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GoogleのManifest V3(マニフェストV3)は広告ブロックの強敵なのか?

「Manifest V3(マニフェスト V3)」は、Google Chrome(グーグルクローム)などで採用される予定の新しい拡張機能APIです。GoogleはManifest V2からManifest V3への移行を計画しており、これによりChromeブラウザの拡張機能に大きな影響を与える可能性があります。この記事では、Manifest V3についてわかりやすく解説し、Manifest V3への移行による主な変更点や、Manifest V3が広告ブロックに与える影響について紹介します。

GoogleのManifest V3(マニフェストV3)は広告ブロックの強敵なのか?

Manifest V3とは?

Manifest V3(マニフェスト V3)とは、グーグルが同社の人気ブラウザ「Chrome(クローム)」などで採用が予定されているアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)のことで、現在は「Manifest V2」と呼ばれるAPIが採用されています。

Manifest APIは、Chrome拡張機能がブラウザとどのように相互作用するかを管理するシステムです。V3では、前バージョンと同様に、拡張機能が実行できるアクション、設定への変更、コードやデータの保存場所などが規定されます。

Manifest V2はすでに多くのことを行っていますが、V3では拡張機能の重要なルールを変更しており、広告ブロックなどに影響を与える可能性があるという点で注目されています。

Firefoxの拡張機能もいずれはGoogleのAPIと連携することが求められるため、新しい広告ブロック拡張機能のルールはFirefoxユーザーにも影響を与えるでしょう。そしてもちろん、他のChromiumベースのブラウザも影響を受けることになります。Braveブラウザ、Vivaldi、Microsoft EdgeなどのGoogle Chromeの代替ブラウザは、Chromiumで動作している場合、すべて影響を受けます。

Manifest V3へ移行後はどうなるのか?

Manifest V2移行タイムラインによると、2018年からManifest V3の移行スケジュールが進行中ですが、V3は2023年6月に正式に移行が開始される予定で、2024年の1月には、Manifest V2を実行する拡張機能がChromeウェブストアから消えるとのことです。しかし、実際にManifest V3では何が変わるのでしょうか?

Googleによると、次世代APIは、ユーザーをより安全にし、ブラウザの全体的な体験を向上させるために、拡張機能のための新ルールを導入予定だそうです。多くのブラウザ拡張機能は、クラウド上のコードに依存しています。ダウンロードした拡張機能は、多くの場合、ブラウザとリモートで保存されたコード間の橋渡しに過ぎず、ブラウザの操作方法を変更するものではありません。つまり、拡張機能の重要なコードのほとんどはダウンロード可能なファイルには保存されていないため、拡張機能が危険かどうかを評価するのは難しいケースがあるのです。

そこで、Manivest V3が登場するのです。この新しいAPIは、拡張機能が実行するすべてのコードを含むことを要求し、Googleがそれをスキャンして潜在的なリスクを検出する力を与えます。また、拡張機能がブラウザに実装できる変更について、Googleに許可を求めることを強制します。

つまり、V3はGoogleに、拡張機能やその機能を選別したり、ブロックしたりする力を与えるのです。しかし、この新しいAPIによって、生じる弊害もあります。

Manifest V3がAdblock(広告ブロック)に与える影響

Manifest V3が広告ブロックに与える影響について説明する前に、広告ブロッカーについて触れておきましょう。

広告ブロッカー(アドブロッカー)とは、閲覧しているWebページにオンライン広告が読み込まれないようにする拡張機能およびアプリのことを指します。何百万人ものインターネットユーザーが、この広告ブロックの拡張機能を使用して、迷惑な広告を制限したり、完全にブロックしたりしています。これにより、ストレスが軽減するだけでなく、不正広告の危険性からも身を守ることができます。

それでは、Chromeの新しいAPI「Manifest V3」が広告ブロックソフトに与える影響について説明します。ほとんどの広告ブロッカーは、特定のURLをターゲットにするのではなく、HTTPリクエストのカテゴリ全体をブラックリスト化します。このシステムは「Web Request API」と呼ばれ、広告をブロックするためのプロセスの重要な部分となっています。

V3では、拡張機能の開発者は「Declarative Net Request API」と呼ばれる別のシステムを導入することを強制されています。このシステムでは、拡張機能が処理するルール(特定のHTTPアドレスをブロックするための仕組み)をあらかじめChromeに登録しておき、そのルールに合致するリクエストを受信すると、Chromeがそのルールに従って処理する仕組みになっています。これにより、Manifest V3では、拡張機能で実行できるルールが3万件に制限されてしまいます。多くの広告ブロック拡張機能が有効に機能するためには、少なくとも30万件のルール実行能力が必要であるため、このシステムは広告ブロックに悪影響を与えることになります。

これは、実に深刻な問題です。広告ブロックの効果を低下させ、Googleに拡張機能の機能を制限する力を与えてしまうことになりかねません。Googleのサービスは広告収入によって支えられているので、広告を制限することを難しくし、効果を少なくする誘因が十分にあります。

NordVPNはManifest V3の影響を受けるのか?

他のプライバシーツールとは異なり、NordVPNのモバイルおよびPC用アプリは、新しいGoogle Chrome API「Manifest V3」の影響を受けません。さらに、NordVPNの脅威対策機能に搭載している広告ブロックは、今までと変わらず機能します。スマホの脅威対策ライト版、パソコンの脅威対策のフルバージョンともに、広告を回避することができ、NordVPNのトラッキングブロックで、プライバシーをより強化できます。

脅威対策から利用できるNordVPNの広告ブロックは、機能させるためにブラウザや特定のマニフェストバージョンに依存しません。ただし、その他の広告防止サービスについては、マニフェストV3の影響を受けるものもあるため、必ずしもそうとは限りません。

Manifest V3に対応した広告ブロックは登場するでしょうが、今までのようには機能しないかもしれませんし、2023年以降もV3互換性のある拡張機能のみが機能することになります。Manifest V2がサポートされなくなると、複数の広告ブロック拡張機能が機能しなくなります。

これを避けるためには、Chromiumベースではなく、ブラウザの中でおすすめするものを使いましょう。Chromiumベースのウェブブラウザでセキュリティを強化したい場合は、脅威対策機能で広告を制限するために、NordVPNの導入をおすすめします。NordVPNの脅威対策は、マルウェアのリスクを減らし、広告をブロックし、オンライントラッキングを防止します。

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