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WireGuard VPNとは?メリットとデメリットをわかりやすく解説

WireGuard VPNは、VPNにおける通信プロトコルのひとつで、速度やパフォーマンス面では一般的に使用されているIPsecやOpenVPNによる接続方式よりも、設定が簡単で優れた性能を発揮していることから最近、VPN 市場で注目されています。また、設定がシンプルなので、一般ユーザーでも簡単に安全性の高い通信を実現することができるのも魅力的といえます。この記事では、WireGuardプロトコルの仕組みとVPNサービスについて説明していきます。

WireGuard VPNとは?メリットとデメリットをわかりやすく解説

目次

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WireGuard VPNプロトコルとは?

WireGuardとは、VPNプロトコルであり、VPN(仮想プライベートネットワーク)内でのデータの暗号化と移動方法を決めるためのルールの集合体といえます。VPNは、ユーザーが使用するIPアドレスを外部から見えなくするために隠し、インターネットトラフィックの漏えいから保護するデジタルツールです。

具体的には、VPN内では、インターネットトラフィックはデバイスとVPNサーバーの間で暗号化されたトンネルを通って移動します。それが暗号化および復号化される速度、および暗号化によって提供されるセキュリティのレベルは、主に使用されるVPNプロトコルによって決まります。

これまでVPNを利用する際の主な接続方式はOpenVPNやIPsecプロトコルでしたが、VPNサーバーの設定や構築するのは難しく、一般ユーザーにとっては高いハードルとなっていました。しかし、簡単に設定可能なことを目指して開発されたWireGuardは、いくつか簡単な設定を行ない、秘密キーの生成と公開キーを交換するだけで、安全性の高い通信を実現します。

そして、WireGuardの特筆すべき点は、非常に迅速に動作し、高レベルのセキュリティを提供し、比較的少ないコード行数で書かれている点です。アプリの機能をサーバー上に配置・展開し、利用可能にするデプロイ(deploy)やバグや欠陥を特定して修正するデバッグ(debug)を容易に実行するためには、プロトコルのコードが軽量であるかどうかは非常に重要です。

このようにWireGuardは、VPNを介したデータの保護と転送をより迅速かつ効果的に実行する方法といえます。最近では、その速度の速さやセキュリティ面が強力というメリットもあり、このWireGuardを導入するVPNサービスプロバイダーが増えており、多くのユーザーが実際に使用しています。

WireGuard VPNの仕組み

WireGuard VPNには通常、スマートフォンのアプリなどのクライアントと呼ばれるVPNサーバーが含まれます。WireGuardは、OpenVPNやIPsecなど他の暗号化プロトコルと同様にサーバーと通信し、サーバーとクライアント間に暗号化トンネルを確立します。WireGuardクライアントとサーバー間でデータが移動する際にデータは暗号化され、適切な暗号化キーがなければ解読できないため、安全性がより高まります。

上記は他のあらゆるVPNプロトコルと同じといえますが、WireGuardプロトコルが他と異なるのは、クライアントとサーバーを接続した際のデータを転送する速度の速さです。AES-256を採用している他のプロトコルとは異なり、WireGuardはChaCha20認証暗号化を採用しています。ChaCha20は、AES-256よりも短い暗号キーで動作するため、暗号化と復号化が高速化されます。

さらにWireGuardプロトコルは、WireGuardサーバーとLinuxデスクトップ上でOSの中核となるLinuxカーネル内で実行されるため、速度が向上します。一方、他のプロトコルの場合は、機能を効率よく使用するためにカーネルのストレージとユーザー空間を切り替える必要があり、動作速度も若干低下します。このようにWireGuardは他のプロトコルに比べて技術的にも優れているといえ、さまざまなメリットがあります。

WireGuard VPNプロトコルのメリットとデメリット

以下では、WireGuard VPNプロトコルを使用する上でメリットとデメリットの両方を紹介します。

WireGuard VPNプロトコルのメリット

  • 速度:WireGuardを使用する一番のメリットは速度の速さです。VPNは、デバイスとインターネット間のデータの移動に余分な負荷をかけるため、ほとんどの場合で接続速度が低下してしまいます。しかし、WireGuardを使用することで、速度低下を最小限に抑えることができ、VPNに接続しない状態とほとんど変わらないほど気にならないでしょう。
  • コードベースが最小限:WireGuardは、他の多くのVPNプロトコルに比べて少ないコード行数で構成されているので、導入や問題が起きた場合も解決が簡単です。WireGuard VPNプロバイダーは、問題を特定する際に整理するコードが少ないため、バグをすぐに発見し、解決することができます。
  • 強固なセキュリティ:速度を向上させるためにセキュリティ面を妥協する他のプロトコルに比べて、WireGuardは非常に強力な暗号化を提供しており、速度とセキュリティの組み合わせにより、最高のVPNプロトコルのひとつといえます。一般的なVPNプロバイダーが使用しているVPN技術は古い暗号形式で、ソースコードが比較的大規模で管理しづらいですが、WireGuardの場合はソースコートがコンパクトなので、通常のVPNよりもセキュリティ面での監視がしやすい仕様に設計されています。
  • 再接続が迅速:WireGuardは、非常に迅速に新しい接続を確立できるため、VPNを再接続される際に無駄に待つことなく、ネットワークやルーターの切り替えが可能です。他のプロトコルだと、ネットワークを切り替えする際、VPNを再接続するのに時間がかかる場合があります。
  • オープンソースソフトウェア:WireGuardはオープンソースであり、誰でもそのコードを監査・編集可能です。そのため、技術専門家もVPNプロバイダーも同じようにコードを調べて問題を発見して修正し、さらにはそれを基に構築してパフォーマンスを向上させることもできます。また、一般的にVPNやソフトウェアは、ユーザー数の増加に応じてライセンス料金が上がったり、無料で使用できるOSSのVPN内の重要な機能を使用するためにエンタープライズライセンスの購入が必要な場合がありますが、WireGuardはオープンソースソフトウェアとして存在しているため、ライセンス費用がかからず、コストを抑えて利用できます。

WireGuard VPNプロトコルのデメリット

  • 難読化の欠如:WireGuardは難読化を提供していないため、ユーザーがWireGuardを使用していることを、インターネットサービスプロバイダーに知られてしまいます。このため、WireGuard VPNは、必ずしもファイアウォールを迂回できるわけではありません。ただし、NordVPNをはじめとするWireGuardをサポートするVPNプロバイダーの中には、難読化サーバーを提供しているプロバイダーもあり、VPN接続を使用しているという事実を隠すことが可能です。
  • すべてのVPNで採用されていない:現在、多くのVPNプロバイダーで採用されているWireGuardですが、まだ比較的新しいプロトコルなのすべてのVPNプロバイダーが自社のアプリで採用されているわけではありません。しかし、VPN業界における大手企業はこのプロトコルを採用しており、なかでもNordVPNのNordLynxプロトコルは、WireGuardをベースに構築されており、現在利用可能なVPNで最も高速です。そして、今後はさらに多くのVPNプロバイダーがWireGuardを採用するでしょう。

WireGuard VPNのプロトコル安全性

こちらではWireGuard VPNの安全性について解説します。WireGuard VPNは、以前のプロトコルよりも短い暗号キーを使用していますが、それでも強力な暗号化を提供しているので非常に安全なプロトコルといえます。一般的にキーが長いと解読に時間がかかりますが、WireGuardの暗号キーを総当たりで解読するには数百万年かかるというくらいなので、実際にWireGuardが採用しているこの「短い」キーは、データを安全に保つのに十分すぎるセキュリティを提供します。このようにWireGuard VPNは、最先端の技術と信頼性の高い暗号方式で認証を行なっているので安全性は高いといえます。

WireGuardプロトコルと他のVPNプロトコルとの比較

以下では、WireGuardプロトコルと他のVPNプロトコルの比較をまとめました。

WireGuardとOpenVPNの比較

現在、最も広く使用されているプロトコルであるOpenVPNですが、いくつかの面ではWireGuardのほうが優れているといえます。ひとつは、コードベースがOpenVPN(コード行数は600,000行)と比較し、WireGuardの方が小さい(約4,000行)ために実装と監査が簡単という点です。

2つ目は、OpenVPNよりも高速な点です。OpenVPNは一般的なデフォルトよりも低速なTCPプロセスを使用しているのに対して、WireGuardはデータの移動にUDPトランスポートレイヤーを使用しています。UDPとTCPの違いはこちらを参照ください。

加えて、WireGuardはより短い暗号化キーを採用し、速度をさらに高めています。VPNの使用自体を隠すためにはOpenVPNの方が良い場合もありますが、NordVPNの難読化サーバーを使用している場合は、WireGuardベースのNordLynxプロファイルを使用しながら、VPN接続も難読化することができます。

WireGuardとIPSec/IKEv2の比較

IKEv2/IPsecは、優れた速度とより低いCPU使用率などOpenVPNにいくつか匹敵する点があります。しかしながら、速度やセキュリティ面、そしてはるかに小さなコードベースを使用している点などからWireGuardの方が総合的に優れています。

IKEv2/IPsecは、古い暗号化方式を実行したい場合に適した選択肢かもしれませんが、VPNを探している人の大半は、最新の暗号化を望んでいるはずなのできっとWireGuardを選ぶでしょう。

WireGuardプロトコルの重要性

ここからはWireGuardプロトコルの重要性について紹介します。WireGuardプロトコルは、VPNをより有意義に使用するためには重要といえます。たとえば、これまではVPNアプリを使用することで接続速度が低下してしまう可能性がありましたが、WireGuardを使用することでそのマイナス点はほとんど目立たなくなるでしょう。

また、セキュリティ面に関しても、WireGuardでは非常に強力な暗号化を提供しているので、オンライン上でのプライバシーを保護することができます。WireGuard VPNを利用する人が増えれば増えるほど、インターネットの安全性は高まります。

さらにWireGuardはコードがオープンソースであるため、NordVPNがNordLynxプロトコルで実行したように、多くの開発者コミュニティがWireGuardを改良することができます。以上のことからWireGuardプロトコルは、VPNを使用する際には様々なメリットがあるので非常に重要といえるでしょう。

WireGuardプロトコルの設定方法

最後にWireGuardの設定方法について紹介します。お使いのデバイスにWireGuardを設定するための最も簡単な方法は、まずNordVPNのアプリをダウンロードし、NordLynxをオンにすることです。NordLynxは、WireGuardを基礎としたプロトコルで、これを使用することでユーザーのインターネット閲覧が外部に漏えいする心配がなくなり、よりプライベートで安全性を高めることができます。

以下の簡単な手順に従って、WireGuardを利用した際に最速プロトコルである NordLynxをご利用ください。

  1. NordVPNアプリをダウンロードします。
  2. アカウントにログインするか、アカウントを作成します。
  3. 「設定」を開き、「プロトコル」を選択します。
  4. 利用可能なプロトコルから「NordLynx」を選択します。

以上のプロセスが完了すると、NordLynxプロトコルを介して上記で紹介したWireGuardを利用する際に得られる全てのメリットを享受することができます。最速のVPN速度を活用することでインターネット閲覧はもちろんのこと、映画やドラマの視聴やスポーツ観戦、さらにはオンラインゲームなどもストレスフリーで楽しめます。

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