必要か?
iPhoneは、Androidなどのスマートフォンよりもセキュリティ対策がしっかりされているので安全性は高いといわれていますが、100%安全ではありません。ここでは、iPhoneにおけるVPNの必要性について解説します。
インターネット電話やチャットを使って仕事のミーティングをはじめ、各種料金の支払い、ゲームや動画コンテンツを楽しんだり、SNSを通しての友人との近況報告など、何でもスマホで解決できる時代になりました。日本人のスマホ保持者のおよそ半数がiPhoneユーザーで、現代においては老若男女問わず誰もが上記のようにスマホを日常的に使用しています。
しかし、何でもかんでもスマホに依存するあまり様々な危険が伴うのも事実です。たとえば、外出先から仕事の大切なデータを送らないといけない場合に、セキュリティ面が脆弱なフリーWi-Fiを利用すると漏えいしてしまう危険性があります。フリーWi-Fiに加えて、オンライン上に存在するウェブサイトや広告には無数のさまざまな罠が仕掛けられていたり、メールやSNS内のメッセージ機能を悪用したフィッシング詐欺も増えています。私達はインターネットに接続している限り、24時間365日、常に危険に遭遇する可能性があります。
そして、iPhoneでVPNは必要かと言われれば、答えは絶対に必要だといえます。iPhoneでVPNに接続することでトラフィックが暗号化されるので、ハッキングや個人情報の漏えい被害などサイバー犯罪の被害に遭う可能性が低くなり、安全にインターネットを利用することができるでしょう。特にiPhoneでVPNを使用する際には、様々な優れたセキュリティ機能を兼ね備えているNordVPNのようなiPhone用VPNを提供しているVPNプロバイダーが理想的です。
自宅でVPNは必要か?
VPNを使用する主な目的はセキュリティとプライバシーですが、それ以外にもVPNを使うことの長所と短所はたくさんあります。ここでは、自宅でもVPN接続が必要な主な理由を紹介します。
多くの人がカフェや公共機関のフリーWi-Fiに比べ、自宅のWi-Fiのほうが安全だと信じています。しかし最近は自宅のWi-Fiもサイバー犯罪者の標的とされており、対応方法次第でサイバー脅威にさらされてしまう可能性が十分あります。近年はインターネットに繋がっていることで遠隔操作が可能なIoT(モノのインターネット)家電が普及しています。テレビや洗濯機などの家電製品をはじめ、自宅の鍵、防犯カメラまでが一括管理できます。その反面、それらが第三者にハッキングされてしまうと簡単に泥棒に入られたり、プライベートな情報が漏えいしてしまう可能性があるなど非常に怖い面もあり、便利さと危険は表裏一体といえます。
しかし、自宅で使用しているルーターにVPNを設定することで、ルーターが発信しているWi-Fiに繋がっている全てのスマートデバイスが保護され、サイバー犯罪者がユーザーの個人情報を盗むことを大幅に難しくすることができます。
また、旅行や出張で家を空けることが多い場合でも、渡航先でVPNを利用することで世界中のどこからでも自宅のホームネットワーク上のファイルやシステムに安全にアクセスすることができます。その際のトラフィックはVPNを通じて暗号化されて保護されているので、オンライン上での潜在的な脅威を気にすることなく、アクセスすることができます。
VPNの設定と使用方法
ここではVPNの入手方法やインストールをはじめ、サーバーへの接続、使用方法を説明します。
まず、VPNを使用するためには、スマホやパソコンで手軽に使用できるVPNアプリがおすすめです。現在、数多くのVPNサービスを提供しているプロバイダーが存在しており、どのVPNを選択するかは目的によっては異なりますが、以下では優れたVPNを選ぶ上でのポイントをまとめました。
- VPNプロバイダーがお使いのデバイスやプラットフォームに対応していること
- 高速な通信速度を保つためにもできるだけVPN専用サーバーの数が多く、世界中のさまざまな国にサーバーを保持していること
- 業界最高水準の暗号化である「AES-256ビット暗号化」を導入していること
- VPNサービスプロバイダーがユーザーのオンライン上での行動履歴を保存しないことを証明するノーログポリシーを採用していること
- 年中無休で電話、またはライブチャットで問い合わせ可能なカスタマーサポートがあること
上記のポイントを参考にVPNアプリを決めた後は、以下の手順に沿ってVPNを使用しましょう。
- App Store、またはGoogle Play Storeからお使いのデバイスにインストールします。
- アプリにログインします。
- アプリにある地図でお好みの国のサーバーを選んで接続します。
数あるVPNプロバイダーの中でも特にNordVPNは、優れた脅威対策Pro機能を兼ね備えているのでより安心できるでしょう。
結局VPNは必要なのか?
これまでVPNの仕組みや必要性について紹介してきました。結論としては、デジタル化が進んだ現代の生活において、VPNは不可欠と言えます。
たとえば、仕事や旅行で海外に行った場合、自分の国のVPNサーバーに接続することで、海外からでも自国のオンラインサービスを利用できるようになります。特に検閲や規制が厳しい国を訪れる場合、事前にVPNアプリをインストールして設定を行っておくことが重要です。
また、スマートフォンを使用する際には、プライバシーの保護やセキュリティの向上、地域制限の回避などの観点からも、VPNの利用は大きなメリットがあります。現在、スマートフォンを使用してオンラインバンキングを行ったり、機密性の高いデータを送受信することは日常的に行われていますが、公共の無料Wi-Fiを利用する際には情報がサイバー犯罪者に盗まれる可能性があるため、VPN接続は安全性を確保するために重要です。
インターネットを利用する限り、常にサイバー犯罪に巻き込まれる可能性があるため、VPN接続を維持する必要があります。VPNに接続することで、トラフィックやデータの送受信を暗号化し、実際のIPアドレスが外部から見られないため、情報漏えいなどのサイバー犯罪の心配を減少させ、安心してインターネットを楽しむことができるでしょう。