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ナショナル・プライバシー・テストで判明:日本の参加者は世界ワースト2位

ナショナル・プライバシー・テスト(NPT)は、サイバーセキュリティやデジタルプライバシーに対する世界の人々の意識を評価するための世界的な調査です。最新の調査結果により、世界的にサイバーセキュリティ意識が低下している中、日本人はサイバーセキュリティおよびインターネットプライバシーの知識において世界ワースト2位であることが示されました。この記事では、ナショナル・プライバシー・テストの概要と、テスト結果について掘り下げてご紹介します。

ナショナル・プライバシー・テストで判明:日本の参加者は世界ワースト2位

ナショナル・プライバシー・テストとは?

ナショナル・プライバシー・テストとは、世界の人々のオンラインセキュリティとプライバシーの知識度を測ることができるようデザインされた国際的な調査です。この調査は、日常のデジタル習慣やプライバシー意識、サイバーセキュリティの脅威といった、サイバーセキュリティにまつわるさまざまなトピックに関する22の質問で構成されています。

今年は世界175か国から数千人がこの調査に参加しました。当社はその中から最も回答の多かった25の市場を分析し、国ごとの違いを調べました。

参加国は、その国の参加者の成績に応じたNPTスコアを獲得します。また、当社のデータアナリストが、正答数にもとづいて参加者を4つのサイバータイプに分類しました。

今回の結果を深く掘り下げる前に、まずはナショナル・プライバシー・テスト(NPT)スコアの算出方法と、サイバータイプの決定方法について明確にしましょう。

NPTスコアの算出方法

NPTスコアは、他の3つのスコア(毎日のデジタルライフ、プライバシー意識、デジタルリスク耐性)の平均値を用いて算出されています。テストは22の質問から成り、各質問の数値は4.5%です。それぞれのカテゴリーにおいて、回答者がより多くの質問に正しく答えるほど、NPTスコアは高くなります。

サイバータイプとは

サイバータイプとは、NPTスコアにもとづいた、サイバーセキュリティ知識とスキルのレベルを表す参加者グループです。サイバータイプとそれに対応するNPTスコアは以下の通りです。

  • サイバーワンダラータイプ:NPTスコアが最も低く(1~24%)、オンライン上で安全に過ごすためのデジタルセキュリティやプライバシー知識が十分ではありません。
  • サイバーツーリストタイプ:NPTスコアは平均的で(25~49%)、サイバーワンダラータイプより知識はありますが十分ではありません。
  • サイバーアドベンチャータイプ:オンラインセキュリティやプライバシーに関する問題について、比較的よく理解できていて意識も高いタイプです。NPTスコアは50~74%です。
  • サイバースタータイプ:優れたサイバーセキュリティ意識、知識、スキルをそなえた優秀な参加者であり、NPTスコアは75~100%です。

テスト結果からの考察

NPTスコアワースト2位(55%)という結果の通り、総じて、日本人はサイバーセキュリティ習慣およびオンラインプライバシーのスキルと知識に関して、他国に遅れをとっているようです。しかし、強力なパスワードを作ったり利用規約を読むといった点にかけては、高得点をマークしています。結果の詳細を確認してみましょう。

重要なポイント

ナショナル・プライバシー・テストでは、サイバーセキュリティおよびインターネットプライバシーの知識において、日本は世界ワースト2位という結果が示されました。主な考察は以下の通りです。

  • 日本の回答者の大多数が強力なパスワードの作成方法を知っており(95%)、これはサイバー犯罪者からアカウントを保護する上で極めて重要なことです。
  • 日本人はオンライン上のさまざまなリスクの認識およびその回避方法において最高スコアを獲得(61%)していますが、オンライン上の安全を確保する方法やツールに関する質問では最下位(51%)という結果でした。
  • 日本人の回答者の多くは、InstagramやFacebookといったSNSのプラットフォーム上ではできるだけ情報を共有しないほうがよいと理解しています(93%)。自分の今いる場所や個人情報が見ず知らずの人の目に触れる状態になるのはさまざまなリスクをはらむことを理解しているようです。ネットいじめであれネットストーカーであれ、誰が悪意を持った目的でそういった情報を利用するか分かりません。
  • 日本人はクレジットカード情報をブラウザに保存することのリスクも知っています(82%)。また、複数のアカウントで同じようなパスワードを使用するリスク(86%)や、デバイスがマルウェアに感染する仕組み(83%)についても認識しています。
  • プライバシー意識について見れば、日本の回答者のスコアは25か国中最も低かったのですが、利用規約を読むことの重要性や、デジタルプライバシーのためにどのようなツールを使うべきかを理解しており、これはトップのシンガポールに次いで2位でした。しかし、インターネットサービスプロバイダーがメタデータの一部としてどのようなデータを収集しているかについて知っている日本人はわずか5%しかいません。
日本のテスト結果の概要

日本のサイバータイプの特徴

日本人の1%は「サイバーワンダラータイプ」(インターネットのプライバシーやサイバーセキュリティについてほぼ無知)であり、8%は75点から100点を獲得し、知識豊富な「サイバースタータイプ」と認められました。

2021年からの主要な変化

日本では近年、利用規約を読むことに顕著な変化が見られます。2021年には、利用規約を重要視する日本の回答者はわずか24%でしたが、今年は45%が注意を払っています。

一方、見知らぬデバイスが自分の電子メールにログインしようとしたことを通知されたらどうすべきかを分かっている日本人は多くありません(2021年の80%に対し、2023年は65%)。その答えは、アカウントに不審な動きがないかチェックし、パスワードを変更し、2段階認証を有効にすることです。

世界の結果概要

全体として、プライバシーとサイバーセキュリティに対する意識は世界レベルで低下していることが明らかになりました。昨年の64点と比較し、今年の総スコアは100点中61点でした。

NordVPN最高技術責任者であるマリユス・ブリエディスによると、ネット上の脅威が複雑化し、サイバーセキュリティ・ソリューションの数が増加している状況を鑑みれば、この減少は驚くべきものではないということです。

「サイバーセキュリティの知識が世界的に低下している理由はいくつかあると思います。まず、最も重要なのは、人々が日常的に行っているオンライン活動やデジタル交流の量の多さでしょう。弊社の以前の調査では、世界の人々は生涯のうち27年以上をオンラインで過ごすと示されています。次に、テクノロジーが進歩し続けるにつれ、サイバー犯罪者の手口も変化しており、一般ユーザーがそれに追いつくのは困難なことです。また、サイバーセキュリティはサービスプロバイダーだけの責任であるという誤解もあります」と、ブリエディスは言います。

世界のテスト結果の概要

オンライン上のリスクとその回避方法に関する質問に対しては最も高い回答率(73%)でしたが、オンラインツールや安全対策に関しては最も低い結果(52%)を示しました。

世界的にも、人々は強力なパスワードの作り方について知っており、95%がこの質問に正しく答えています。また、ほとんどの人が、ソーシャルメディアで共有を避けるべき機密データ(90%)や、クレジットカード情報をブラウザに保存することのリスク(88%)を理解しています。

しかし、世界的に見ても、デジタルプライバシーを保護するツールについて知っている人は3%に過ぎず、インターネットサービスプロバイダーがメタデータの一部としてどのようなデータを収集しているか知っている人はわずか11%しかいません。

同様に、アプリやオンラインサービスの利用規約を読むことの重要性を理解している人はそう多くありません(31%)。しかし、しかし、この指標は他の指標よりも早く改善されているのは朗報です(2021年に利用規約に注意を払っていた回答者は21%にとどまります)。

サイバータイプについては、サイバーセキュリティ知識が皆無の「サイバーワンダラータイプ」は、全回答者のうちたった1%でした。世界の15%は「サイバースタータイプ」です。

興味深いことに、スコアが最も高いのは30~54歳で、ほぼサイバースタータイプと言えそうです。この結果は、若年層と54歳以上の人たちがサイバーセキュリティスキルを磨き、オンラインプライバシー習慣の改善に努める必要性を示唆しています。

サイバーセキュリティとプライバシーに対する意識が最も高い国トップ3:

  • ポーランド、シンガポール(NPT 64点)
  • ドイツ、アメリカ(NPT 63点)
  • イギリス、オーストリア、ポルトガル(NPT 62点)

よりグローバルな考察と国別比較については、ナショナル・プライバシー・テストのレポートをご覧ください。

テストに参加して、いくつ正解できるか試してみませんか?

ナショナル・プライバシー・テストの公式サイトはこちら

方法論

ナショナル・プライバシー・テストは、誰でも参加できるオープンアクセス調査です。2023年には、175か国から26,174人の回答者が参加しました。本調査は各国を代表するものではありません(つまり、年齢や性別についての枠が設定されていません)。当ブログ記事で参照しているレポートは、2023年7月19日までに収集された調査データを使用しています。本レポートとウェブページの結果の差異は、7月19日以降にテストを受けた参加者によるものです。