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VPN検索ボリュームの国別ランキングと今後のマーケット予測

日本では働き方改革とコロナ禍によってテレワークが浸透し、それに伴ってVPNが注目を集めています。VPNとは、「トンネリング」「暗号化」「カプセル化」によって通信セキュリティを高めるための仕組みです。トンネリングによってインターネット上に、限られたユーザーだけが利用できる仮想専用線を構築し、カプセル化・暗号化によってパケットを保護します。現在の世界のVPN市場は6.2兆円、さらに今後5年間で2倍になると予測されています。本記事では、VPNの世界的なニーズや今後のVPN市場について分析してまとめました。

Nozomi Nishimura

Nozomi Nishimura

VPN検索ボリュームの国別ランキングと今後のマーケット予測

「VPN」が最も検索されている国ランキング

今回NordVPNは、Google Keyword Plannerのデータを基に、国別に「VPN」というワードが月間どれくらい検索されているかを調査し、マップにしました。*1

2022年国別VPN検索ボリューム
国名「VPN」月間検索ボリューム
1位:アメリカ 450,000
2位:インド 301,000
3位:インドネシア 246,000
4位:トルコ 201,000
4位:パキスタン 201,000
6位:韓国 135,000
6位:イギリス 135,000
6位:ドイツ 135,000
9位:ブラジル 110,000
9位:日本 110,000

VPNの検索ボリュームランキングですが、ある程度は国別のインターネット利用者数に比例していることがわかります。以下の表では、国別のインターネット利用者数をまとめました。

以下のデータは2021年から2022年のものです。

国名インターネットの利用者数
1位:インド 836,860,000
2位:アメリカ 307,200,000
3位:インドネシア 196,000,000
4位:ブラジル 165,300,000
5位:ナイジェリア 136,203,231
6位:パキスタン 130,000,000
7位:ロシア 129,800,000
8位:バングラデシュ 126,210,000
9位:日本 117,400,000
10位:メキシコ 92,010,000
出典:ICT Data and Statistics (IDS)

2つの表を見比べてみると、アメリカ、インド、ブラジル、インドネシア、パキスタン、日本など共通してどちらにもランクインしている国が6カ国あります。このことから、インターネット利用者数とVPNの検索ボリュームはある程度比例していることがわかります。

VPNの検索ボリュームランキングに入っており、インターネットの利用者数ランキングに入っていないトルコは、インターネット規制が厳しいことで知られています。たとえば、2021年にトルコではSNSや動画配信サービスの規制強化が行われました。

そのため、規制回避を求めてVPNへの検索ニーズが大きくなっている可能性があります。

一方、VPNの検索ボリュームランキングでランクインしているイギリス、ドイツ、韓国などはコロナ禍の影響が考えられます。日本の東京では、コロナ禍前は24%しかテレワークが普及していませんでしたが、コロナ禍に入ると50%以上に拡大しました。同様にドイツやイギリスでも、コロナ禍でテレワークが推奨されて拡大したのです。

コロナ禍によってテレワークが拡大し、それに伴ってVPNの検索ニーズが高まった可能性があります。

つまり、VPNの検索ニーズは以下の2通りです。

  • コロナ禍によるテレワーク拡大で、セキュリティ向上のためVPNの需要が増えた
  • 政府によるインターネット規制の回避のためにVPNが必要

1万人当たりの「VPN」検索ボリュームの国別ランキング

続いてのマップは、Google Keyword Plannerで取得した「VPN」の国別の月間検索ボリュームを各国の人口で割って、1万人当たりの検索ボリュームとして算出した値を世界地図上に表しています。

2022年人口1万人当たりのVPN検索ボリューム
国名人口1万人当たりの「VPN」月間検索ボリューム
1位:ミャンマー 1,066
2位:トルクメニスタン 1,024
2位:ジブチ 1,024
4位:アフガニスタン 908
5位:ウガンダ 552
6位:パキスタン 496
7位:モンゴル 468
8位:香港 441
9位:アラブ首長国連邦 430
10位:ソマリア 422

VPNの検索ボリュームはインターネット利用者数に大きく左右されるために、正確な国別のニーズの高さはわかりません。しかし、VPNの1万人における検索ボリュームなら、より正確にVPNのニーズが高い国がわかります。

上記の表では、VPNの1万人における検索ボリュームのトップ10位までをまとめました。1位はミャンマーであり、ほかにも日本人には馴染みのない国が多くランクインしています。

1位のミャンマーはインターネット規制が厳しい国です。2021年にクーデターで全権を掌握したミャンマー国軍は現在、VPNを規制する法案を検討しています。それ以前にも、ミャンマー国軍はFacebookなどの主要なSNSを遮断し、市民はVPN経由でSNSなどのサービスを利用していた経緯がありました。

こういった経緯からSNSへのアクセスにはVPNが必須であり、多くの人がVPNを検索しているのだと考えられます。

2位のトルクメニスタンも、当局の意向に沿わないWebサイトへのアクセスを規制しています。また、国際ネットワークを持つメディアのWebサイトや、SNSを定期的に検閲しているとのことです。

4位のアフガニスタンは、Facebookがタリバンをテロ集団として指定し、利用を禁止しました。タリバンやFacebookにアクセス規制されたアフガニスタン人が、VPNを利用してFacebookを利用していると考えられます。

中東や北アフリカなどの地域では、インターネット規制をすることに抵抗感がありません。たとえば、2011年のアラブの春のときに、エジプトではインターネット規制が敷かれました。トルコでも定期的にインターネット規制が発生していますし、イランやイエメンなどの国では通信ネットワークを潜在的な戦場とみなしています。

ほかにも、中東諸国ではポルノなどイスラム法で禁止されているコンテンツへのアクセスを規制しています。ポルノのほかに、アルコールやギャンブルのコンテンツにもアクセスできません。

1万人におけるVPN検索ボリュームが多い国は、全般的にインターネット規制を敷いていたり、SNSから逆に規制されていたりといった傾向が見られました。これらの規制を回避するためにVPNへのニーズが高いのだと考えられます。

日本は67位となっており、62位のアメリカや59位のフランスと近い位置でした。日本の1万人におけるVPN検索ボリュームは、先進国としては平均的な順位だと考えられます。

VPNの将来のマーケット予測

VPNサービスの未来マーケット予想

2022年のVPN市場は6.2兆円を記録しましたが、2027年には2倍にあたる12兆円に成長すると予測されています。年間成長率は15.3%になると考えられており、VPN市場は将来的に拡大していくでしょう。

現在、世界中には10億人以上のVPNユーザーがいます。マーケット予測によれば今後も飛躍的にVPNユーザーは増加していくと予測されており、経済規模およびユーザー数の両方の観点から急速な展開が期待されています。

VPN市場が拡大していく理由は、世界中でモバイル端末やワイヤレス端末が増加していることです。そのほかにも、仮想アプライアンスの上昇傾向、クラウドベースのサービスの急増、データセキュリティリスクの高まりといったことが理由に挙げられます。

現在、世界中で約100万人が毎日インターネットに初めてアクセスしている状態です。インターネットとVPNの利用人口は急増しており、VPN市場には多くの発展余地があります。飽和状態からもほど遠く、今後も成長が続いていくと予想されています。

まとめ:VPNの利用は企業・個人問わず拡大していく

VPNは、「トンネリング」「暗号化」「カプセル化」によって通信を保護する技術です。「安全な通信」「IPアドレスを隠す」「プライバシーを保護」といったメリットがあります。

VPNの検索ボリューム数が多い国は、インターネット利用者の多さとある程度比例していました。しかし、VPNの1万人における検索ボリュームでは、インターネット規制が厳しい国が多くランクインしています。

VPNの市場規模は、インターネット利用人口とともに急激に拡大しています。拡大している理由には、クラウドベースのサービスの急増やテレワークの浸透、情報セキュリティリスクの高まりなどが挙げられます。

そのほかにも、VPNを必要としている人は不安定な地域に多いことがわかります。たとえば、ロシアがウクライナに侵攻した後に、ロシア国内ではVPNの利用が急増して50倍にもなりました。

今後ますますプライバシーや人権、セキュリティが重視される中で、VPNの需要はさらに拡大すると考えられます。VPNを上手に利用して、通信セキュリティを高めて快適にインターネットを楽しみましょう。

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*1 ロシアや中国など一部の国のデータは、Googleツールでは取得できないため、本リサーチ結果には含まれていません。

Nozomi Nishimura
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西村望美は、テクノロジーとオンラインプライバシーについて学ぶことを楽しんでいるライターです。サイバーセキュリティについて、わかりやすく説明することをモットーに、知識を共有しています。