VPNが遅くなる原因
VPN(仮想プライベートネットワーク)とは、接続することでインターネットトラフィックを暗号化するなど、オンライン上の安全性を高めるためのセキュリティツールです。具体的には、お使いのデバイスでインターネットを利用する際に、安全なVPNサービスプロバイダーが保持しているVPN専用サーバーを介してデータを送受信することによって暗号化するので、外部から通信内容が見えづらくなります。万が一、漏えいした場合でも、強固な暗号化が施されているため、解読することはできず、より安心してインターネットが利用できます。例えば、カフェや駅などの公共のフリーWi-Fiは、セキュリティ面が脆弱なことで知られていますが、VPNに接続することでセキュリティ面が向上するため、安全に利用できるようになります。また、世界各国にあるVPN専用サーバーを使用することで、ユーザーがアクセスしている本当の居場所を隠すことができ、サイバー犯罪者に知られる心配もありません。しかし、VPNに接続するとVPN専用サーバーを経由する分、どうしてもインターネット速度が多少低下してしまいます。さらに、その他にも通信速度に影響を与える原因がいくつかあることをご存じでしょうか。以下では、 VPNに接続することによって通信速度が遅くなる原因 をいくつかご紹介します。お使いのVPNが遅い、重い、繋がりにくいと感じた場合の原因を調査する際に参考にしてください。
VPNサーバーまでの距離
接続したVPNサーバーまでの物理的な距離が遠いことは、VPNが遅い原因のひとつといえます。VPNサービスプロバイダーは世界各国に複数のVPNサーバーを保持しており、ユーザーはインターネットを通じてそれらのVPNサーバーに接続可能です。しかし、ユーザーが滞在する場所からより遠い場所にあるサーバーを選択してしまうと、回線速度の影響を受けて通信速度が遅くなる可能性があるため、アップロードやダウンロードする際の速度に影響を及ぼしてしまいます。遠くの国のサーバーに接続している場合、ドラマや映画を見ている途中で画面が静止したり、遅延してしまうこともあるため、ストレスフリーで見たい場合はできるだけ日本国内や近隣諸国のサーバーに接続してみましょう。NordVPNは、世界113カ国にサーバーを設置しているため、日本国内にいる時や海外旅行中でも自由にお好きなサーバーを選べるだけでなく、最適なサーバーに自動で接続する機能も兼ね備えています。
サーバーの過負荷
VPNサーバーに必要以上の負荷がかかっている状態も、VPNが遅くなる原因といえます。一般的に、VPNはセキュリティ対策のため、データトラフィックの複雑な暗号化を行なうことによって、データの盗聴や改ざんを防止しますが、その分サーバーへの負荷もかかります。それぞれのVPN サーバーには処理可能な容量が定められていますが、サーバーに負荷がかかり過ぎてしまうと、速度が遅くなったり、接続できない場合があります。また、多くのユーザーが特定のVPNサーバーを同時に利用すると、負荷が集中してしまい、通信速度が低下します。VPNサービスを無料で提供しているプロバイダーには、このような通信速度の低下がよく見られます。一方、有料版VPNサービスプロバイダーは、より大きな負荷にも対応可能な優れたサーバーを提供しているのに加えて、世界各国に多くのサーバー数を保持しているため、各サーバーによる速度への影響を最小限にとどめます。なかでもNordVPNは、世界中におよそ7000台ものVPNサーバーを保持しており、その速度はVPN業界でもトップクラスを誇ります。
インターネット接続の制限
様々なインターネットによる接続制限もVPN接続が遅くなる原因です。例えば、アクセスする場所や通信環境によっては、特定のインターネット通信が制限されている場合があります。また、ユーザーが契約してるISP(インターネットサービスプロバイダー)の各プランに速度や帯域幅の制限がかけられているケースがあるため、VPN接続時の速度も制限されてしまう可能性があります。加えて、ISPによるメンテナンス時やサイバー攻撃など内部でトラブルが発生しているいても速度が制限されるでしょう。しかし、優れたVPNサービスプロバイダーを使用することで、ISPによる追跡を遮断することができるため、速度や帯域幅の制限を受けずに済みます。もし、VPN接続が遅い場合は、複数のインターネット回線を使って試してみましょう。
高度過ぎる暗号化の影響
VPNで使用する暗号化が高度過ぎると、処理するのに時間がかかってしまい、VPN接続が遅くなる可能性があります。通常、VPNはデバイスからVPNサーバーを経由してウェブサイトのサーバーへ通信データを送信する途中で、外部から見えないように暗号化しますが、お互いのサーバーに到着した際に、再びデータが見えるよう復号化します。この暗号化レベルがより強力であればあるほど、必要な処理が増えて時間がかかってしまい、結果的に通信速度が遅くなる可能性があります。仮に暗号化を弱めれば速度は速くなるかもしれませんが、その分情報漏洩えいの危険性が高まるため、おすすめはできません。このように、優れたセキュリティとプライバシー面の強化には代償が伴うため、どれを自分の第一優先として考えるかが重要といえます。しかし、NordVPNは、業界の中でもより堅固な暗号化技術を導入していると同時に、理想的な速度の提供を実現していることでも知られています。
MTUの不一致
VPNとMTUの不一致もVPN接続が遅くなる主な原因の一つです。MTUとは、Maximum Transmission Unitの略称で、スマホなどの通信機器が1回で送信可能なデータ量のことです。VPNで送信するデータ量が、契約している回線のMTUの最大設定値を超えると、データは1回で送信できないため、分割されて送信されます。よって、データが分割されて複数回送信されるという余分な処理を実行するため、通信速度が遅くなる可能性があります。お使いのデバイスとVPNのMTUの差が大きければ大きいほど、通信速度に悪影響を与えて遅延が生じやすくなる傾向があります。VPN接続速度が遅い場合、まずはお使いのデバイスやルーターのMTU値を確認してみましょう。
バックグラウンドソフトウェアの干渉(ウイルス対策ソフト、アップデート
お使いのデバイスの各OS(MacOS、Windows OS、Google App storeなど)やアプリなどのアップデートも、VPN接続が遅くなる原因のひとつとなりえます。各OSは、より最新の機能を使用したり、セキュリティ面を維持するために、定期的なアップデートが必要ですが、OSによってはファイル容量が大きく、バックグラウンドでのアップデート中はネットワークにかなりの負担がかかって遅延が発生する可能性があります。また、ウイルス対策ソフトは、マルウェアやウイルスの侵入や不正アクセスを防ぐために常に全ての通信データをスキャンしているため、VPN接続時の通信速度に影響が出て遅くなってしまうことがあります。VPN接続してインターネットを利用した際の動きがあまりにも重い状態だったり、ウェブページの読み込み速度が遅すぎる場合は、ウイルス対策ソフトの設定を一度見直してみるのもひとつの方法といえます。
VPN接続が遅い場合の対処法
VPNを使用すると、インターネットの速度が低下する可能性が高まりますが、適切なツールや技術、設定を使用することで、VPNの速度を高速に保つことができます。以下では、お使いのVPNの速度が遅い場合の対処法をご紹介します。
より近いサーバーに切り替える(利用可能な場合)
一般的に、VPNに接続すると、お使いのデバイスから送信されたトラフィックがVPNサーバーを経由しますが、VPN接続時の速度は物理的な距離にも影響されます。そのため、ユーザーの滞在地から接続中のVPNサーバーまでの距離が遠すぎると、通信速度が遅くなる場合があります。VPN接続時の速度を向上させたい場合は、接続しているVPNサーバーを日本国内や近隣国のVPNサーバーに切り替えることで速度がより早くなる可能性があります。多くのVPNサービスプロバイダーは、複数の国や地域にサーバーを保持しており、ユーザーは自由に接続するサーバーを選択できます。日本国内に滞在しているなら、アメリカのVPNサーバーに接続するよりも、日本国内や韓国など近隣諸国のVPNサーバーに接続するほうが、通信速度は速くなる傾向があります。逆に、現在地から物理的に離れたVPNサーバーに接続した場合は、インターネットの速度が遅くなる可能性があるので、VPNを利用する際は覚えておきましょう。なお、NordVPNが提供しているアプリは、その時の状況に合わせて最適なVPNサーバーを自動で選んで接続してくれるため、自分でサーバーを探す必要がなく、非常に利便性が高いものです。
VPNとデバイスを再起動する
VPNとデバイスの再起動は、VPN接続時に速度が遅い場合の解決策として有効な方法です。通常、お使いのデバイスで一度にたくさんのアプリやウェブページを開いていたり、メモリが不足しているなどの原因で、処理能力が低下し、VPN接続に影響を与える可能性があります。もし、VPNの接続が遅くなっていると感じたら、デバイスを再起動することで処理能力が回復し、VPN接続時の通信速度も速くなるでしょう。また、VPNルーターやデバイスのキャッシュメモリーに蓄積している不要なデータも速度に影響を及ぼす可能性があるため、定期的に削除することも、 VPNが遅い 場合のひとつの解決方法といえます。
MTU設定を調整する
前述したように、VPNで送信するデータ量が契約回線のMTUの設定値を超えていると、通信速度が遅くなることがあります。MTUは送信側が接続する毎に値の設定変更が可能なので、契約回線のMTUの設定値に合わせてデバイスから送信するパケットのサイズを小さく調整することで、通信速度が向上する可能性があります。以下は、各MTUを調整する手順です。
1.契約回線のMTU値を確認する
まず、speed guide.netの「 SG TCP/IP Analyzer 」を利用し、契約回線のMTU値を調べます。その後、表示された契約回線のMTUを最大値とし、VPNルーターとクライアント端末のMTU値を調整します。
2.VPNルーターのMTU値を確認して調整する
ウェブブラウザにルーターのIPアドレスを入力することでMTU値を確認し、契約回線のMTU値に合わせて調整します。
3.クライアント端末のMTU値を確認して調整する
通常、クライアント端末の設定変更はOSによって異なります。Windowsの場合は「コマンドプロンプト」、macOSの場合は「システム環境設定」から確認し、調整します。
ウイルス対策ソフトを一時的に無効にする
VPNの接続が遅い場合、ウイルス対策ソフトを一時的に無効にすることで速度を確保することができます。一般的に、お使いのデバイスへのマルウェアの侵入やサイバー犯罪者による不正アクセスを防ぐためには、ウイルス対策ソフトの導入が必要不可欠ですが、デバイス内のあらゆる通信データを常時スキャンし、フィルタリングすることで、通信速度が遅くなることがあります。VPN接続した際に通信速度が遅いと感じたら、ウイルス対策ソフトを一時的に無効にすることで速度を取り戻せる可能性が高まります。ただし、ウイルス対策ソフトを無効にするのは、VPNの速度に悪影響を及ぼしている原因を特定するためには有効な手段といえますが、セキュリティ的観点からすれば長期的にとるべき対策とはいえません。ウイルス対策ソフトを無効にすると、その間はセキュリティレベルが下がり、デバイスや個人情報が危険に晒されてしまうリスクがあるため、多少速度が落ちた状態でもなるべく有効にしておくことをおすすめします。
ワンクリックでオンラインセキュリティ対策を。
世界をリードするVPNで安全を確保
インターネットプランのアップグレード
通常、VPNは使用している回線の品質に大きく影響されます。どんなに高性能なVPNサービスプロバイダーを使用していても、契約しているインターネット回線が脆弱だと、速度は遅いままです。インターネット回線を契約する際は、通信量や帯域幅の制限があるインターネット回線はできるだけ避けるようにするなど、事前にしっかり調べることが重要で、必要な場合は契約プランのアップグレードを検討するのもひとつの手段といえます。加えて、VPNサービスプロバイダーも、無料版の場合は有料版と異なり提供しているVPNサーバーが少なかったり、帯域幅が制限されている場合が少なくないため、積極的におすすめはできません。
まとめ
今回は、VPN接続することによってインターネットの速度が低下する理由をいくつか紹介しつつ、 VPNが遅い 場合の対処法について詳しく紹介してきました。 VPNは公共のフリーWi-Fi を利用する際などには非常に有効なセキュリティ対策といえますが、一方でインターネット利用時にトラフィックがVPNサーバーを経由するため、通信速度が遅くなることが多いのが問題です。特に、 Instagramなど各オンラインサービスのアカウントを削除 する際にVPNの速度が遅い場合は注意が必要です。しかし、上記で紹介した対処法を実行することで、ある程度の改善をはかることができます。
また、VPNを利用する際は、高品質なサービスを提供しているVPNプロバイダーの利用をおすすめします。無料版のVPNを使用すると、接続可能なVPNサーバー数や帯域幅に制限があるだけでなく、個人情報などをダークウェブ上で売られてしまうなどの危険性があります。現在、VPN市場では非常に多くのVPNプロバイダーがひしめきあっていますが、その中でもNordVPNは、世界111カ国に約6,400台ものVPNサーバーを保持しているため、仮に接続したVPNサーバーの通信速度が遅かったとしても、物理的な距離が近く、より速い別のVPNサーバーにすぐ切り替えることが可能です。加えて、ユーザーの状況に合わせて最適なVPNサーバーに自動で接続するため、わざわざ自分で速度の速いサーバーを探す手間を省くことができるなど、様々なメリットを享受しながら、どこにいても安心してインターネットを利用することができるでしょう。
ワンクリックでオンラインセキュリティ対策を。
世界をリードするVPNで安全を確保