デフォルトゲートウェイとは？IPアドレスの調べ方を解説

デフォルトゲートウェイについて説明する前に、まずローカルネットワークについて理解する必要があります。ローカルネットワークとは、正確には「ローカルエリアネットワーク（LAN）」を指し、これは家庭内や会社内などの同じ場所でのみ接続を行う一定範囲の大きさのネットワークのことです。

家庭内のLANでは、1台のルーターのみを使用することが多いです。一方、広いスペースでは、パケット配信を効率化するためにネットワークスイッチを活用することがあります。

LANはほとんどの場合、ネットワーク内のデバイスを接続するために、イーサネット、Wi-Fi、またはその両方を使用します。サーバー、デスクトップコンピュータ、ノートパソコン、プリンター、IoTデバイス、さらにはゲーム機など、さまざまなデバイスがLANに接続できます。オフィスでは、接続されたプリンターやサーバーを社員と共有するためにLANが利用されることが多いです。

デフォルトゲートウェイとは、内部ネットワークと外部ネットワークを接続するために使用されるネットワーク機器です。「ゲートウェイ」は英語で「玄関」を意味し、その名の通り、内部ネットワークのコンピュータがインターネットなどの外部ネットワークにアクセスするときは、必ず玄関口であるデフォルトゲートウェイを経由することになります。

内部ネットワークにある機器は、デフォルトゲートウェイの情報さえあれば、外部と接続することができます。なお、デフォルトゲートウェイは、内部ネットワーク間の通信には使用されません。

一般的には、ルーターがデフォルトゲートウェイの役割を担っているため、「デフォルトゲートウェイ」という名称の機器は存在しません。そのため、デフォルトゲートウェイを設定する場合、ルーターのIPアドレスを入力することが多いです。

デフォルトゲートウェイは、異なるネットワーク間で通信するために設定します。トラフィックのルーティング（通信経路の決定）は、通常、ルーティングテーブル（宛先＋そこへ行くための経路情報を持つテーブル）に従って行われます。

しかし、それぞれのルーティングテーブルに世界中のすべての経路を登録することは不可能であるため、中には宛先情報がルーティングテーブルにないものも出てきます。そのような場合に、デフォルトゲートウェイが役に立つのです。

つまり、ルーティングテーブルに宛先情報がなく、どこにトラフィックを送ればいいのかわからないときのための送り先というわけです。では、デフォルトゲートウェイによる通信経路の決め方はどうなっているのでしょうか？

たとえば、ホームネットワークのデフォルトゲートウェイは、コンピュータからのインターネット要求をネットワーク外に出し、必要なことを理解できるデバイスへ転送するために特定の通信経路を決定します。そこからデータが目的地に到着するまで、同じプロセスが繰り返されます。

トラフィックが到着した各ネットワークのデフォルトゲートウェイは、インターネットに情報を中継し、それを要求したコンピュータに戻します。トラフィックがローカルネットワークの外部デバイスではなく、他の内部デバイスに向けられた場合、デフォルトゲートウェイは要求を理解するために使用されますが、データをネットワーク外に送信するのではなく、正しいローカルデバイスに向けられます。

デフォルトゲートウェイアドレスとは、通常、ルーターのIPアドレスのことを指します。お使いのWi-Fiルーターは、独自のIPアドレスを持っています。この識別コードにより、情報がネットワークに到達することができるので、自分でデフォルトゲートウェイアドレスを調べる方法を知っておくといいでしょう。

デフォルトゲートウェイアドレスの確認方法を知っておくと、トラブルシューティング、家庭内のスマートデバイスやIoTデバイスを設定する際に役立ちます。

デフォルトゲートウェイアドレスは、お使いのパソコンやスマホで調べることができます。次の章では、パソコン・スマホのOS別に、ゲートウェイアドレスを調べる方法を見ていきましょう。

WindowsOSを搭載したパソコンでデフォルトゲートウェイアドレスを調べるには、次の手順に従ってください。

1. タスクバーのWindowsアイコンを右クリックします。
2. 「ネットワークとインターネット」を選択します。
3. Wi-Fiをクリックし、「アダプターのオプションを変更する」を選択します。
4. LANアダプター名が表示されている接続アイコン（Wi-Fiまたはイーサネット）を右クリックします。
5. 「状態」を選択します。
6. 「詳細」を選択します。
7. IPv4 デフォルトゲートウェイの横にIPアドレスが表示されます。

MacOSを搭載したパソコンをお使いの場合、以下の手順でデフォルトゲートウェイアドレスを特定することができます。

1. 「システム環境設定」を選びます。
2. 「ネットワーク」をクリックします。
3. 接続アイコン（Wi-Fiまたはイーサネット）を選択します。
4. 「詳細」を選択します。
5. TCP/IPタブの「ルーター」の横にIPアドレスが表示されます。

Androidスマホやタブレットのデフォルトゲートウェイアドレスを調べるには、次の手順に従ってください。

1. 「設定」を選びます。
2. 「無線とネットワーク」をタップします。
3. 「Wi-Fi」をタップします。
4. 接続済みのWi-Fiアイコンを長押し、「ネットワークを変更」を選択します。
5. 「詳細オプションを表示する」＞「IP設定」と順にタップすると、デフォルトゲートウェイが表示されます。

iOSのスマホやタブレットをお使いの場合、以下の手順でデフォルトゲートウェイアドレスを特定することができます。

1. 「設定」を選びます。
2. 「Wi-Fi」をタップします。
3. 接続しているWi-Fiの「i」を選択します。
4. 「ルーター」の横にIPアドレスが表示されます。

悪意のあるサイバー犯罪者は、ルーターを細工してデフォルトゲートウェイとして使うことで、ローカルネットワーク全体に侵入できるようになります。そのため、安全が確保されていないルーターは彼らの格好の標的なのです。サイバー犯罪者は、ルーターを簡単に操作することで、個人情報を抜き取ることもできます。

デフォルトゲートウェイという重要な役割を担うルーターのセキュリティを強化するために、NordVPNを導入しましょう。VPNをルーターに設定することで、自宅やオフィス内のすべてのデバイスのセキュリティを強化することができます。NordVPNはローカルネットワークのデータを暗号化することができるので、デフォルトゲートウェイがハッキングされたとしても、情報が漏えいすることはありません。