検索エンジン「DuckDuckGo(ダックダックゴー)」とは?危険性について解説
「DuckDuckGo(ダックダックゴー)」は、ユーザーを追跡したり、データを収集したりしない検索エンジンです。オンライン活動の一部を記録したすべてのデータが瞬時に消え、安全・プライバシーを守りながらのブラウジングが実現します。この救世主の登場により、個人情報を積極的に収集するGoogleや他の検索エンジンに頼る必要はなくなります。この記事では、「DuckDuckGoとは何なのか?」「どのように機能するのか?」そして、「DuckDuckGoは危険なのか?」という疑問に答えます。Google以外の検索エンジンの利用を考えている方は、この記事を参考にして、DuckDuckGoの導入を検討しましょう。
目次
DuckDuckGoとは
DuckDuckGo(ダックダックゴー)とは、一言で言えば、プライバシーを重視した検索エンジンです。Googleや他の主流な検索エンジンのように、検索結果や広告をユーザーに最適化するために、トラッキングクッキーやIPアドレスを使ってログイン情報や過去の行動データを保存することはありません。
DuckDuckGoは、パーソナライズされた検索結果を提供しないため、検索結果のフィルターバブル(各ユーザーが見たい情報のみを表示する機能)を回避することができます。また、ユーザーの検索パターンに応じてプロファイリングされることもなく、誰もが同じ検索結果を得ることができます。
DuckDuckGoは主にウェブ検索エンジンとして機能し、Google検索と同じような感覚で使用することができます。DuckDuckGoはシンプルな検索エンジンなので、他のブラウザと比較して多くの追加機能を提供しない代わりに、高品質でプライベートな検索体験を惜しみなく提供します。
また、検索結果を複数のページに分割して表示することもありません。DuckDuckGoでは、1つのページをスクロールすることで検索結果を見ることができます。Googleの場合、ほとんどのユーザーは1ページ目より先をわざわざ見ないので、この方がずっと便利です。
DuckDuckGoのメリット
ここからはDuckDuckGoを使うメリットを見ていきましょう。
プライバシーが強化される
プライバシーは、この検索エンジンの一番の売りと言えるでしょう。DuckDuckGoは、ユーザーの習慣や検索履歴などのデータを保存したり追跡したりすることはありません。また、当然のごとく、ダックダックゴーは勝手にユーザー情報を第三者に譲渡・漏洩したり、マーケティングに利用したりすることはありませんので、安心して利用できます。
検索結果にターゲティングやプロファイリングを行わない
世界中のどこにいても、どんな趣味を楽しんでいても、どんな組織に属していても、DuckDuckGoを使って検索する際は、同じ結果が得られます。さらに嬉しいメリットは、DuckDuckGoのプライバシーポリシーのおかげで、ターゲット広告に悩まされることがない点です。
便利な追加機能が充実している
DuckDuckGoには、通貨換算や電卓、タイマー、色見本、QRコード生成機能など、多くの便利な追加機能があります。
DuckDuckGoのデメリット
数多くのメリットがある魅力的なDuckDuckGoですが、少なからずデメリットも存在します。ここからはDuckDuckGoのデメリットについて紹介します。
他の検索エンジンに比べて利便性が低い
DuckDuckGoは、Googleのようにあまりシェアがないため、多くのアカウントやサービスを同期させることができません。
パーソナライズや自動提案機能がない
これらの機能はトラッキングの関係上、Googleにしかできないことなので、DuckDuckGoユーザーは、パーソナライズや自動提案機能を使うことはできません。
提供しているサービスが少ない
DuckDuckGoは、Googleや他の大手検索エンジンに比べると、提供しているサービスが少ないという欠点があります。
DuckDuckGoの安全性とプライバシー
Googleやその他の大手ブラウザには、プライベートブラウズモードがあるため、プライバシーに配慮した状態で検索ができると思われがちです。しかし実際のところは、プライベートブラウズモードを有効にしても、完全に匿名な状態でWebを閲覧できるわけではありません。しかも、Chromeのシークレットウインドウを開くと、「訪問先のウェブサイト」「雇用主または学校」「ご利用のインターネットサービスプロバイダ」にアクティビティが知られる可能性があるという注意書きが表示されます。
一方、ダックダックゴーの安全性はかなり高く、大手のブラウザよりはるかに強力なプライバシーを提供します。前述の通り、DuckDuckGoの最大の魅力は、なんと言っても、プライバシー重視で検索ができること。Googleとは異なり、IPアドレスとユーザーがネットで検索した内容を関連付けないため、パーソナライズされた広告が大量に表示されて悩まされることが無くなります。
また、DuckDuckGo検索エンジンに個人データを共有することもできますが、それはあなたが希望する場合に限ります。DuckDuckGoが強制的にデータを共有するように求めることはありません。
2022年5月に、DuckDuckGoはMicrosoftのトラッカーを例外としてブロックせず通過させていることが判明しましたが、2022年の8月に、アップデートによりMicrosoftのサードパーティ追跡スクリプトのブロックが完了しています。ここで気になるのが、「DuckDuckGoはどのようにして利益を出しているのか」という点ですが、DuckDuckGoはキーフレーズ検索広告と、AmazonやeBayなどの企業との匿名アフィリエイト契約によって収益を得ています。
さらに、ダックダックゴーは、Torサイトのドメイン名の接尾辞である.onionウェブサイトをインデックスする唯一のエンジンであるため、ダークウェブユーザーに活用される印象を持つ方もいるかもしれませんが、これはあくまでユーザーがDuckDuckGoを不適切な目的で使用しているだけであって、DuckDuckGoのブラウザ自体が危険というわけではありません。
DuckDuckGoの人気
DuckDuckGoは、ユーザーの個人情報や検索履歴が保存・追跡されないなど、ユーザーにとって安全で、「あなたを追跡しない検索エンジン」というダックダックゴー謳い文句も真実だと言われています。DuckDuckGo公式サイトのデータによると、年々利用者が増加しています。
利用者が増えた背景には、2013年に元CIA職員のエドワード・スノーデン氏が、GoogleやYahooなどの検索エンジンも巻き込んだアメリカ国家安全保障局(NSA)のインターネット監視プログラム「PRISM」を通じて個人情報を組織的に収集していたことを明らかにしたことが少なからず影響していると言われています。
DuckDuckGoは日本語に対応しているのか?
ダックダックゴーはアメリカ発の検索エンジンですが、パソコンとスマホのダックダックゴーブラウザに関しては、ホーム画面の表示や各種メニューはすべて日本語化されています。
しかし、ダックダックゴーのスマホ用アプリは、現在日本語には対応しておらず、設定からも日本語に切り替えることはできません。そのため、英語ができない方には少し使いづらいかもしれません。しかし、検索キーワードや検索結果は、当然ながら日本語で利用できるので、ご安心ください。
DuckDuckGoを日本語で使いたい場合は、SafariやFirefoxなど日本語に対応しているブラウザでDuckDuckGo検索を利用することをおすすめします。
DuckDuckGoの使い方
ここからは、パソコンとスマホの両方でDuckDuckGoを利用する方法について解説します。
ChromeにDuckDuckGoを追加する方法
- DuckDuckGoのウェブサイトを開く
- 「ChromeにDuckDuckGoを追加」をクリック
- 「Chromeに追加」を選択する
- 「拡張機能を追加」をクリックする
検索エンジンをGoogleなどに戻す際は、Google Chromeの設定にある「検索エンジン」から希望の検索エンジンを設定します。
SafariにDuckDuckGoを追加する方法
- DuckDuckGoのウェブサイトを開く
- 「SafariにDuckDuckGoを追加」 をクリック
- 新しいタブまたはウィンドウを開く
- 検索バーの虫眼鏡のアイコンをクリックしてDuckDuckGoを選ぶ
FirefoxにDuckDuckGoを追加する方法
- DuckDuckGoのウェブサイトを開く
- 「FirefoxにDuckDuckGoを追加」 をクリック
- 画面右上に拡張機能の追加を尋ねるポップアップが表示されるので「追加」を選択
検索エンジンをGoogleなどに戻す際は、「設定」>「検索」と進み、「デフォルト検索エンジン」から希望の検索エンジンを設定します。
EdgeにDuckDuckGoを追加する方法
- DuckDuckGoのウェブサイトを開く
- 画面右上にある3つのドットのメニューをクリック
- 「設定」を選択
- 「プライバシー、検索、サービス」をクリック
- 「アドレス バーで使用する検索エンジン。」の下にあるドロップダウンメニューを選択し、「DuckDuckGo」をクリック
モバイル端末にDuckDuckGoを追加する方法
スマートフォンでDuckDuckGoを利用するには、iPhoneならApp Storeで、AndroidスマホならGoogle Playにて、DuckDuckGoブラウザアプリをダウンロードできます。
それ以外にも、スマホの設定からDuckDuckGoをデフォルトのブラウザに設定することもできます。
- iPhoneの場合
- iPhoneの設定から「Safari」を選択する
- 「検索エンジン」をタップする
- 検索エンジンの一覧から「DuckDuckGo」を選ぶ
検索エンジンをGoogleなどに戻す場合は、上記と同様の操作を行ってください。
- Androidの場合
- デフォルトのブラウザであるGoogle Chromeを開く
- 画面右上にある3つのドットのメニューをタップ
- 「設定」を選択する
- 検索エンジンの一覧から「DuckDuckGo」を選ぶ
検索エンジンをGoogleなどに戻す場合は、上記と同様の操作を行ってください。
DuckDuckGoで!Bang機能を使う方法
DuckDuckGoの「!Bang (バン)機能」とは、GoogleやAmazon、eBayなどの検索結果をDuckDuckGoで表示するために使用する方法です。
たとえば、キーワード検索をする際に「!gj [お好きな検索キーワード]」と入力すると日本のGoogleで検索ができ、「!yj [お好きな検索キーワード]」と入力するとYahoo!JAPANで検索ができ、「!gi [お好きな検索キーワード]」と入力するDuckDuckGoでGoogleの画像検索を表示させることができます。その他の!BangコマンドはDuckDuckGoの公式ページで調べることができます。
ただし、検索は実際に他のサイトで行われているため、データ収集方法を含め、そのサイトのポリシーに従う必要があることをお忘れなく。
Web検索をより安全かつプライベートにする方法
この記事ではDuckDuckGoのメリット・デメリット、安全性、使い方について説明しましたが、Webでより安全・プライベートに検索するためには、DuckDuckGoの導入に加えて 以下のことを実践するといいでしょう。
- DuckDuckGoの設定を調整する:DuckDuckGoブラウザは、大人向けの好ましくない検索結果を省く「セーフサーチ」や、動画のサムネイルをクリックした時の動作を設定できる機能、広告の表示有無を選択できる設定などを備えています。より安全にDuckDuckGoを利用したい場合は、DuckDuckGoの設定を自分好みにカスタマイズしましょう。
- プライバシーに配慮したウェブブラウザを使用する: 主要なウェブブラウザの中には、ユーザーの行動を理解し、ターゲット広告を提供するために、IPアドレスやブラウザのクッキーに保存された固有の識別子など、ユーザーに関する多くのデータを収集しているものがあります。プライベートな状態でウェブを閲覧したい場合は、安全なブラウザでおすすめのものを使用しましょう。
- IPアドレスを隠す: 前述の通り、一部のウェブブラウザはIPアドレスを収集するため、VPNを利用してIPアドレスを隠すのも、よりプライベートにWebを利用するための一つの方法です。
- トラッキング、ポップアップ、広告をブロックする:そもそもトラッキングとは、ユーザーがサイト内のどのページを閲覧したかを追跡・分析することを指します。ユーザーの行動を分析することにより、広告主はユーザーの興味に合わせた広告やポップアップを表示させることができます。 トラッキングは、必ずしも悪質な用途で利用されるわけではなく、ウェブページの状態を管理するために使われることもありますが、Webサイトやアプリの中には、過剰なトラッキングによって悪質かつマルウェアを含んだ広告やポップアップを表示するものがあります。マルウェアからの保護を徹底して、安全にWebを利用するためにも、DuckDuckGoの利用と並行して、トラッカーブロックやアドブロッカーをインストールして、サイバー脅威から身を守りましょう。