海外での滞在を悲しい思い出にしないためにも、データローミングの仕組み、有効/無効の切り替え方法、高額な請求をされないための対処法について解説します。
データローミングとは?
データローミングとは、国内で契約している携帯電話会社のサービスエリア外(海外)に出ても、継続してデータサービスを受けることができる仕組みです。携帯電話会社と現地のモバイルネットワーク事業者との間で協力関係が結ばれているため、海外旅行中でも日本で契約した携帯電話を使ってインターネットや電話を利用することができます。ただし、海外での利用には、通常、高額な料金が発生します。
データローミングの料金が発生するのは、海外で電話をかけたり、テキストメッセージを送受信したり、インターネット上で何かをダウンロードしたりアップロードしたりした場合です。これには、メールやウェブサイトの閲覧、動画のストリーミング、クラウドへの写真の保存など、データ通信が必要なアクティビティすべてが含まれます。
データローミングの仕組み
データローミングを使うには、携帯電話会社が自社のネットワークを外部から利用できるようにする必要があります。そのため、通常は、企業が自社のインフラを顧客以外に貸与する条件を交渉することから始まります。契約が成立すると、次のようなステップを踏むことになります。
- 1.あなたが日本のISPがカバーする地域を離れる(日本国外に移動する)。
- 2.携帯電話が利用可能なネットワークを探す。
- 3.ネットワークが未登録のデバイスを見つける。
- 4.ホームネットワークからローミングの許可を得る。
- 5.一時的なアクセスが許可され、ホームネットワークに通知される。
この「一時的なアクセス」とは、ローミング契約で指定された条件で行われるもので、これが多額の請求の原因となります。海外でのデータ通信にデータローミングを利用する場合、海外の基地局を利用することになるため、海外の通信会社の料金も必要になるのです。
データローミングに依存する機能
ここからは、データローミングを有効/無効に設定した場合、それぞれで利用できる機能やアプリについて紹介します。
データローミングがオンの場合
もちろん、データローミングをオンにすると、通常、追加料金が発生します。
データローミングがオフの場合
データローミングをオフにしている場合、海外滞在中は「通話」と「SMS」のみ利用が可能です。その他のデータ通信が必要な機能やアプリは利用することができません。
iPhoneでデータローミングを有効/無効にする方法
1. 「設定」画面を開き、「モバイル通信」をタップします。
2. 「通信のオプション」を選択します。
3. 「データローミング」のスイッチをタップして切り替えます。
このスイッチが緑色になっていればデータローミングが「有効」、白色であれば「無効」になっていることを意味します。
注意1: 「モバイルデータ通信」が無効になっている場合は、「データローミング」を切り替えるスイッチが表示されないことがあります。モバイルデータ通信を有効にしてから行ってください。
注意2: アメリカやハワイに渡航する場合、「ネットワーク選択」が「自動」になっていると、「データローミング」を無効にしていたとしても、パケット通信料が発生するケースがあります。確実に課金されないようにするには、アメリカやハワイに海外旅行中はアイフォンのモバイルデータ通信をオフに設定しましょう。
データローミングのオン/オフをAndroidで設定する方法
1. 「設定」>「ネットワークとインターネット」と進みます。
2. 「モバイルネットワーク」 をタップします。
3. 「データローミング」のスイッチを切り替えることで、有効/無効に設定します。
海外で高額なデータローミング通信料金を回避するためのヒント
データローミングをオフにしてしまったら、海外ではネットを使えないのでしょうか?
そんなことはありません。ここからは、高額な通信料金を回避しつつ、海外でインターネットを利用する方法について紹介します。
できる限りデータローミングを使用しないようにする: 海外では、データ通信ではなく、電話とSMSだけを利用したいという方は、ローミングオフを徹底しましょう。データローミングが無効になっていると、海外ではデータ通信が行われないため、データ通信料はかかりません。
インターネットの利用を最小限に抑える: 海外滞在中のインターネットの利用は、道に迷ったときに調べるくらいだという方は、できるだけインターネットの利用を最小限に抑えるのがいいでしょう。
公共のWi-Fiネットワークを使う: 現地の公共Wi-Fiを利用することもできます。たまにメールやウェブサイトをチェックする程度の使い方であれば、海外旅行中はパソコンやスマホを公共Wi-Fiのみに接続するといいでしょう。モバイルルーターなどを用意する必要はなく、料金も無料または安価であることがほとんどです。しかし、 フリーWi-Fiを使うときは危険性 を考慮して、暗号化を使用してデータや通信を保護してくれる「 VPN (仮想プライベートネットワーク)」をお使いのパソコンやスマートフォンに導入するようにしましょう。VPNを利用すれば、 IPアドレスを変更 することができるので、トラッキング防止にもつながります。
NordVPNは通信を暗号化するので、フリーWi-Fiでの接続も安全に行えます。
安価なインターネットが使えるうちに、できる限りすべてをダウンロードしてアップデートする: 体操選手の内村選手が、オリンピックのためにリオデジャネイロ入りした際に、「ポケモンGO」をダウンロードして50万円の通信量を請求されたというニュースは記憶に新しいでしょう。そうならないためにも、安価でインターネットを利用できるときにアプリやファイルのダウンロードをしておくようにしましょう。
モバイルWi-Fiルーターを使う: 利用料金をできるだけ抑えたい場合は、渡航先で利用が可能なモバイルWi-Fiルーターを日本で事前にレンタルするといいでしょう。大手キャリアが提供する定額制プランよりも安くインターネットを利用することができます。通常、モバイルWi-Fiルーターはウェブサイトや電話で予約し、出発前に空港で受け取り、帰国後に空港で返却します。
現地のキャリアからプリペイドSIMカードを入手する: 日本でモバイルWi-Fiルーターをレンタルできない、または間に合わない場合は、現地でSIMカードを入手するのも一つの手です。ただし、現地でSIMカードを利用できるのは、SIMフリーのスマホを使っていて、SIMカードを購入できるほどの語学力のある方に限られてしまいます。その条件さえクリアしていれば、SIMカードは価格が安く、通信プランの選択肢も豊富にあるため、とても便利です。
機内モードをONに設定する: 海外では、スマホのカメラや時計の機能だけを使えればよく、データローミングは必要ないという方は、海外滞在中はずっと機内モードをオンにして、ネットを利用する時のみWi-Fiに接続しましょう。そうすれば、SNSや電話、データ通信の料金は発生しません。
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