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【2024年版】IT・情報処理の資格:世界と日本の状況も徹底解説

Google Trendによると、2023年度はITセキュリティへの関心が非常に高く、とりわけIT試験・IT資格が最も話題となるトピックでした。リモートワークの時代をむかえ、AIやDX導入は必須のものとして、企業のIT人材へのニーズも高まっています。ここにきてIT系のリスキリング、スキルアップを考える人が急増しているようです。そこで、具体的にどんなIT資格が人気があるのか、どんな人がどんな理由で受験するのか、IT資格を取るメリットなど、グローバルに日本の状況を見ていきます。

【2024年版】IT・情報処理の資格:世界と日本の状況も徹底解説

目次

目次

世界で人気があるIT資格、日本の位置づけは?

まずは最初に、世界で人気があるIT資格と日本の状況を、ピアソンVUE「IT資格に関する調査レポート」を参考にご紹介します。この調査データは、ピアソンVUEにてIT認定資格の試験準備・取得を行った176か国、21,000人以上のプロフェッショナルが対象となっています。

Inforgraphic about IT certification

参考資料:2023年度IT認定資格に関する調査レポート

2020年度のIT資格は、グローバルではSaaS等のクラウドコンピューティングが28%と一番人気でした。国・地域別では、日本のクラウドの受験者数は最も高い34.2%です。

2022年度を見ると、受験者数は全体的に減少しています。

一方、今後12カ月のデータを見ると、クラウドの受験者数は一気に増加し、グローバルで38%、日本は44%、インドでは48%です。

さらに、サイバーセキュリティの受験者が急増し、グローバルでは34%、日本も2022年比で大きく増加。北米は55%、中東・アフリカにて45%とセキュリティーへの関心度が高いことがわかります。

IT資格の受験者の年齢層

次に、IT資格の受験者を年齢層で見た時には、全体的に25歳~35歳に集中していました。初めてのIT資格は25歳~34歳(45%)が最も多く、複数のIT資格保有者に関しては35歳~44歳(36%)という結果でした。

資格取得者はキャリアアップに有利なのか?

キャリアレベルでは、新入社員、一般社員レベルの受験者が多いという結果が出ています。IT系の技術者でなくとも、キャリアのアップグレードを図る方法としてIT資格が活用されています。

IT資格を取る理由とそのメリット

IT資格を取る理由やそのメリットは何なのでしょうか。引き続きピアソンVUEの調査レポートを参照にご紹介しましょう。

「なぜIT資格を取得するのか」の問いに関して最も多かったのが「スキルや能力を身に着け、雇用機会を増やしたい」という回答です。この回答が2020年度(44.3%)と2022年度(47.3%)と双方で高い比率となっていました。

認定資格取得を計画した最も重要な理由2020年2022年
スキル、知識または能力の取得44,30%47,30%
プロフェッショナルとしてのプロフィールや履歴書の充実14,40%15,40%
現職での昇格や昇進21,90%21,60%
特定のIT職の取得6,50%5,20%
転職7,60%7,00%
就職(失業している/していた)4,90%3,20%
認定資格取得を計画した理由(複数回答)2020年2022年
スキル、知識または能力の取得72,50%74,80%
プロフェッショナルとしてのプロフィールや履歴書の充実56,80%61,50%
現職での昇格や昇進56,20%58,80%
特定のIT職の取得32,40%27,30%
転職26,20%24,80%
満たす必要のある仕事や学校の要件19,70%20,40%
就職(失業している/していた)13,40%10,00%

出典:2023年度IT認定資格に関する調査レポート

金銭的なメリット

もう1つ、IT資格で重視されたのは、「昇格や昇給」などの金銭的なメリットでした

昇給したかどうかの問いに対して、2022年は約37%が「はい」と答えており、2020年の28%から大きく上昇しています。インドのMicrosoftの資格認定ホルダーによると、51%以上の昇給と昇進が実現できたとあります。

個人的なメリット

キャリアだけでなく、IT資格によって個人的な自信や満足感につながることをメリットに挙げる声も多かったです。

IT certification inforgraphic

参考資料:2023年度IT認定資格に関する調査レポート

  • 自身の能力に自信がついた ~92%
  • 成功するための決意がより強固となった~84%

IT資格の取得は、ダイレクトな雇用や昇給だけでなく、内発的なモチベーションにもつながっています。

IT資格を取るメリット:グローバル比較

実際には、IT資格を取るメリットは国や地域で格差があるのが現状です。

インドでは、資格取得による昇進や昇格が35%、同業界での転職が20%、大学・プログラムに合格したケースが19%と最も高い割合を示しています。同様に、中南米や中東・アフリカでもポジティブな結果が報告されていました。

しかし、日本の場合は、資格所得による昇進や昇格は10%、転職率は3%~5%という結果にとどまります。メリットを実感する人の割合は、調査時においては最低の比率でした。

日本では国際経験を持つIT人材が不足しており、IT人材そのものに対する理解が乏しいため給与形態や雇用に反映されづらいことが挙げられるでしょう。

なぜ、日本ではIT資格のメリットが実感しづらいのか、以下の記事でも詳しく解説しています。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の現状と課題

IT資格における日本の状況

前章にて、日本ではIT資格のメリットがあまり活かされていないことがわかりました。この章では、日本人のITリテラシーや資格の取得状況を探っていきます。

日本人はITリテラシーが強いのか?

日本人のITリテラシーを測る方法として、今回はナショナル・プライバシー・テスト(NPT)を参考にしました。

最新の調査では、サイバーセキュリティおよびインターネットプライバシーの知識において、日本は世界ワースト2位という結果でした。

日本人の回答の主な考察は以下のとおりです。

  • 大多数が強力なパスワードの作成方法を知っている。(95%
  • ネットいじめなどSNSプラットフォーム上のリスクを理解している。(93%)
  • クレジットカード情報をブラウザに保存するリスクも知っている。(82%

基礎的なITのリスクを理解する一方では、インターネットを実用化では最下位(51%)です。プライバシー意識は25か国中で最も低く、インターネットプロバイダーのデータ収集リスクを理解する日本人はわずか5%という結果でした。

詳しい情報は、以下の記事からご覧いただけます。

ナショナル・プライバシー・テストで判明:日本の参加者は世界ワースト2位

情報処理試験の受験者から見たIT資格の取得状況

では、日本におけるIT資格の取得状況はどうなのでしょうか。

IT資格の取得状況を、「情報処理試験」の応募者数から判断すると、平成13年に約80万人のピークに達した後は減少傾向にあります。

平成27年にはピーク時の約半数近くまで減少。令和2年は新型コロナウイルスの影響から一気に30万人へと低下しました。

ただ、新型コロナウイルスの回復期には応募者数は急回復しています。リモートワークやDX導入から、IT資格への関心が再発したと言えるでしょう。

令和5年度と6年度に関しては、現在も募集中となるため正確なデータはわかっていません。

出典:情報処理技術者試験 情報処理安全確保支援士試験 統計資料 (令和6年)

都道府県別の受験状況

「情報処理試験」の受験者数を都道府県別で見ると、東京都32,541人が最も多く(令和6年3月時点)、次に神奈川県、千葉県、大阪府、埼玉県と続きます。都市部ほど受験者が多い傾向にあります。

出典:情報処理技術者試験 情報処理安全確保支援士試験 統計資料 (令和6年)

ここ数年は、ITの基礎的な資格である「ITパスポート」への人気が集まっています。「ITパスポート」の受験者が急増した理由として、非IT系におけるIT技術者のニーズが高まっていることが挙げられます。

例えば、独立行政法人情報処理推進機構によると、令和3年度のITパスポートの受験者は12万人を超えており、とくに金融・保険業、不動産業では、前年比率で320%と著しく増加しました。その他の業種においても、ITパスポートの受験者は増加傾向にあります。

金融関連でIT資格の受験者が急増したのは、顧客管理や資金管理などの定型業務が多いため、デジタル化が容易に進んだためだといわれています。

IT資格別の受験状況

次に、IT資格の受験者を業種別に見ていきましょう。

令和6年度3月時点 情報処理試験の応募者数(業種別/応募者数が高い順)

  • 情報処理・提供サービス業 14,478人
  • ソフトウェア業 12,480人
  • 無職・その他無記入 11,292人
  • 金融・保険、不動産業 1,366人
  • サービス業 1,063人

応募者はIT業界に集中しているものの、無職と思われる層も結構多いです。

2022年の「ITフリーランス人材及びITフリーランスエージェントの市場調査」によると、ITフリーランス人材はここ数年で増加傾向にあります。こうした事情から、会社に所属しない受験者が増えているようです。

ここで、一般的に課題となりがちなIT関連の業務を掘り下げてみました。

ユーザー企業・ベンダー企業・個人の3者において、「IT業務で何が課題と感じているか」を質問したところ、共通して課題となっているのが「費用の見積り」「プロジェクト管理」「品質管理」「要件定義/管理」の4項目でした。

個別では、ベンダー企業は「費用の見積り」を課題と感じる比率が極めて高いなど、経営形態によって、IT業務へのニーズは変わってくるようです。

出典:IPA(情報処理推進機構)2023年度ソフトウェア開発に関するアンケート調査(単純集計グラフ)

取得希望のIT資格

次に、IT技術者自身はどのようなIT資格を希望しているでしょうか。日経クロステックが毎年開催している「IT資格実態調査」を参考にしてみました。

2023年度の「これから取りたいと思うIT資格」のアンケート調査の結果は以下の通りです。

1位:情報処理安全確保支援士

2位:AWS認定各種

3位:プロジェクトマネージャー

4位:応用情報技術者

5位:基本情報技術者

前回より目立ってランキングが下がったのは「データスペシャリスト」と「システムアーキテクト」。入れ替わりに、「応用情報技術者」と「情報処理安全確保支援士」がプラス幅を大きく伸ばす結果となりました。

また、ITエンジニア向け転職情報サイトでは、クラウドワークス登録のIT資格保有者を対象に「年収」に関するアンケート調査が行われています。

2023年 最新 稼げるIT資格ランキング
ランキングIT資格名称平均年収(万円)平均年齢(歳)
1応用情報技術者686.137.2
2Ruby技術者認定62637.2
3シスコ技術者認定621.238.1
4PHP技術者認定620.337.3
5AWS認定資格615.834.6
6LPIC613.836.2
7OracleJavaProgrammer609.536.5
8OracleMaster571.437.7
9基本情報技術者533.636.1
10ITパスポート474.635.2

出典【2023年】稼げるIT資格ランキング!国家&ベンダ資格取得者190人にアンケート!!

アンケートの結果から、平均年収が一番高かったのは、国家資格の「応用情報技術者」の686.1万円で、2位のRuby技術者認定626.0万円より60万円高い金額となっています。3位はシスコ技術者認定でした。

IT資格を取るにあたっては年収を考慮する方もいらっしゃるのではないでしょうか。

経済産業省商務情報政策局情報処理振興課のデータによると、2030年時点で最高約80万人規模でIT人材不足が生じる恐れがあります。また、IT資格を取得する人材の平均年齢も上昇している中、若手のIT人材育成のニーズが高まり、他業種と全くことなる年収を提示する企業も増えています。事実、年収1000万待遇の「新卒IT人材」を歌っている上場企業も登場しています。そこで、実際に稼げる人気のIT資格の魅力をご紹介します。

情報処理安全確保支援士

「情報処理安全確保支援士」は「登録セキスペ」とも呼ばれている国家資格で、IT資格の中で唯一「士業」と呼ばれるプロフェッショナルに分類されます。高い信頼性が付随するメリットがあります。

ITでとくに重要な、セキュリティーのリスクアセスメントやリスク対策を行い、かつコンサルタントとして助言できるスキルとなります。難易度が高く相応に高い報酬が期待できる資格です。

平均年収は600万円〜1,300万円程度だと言われています。

国家の情報処理試験の概要 

「情報処理試験」は、ITリテラシーやエンジニアのスキルを証明する国家試験で、IPA(情報処理推進機構)が試験を実施しています。

資格試験は、レベルや分野ごとに13種類に分けられています。高度な知識・技能に分類される資格は、先述の「情報処理安全確保支援士」「システム監査技術者」「ITサービスマネージャー」など9種類です。試験の合格者は、経済産業省によって認定される仕組みです。

参照:試験区分一覧 – IPA

AWS認定各種

稼げるIT資格として、AWS認定も選択肢です。AWS認定とは、Amazonが提供するクラウドに関する資格のことで「AWS認定パス」と呼ばれています。クラウド初心者~上級者まで4つのレベルがあり、世界共通の12種類の各種認定パスが取得できます。

例えば、プロフェッショナルレベルの「ソリューションアーキテクト」の年収は570万円程度で、フリーランスになると平均960万程度が期待できます。

MySQL認定も覚えておきたい資格の1つで、米大手ITサービスOracleの世界共通の認定制度です。「Database/MySQL」「Java/Middleware」など数十種類の試験項目(英語版)があ

参照:AWS認定 – Amazon

MySQL認定

Oracleが運営するOracle University(オラクル大学)にて、認定取得に向けた各種コンテンツが無料で利用できます。MySQL認定で期待できる年収は550万円~700万円が相場です。

参照:認定資格一覧(日本語) – Oracle University

IT プロジェクトマネージャ

ITプロジェクトマネージャーは、「情報処理試験」の1つで、システム開発プロジェクトで高収入を得るために欠かせないスキルです。

プロジェクトの成功には、適切な計画と予算、人材やリソースの確保、進行・品質管理などリーダーシップや高度なマネジメント能力が求められます。プロジェクトの規模によって平均年収も640万円~890万円と高額です。

参照:ITプロジェクトマネージャ試験 – IPA

Ruby 技術者認定

Ruby技術者認定は、プログラミング言語Rubyを基盤としたシステム設計・開発・運用におけるスキルを認定します。

Rubyは日本で開発された言語で、アプリケーションサイトやショッピングサイトなど幅広いサイトで使われ、年収も200万円~700万円と幅があります。2,000万円以上になることもあるようです。

参照:Ruby 技術者認定試験 – Ruby Association

Cisco 技術者認定

そして、Cisco技術者認定も収益性が高いIT資格です。世界最大のIT機器メーカーCisco Systemsが提供する世界共通の認定資格で、競争力の高さが強みです。

初心者レベルからエキスパートレベルまで5段階に区分され、用途・分野別に多数の試験が用意されています。プロフェッショナル・エキスパートレベルから、さらにシスコスペシャリスト認定で、専門性を高めることができます。例えば、CCIEと呼ばれる認定資格では年収は645万~1,000万円前後に跳ね上がると評判です。

まとめ

デジタル化で欧米やアジア諸国に大きな後れをとった日本。このままでは、2025年に年間で現在の約3倍(12兆円)の経済損失が発生する「2025年の崖」に直面するといわれています

デジタルシフトを急ぐ企業は多いものの、IT人材不足は過去最悪の水準にあります。IT資格がこれまでになく、有効に作用するチャンスが訪れているのです。IT資格は、在宅フリーランスとしての道も開かれている強靭な資格です。取得しておくことで、働き方の選択肢もぐっと拡がっていくでしょう。

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