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2026年の主要なサイバーセキュリティリスク5つ

2026年は、これまでに直面したことのないほど高度で、迅速かつ検出が難しいサイバー脅威の新たな波が到来すると予想されています。しかし、これは恐怖をあおるためのメッセージではなく、行動を促すためのものです。目的はパニックではなく、備えることです。この記事では、NordVPNのサイバーセキュリティ専門家が2026年に予測する5つの主要なサイバーセキュリティリスクを解説し、より安全に過ごすための実践的な対策を紹介します。

2025年12月3日

読み時間:11 分

2026年の主要なサイバーセキュリティリスク5つ

2026年のサイバーセキュリティ上の5つの重要リスク

NordVPNの専門家によると、来年注目すべきサイバーセキュリティの脅威は5つあります。これらのリスクはもはや大企業だけでなく、一般ユーザーも標的に含まれており、まず危険性を理解したうえで、自分を守るための対策を講じることが重要です。

リスク1:インターネットが少数の巨大プラットフォームに依存しすぎる

インターネットは現在、Amazon Web Services(AWS)、Cloudflare、Google Workspace や Microsoft Office などの生産性スイートといった、少数の支配的なプラットフォームに依存する“モノカルチャー”になりつつあります。こうした過度の依存は、エコシステムを脆弱にし、ひとつの侵害、技術的な障害、サイバー攻撃、あるいは設定ミスひとつで、何百万人ものユーザーのサービスが一気に停止する危険性を生みます。

ハッカーにとって、少数プラットフォームへの過度な依存は“利益最大化のチャンス”にもなります。広く使われているサービスに脆弱性が見つかれば、莫大な量のデータが一斉に露出するため、サイバー攻撃はより効率的かつ儲かるものになるのです。

NordVPN のサイバーセキュリティ専門家、Adrianus Warmenhoven 氏は次のように説明します。

「現代のデジタルエコシステムは大部分がモノカルチャー化しているため、誰もが標的になり得ます。オンラインの世界に“興味を持たれない人”なんて存在しません。DNS レコードのようなごく小さなデータでさえ、売られ、集められ、収益化される可能性があります。オンラインに存在するだけで、すでに標的になっているのです。」

リスク2:ソーシャルメディア上の「オンラインセキュリティ習慣」に関する誤情報

最新の世界リスク報告書で、世界経済フォーラム(WEF)は、今後2年間の主要なサイバーセキュリティリスクとして「誤情報・偽情報(misinformation / disinformation)」を挙げました。これは新しい懸念ではありません。昨年公開した2025年のサイバーセキュリティ予測でも、オンライン空間で誤情報が拡大していることを警告していました。

2026年に向かう中で、この問題はますます悪化しており、特にソーシャルメディアのプラットフォームでは、誤った情報の拡散が危険なセキュリティ上の脆弱性を生み出しています。誤情報の発生源が常に悪意によるものとは限りません。人的ミスや、AIによる誤った生成物が、不正確なアドバイスの洪水にさらに加わることもあります。しかし、脅威となる行為者たちは、この状況を意図的に悪用し、ユーザーを惑わせています。犯罪組織は、Reddit やフォーラム、さらにはニュースサイトのコメント欄のような人気プラットフォームを標的にし、個人のずさんなサイバーセキュリティ習慣を“当たり前のもの”として浸透させようとしています。

誤情報の拡散は偶然ではなく、組織化された犯罪グループがこれらのキャンペーンを動かしています。これらのグループは、正規の企業よりも資金力と組織力が優れていることさえあり、誤情報を広めることに特化したマーケティングチームを持っています。

彼らはインフルエンサーを雇ったり作り出したりして、パスワードを使い回したりセキュリティ機能を無効化したりといった良くないセキュリティ習慣を広め、さらにセキュリティ基準の弱い製品を推奨します。こうした安全でない行動を“普通のもの”として定着させることで、彼らが悪用可能な脆弱なユーザーの母集団を増やしているのです。

リスク3:悪意あるAIツール

Evil-GPT や WormGPT のような悪意あるAIツールは、ダークウェブのフォーラムで「ChatGPT の究極の敵」として宣伝されており、ハッカーがネットワーク侵害やフィッシングなどのAI詐欺をほとんど手間をかけずに実行できるようにします。

こうしたツールの助けにより、サイバー攻撃は以前よりも実行しやすくなっています。また、これらのツールは、従来の手動作業やそれほど高度でない技術に依存していた方法と比べて、攻撃をより賢く、より速く、より広範囲に広げることを可能にします。

同時に、人工知能はサイバー犯罪者にとっての“競争の土俵”を均等化しています。初心者でも、自力では実行できなかった攻撃を仕掛けられるようになり、経験豊富なハッカーには、彼らの作戦を洗練させ拡大する高度なツールを提供しています。

それだけではなく、AIはChatGPTのように人々が信頼して使っているツールにもリスクを生み出しています。データプライバシーについて繰り返し警告が出されているにもかかわらず、多くのユーザーが依然として生成AIツールに機密情報を共有し続けています。ハッカーは今、このデータを標的にしており、そこに個人情報やビジネスに関わる貴重な情報が含まれている可能性があることを理解しているのです。

リスク4:デジタルサービスへの信頼低下

犯罪者は、顔や声のクローンを作成するためにAIを使うケースが増えており、本物らしく見え、聞こえる偽の人物を作り出しています。盗まれた実在ユーザーのデータと作り物の情報を組み合わせることで、彼らは“合成アイデンティティ”を生成します。これは基本的なセキュリティ対策をすり抜け、発覚することなく犯罪を行えるようにします。

クラウドベースのサービスへの依存が高まったことで、この問題はさらに悪化しています。ハッカーは、本人に最適化された詐欺、自動化されたフィッシングメッセージ、そして一見すると正当なものに見える偽アカウントを使って認証システムを狙います。こうした攻撃は現実と人工の境界を曖昧にし、ユーザーだけでなくセキュリティシステムにとっても不正を見抜くことを難しくします。

しかし犯罪者は、一度きりの詐欺にとどまりません。彼らは偽のアイデンティティを使って銀行口座を開設したり、ローンを申請したり、クラウドサービスにアクセスしたりし、何ヶ月、時には何年もの間、発覚せずに活動します。AIによって、こうした詐欺は、手作業で作成されたフィッシングメールのような従来の手法よりも高速で、検知されにくくなっているため、デジタルプラットフォームやデバイスへの信頼は深刻な崩壊の危機にさらされています。

リスク5:量子コンピューティングと暗号化のリスク

量子コンピューティングは急速に進歩しており、現在の暗号化方式の安全性に懸念が生じています。大規模な量子攻撃が現実になるまでにはまだ数年あるかもしれませんが、犯罪者はすでに暗号化されたデータを盗み、量子技術のブレイクスルーが実用化された時点で解読しようとしています。

この「今すぐ収集し、後で解読する(harvest now, decrypt later)」戦略によって、数十年分の機密情報が暴露される可能性があります。量子解読が実現した場合、個人メッセージ、金融データ、政府機密など、あらゆるものが露出し得ます。ポスト量子暗号は、未来の心配事として片付けるべきではありません。

組織も個人も、今日から防御を強化し、量子コンピューティングの力にも耐えられる暗号化方式を採用するために行動を起こさなければなりません。待っていては、量子時代に備えてすでに動き始めている犯罪者に、あなたのデータが脆弱なまま晒されてしまいます。

2026年にデジタルセキュリティを強化するための5つのヒント

これらの新たなリスクを前に無力だと感じる必要はありません。自分自身を守るために取れる対策はいくつもあります。

1. デジタルフットプリントを分散させるか削除する

単一のエコシステムやサービスに依存することは、あなたをより脆弱にします。Google Drive や Microsoft Office のようなツールは便利に感じられるかもしれませんが、機密情報を保存する場所は分散させましょう。ひとつのサービスだけに頼らないことで、そのサービスがハッキングされた際の被害を最小限に抑えることができます。

複数のプラットフォームを使うのと同時に、自分のデジタルフットプリントを整理しましょう。忘れたままのウェブサイトの古いアカウント、使っていないアプリ、オンラインに保存された古いファイルなどは、あなたのデジタルフットプリントを大きくするだけでなく、リスクも増やします。

ハッカーは放置されたアカウントや古いデータを狙うことがよくあります。これらは通常、監視されていないためです。定期的に自分のオンライン上の存在を監査しましょう。もう必要のないアカウント、ファイル、サービスは削除してください。必要なものは分散し、不要なものは削除する。それが基本です。

2. 消費するコンテンツを疑う

オンラインで目にするものすべてが、あなたの利益を考えているわけではありません。犯罪者たちはインフルエンサーを雇い、人々を悪い習慣へ誘導する巧妙な偽情報キャンペーンを仕掛けています。
これらのキャンペーンは、パスワードの使い回し、二要素認証の無効化、プライバシー設定の無視といった安全でない行動を“普通”あるいは“賢い選択”のように見せるよう設計されています。彼らはあなたに、「みんなやってるし、たぶん大丈夫でしょ」と思わせたいのです。

オンラインで読むもの、見るもの、聞くものには常に懐疑的でいてください。怪しい製品やサービスを宣伝するインフルエンサーは、危険なツールや偽のセキュリティ“裏ワザ”を広めるために金を受け取っている場合があります。
あまりに良すぎる話はおそらく嘘です。最初は信頼できると思った相手からのアドバイスであっても、あなたのプライバシーやセキュリティを優先していないと感じたら、行動に移す前に必ず立ち止まって考えてください。

3. AIツールを賢く使う

AIは強力なツールになり得ますが、無視できないリスクも伴います。チャットボットや音声アシスタント、あるいは完全には信頼していないプラットフォームなどに、機密情報を共有するのは避けてください。これらのツールの多くはモデル改善のためにデータを収集しており、そのデータが侵害された場合、プライバシーの漏洩や攻撃の危険にさらされる可能性があります。

プライバシー以外にも、AIによって引き起こされる脅威には注意し続ける必要があります。デバイスやソフトウェアを最新の状態に保つことで自分を守りましょう。定期的なアップデートには、こうした高度な攻撃から防御するための重要なセキュリティパッチが含まれていることが多いです。

「AIチャットボットは便利なツールですが、サイバー犯罪者の標的にならないよう、使用する際はプライバシーとセキュリティに注意することが重要です」と、NordVPNのサイバーセキュリティ専門家、 Marijus Briedis氏は述べています。

4. オンライン認証を強化する

アカウントへのログイン方法を強化することは、自分を守るために取れる最も重要なステップのひとつです。まず、すべてのサービスで多要素認証(MFA)を有効にしましょう。MFAは、たとえハッカーがあなたのパスワードを手に入れたとしても、アカウントにアクセスすることを非常に難しくします。

また、使用するパスワードは強力でユニークなものにしてください。同じものを二度使ったり、推測しやすい弱いパスワードに頼ったりするのは避けましょう。パスワードの管理が大変に感じるなら、NordPassのような信頼できるパスワードマネージャーを利用する価値があります。複雑なパスワードを簡単に生成し、安全に保存するのに役立ちます。

どんなリンクをクリックするにも、予期しないメールに返信するにも、感情的な訴えに反応するにも、必ず注意してください。メッセージやリクエストが怪しいと感じたら、まずその正当性を確認することが大切です——銀行に電話する、送信者の詳細をチェックする、企業のウェブサイトを調べるなどして確かめましょう。

5. 量子リスクに先んじて対応する

量子コンピューティングは未来的な概念に思えるかもしれませんが、それがもたらすリスクは非常に現実的で、しかも拡大しています。将来のデータを守るために、今日から計画を始めてください。量子技術のブレイクスルーにも耐えられる暗号化方式やツールを採用しましょう。

新たに生まれる脅威に先んじて、NordVPN は量子安全な未来を築くための積極的な取り組みを進めています。2025年初頭、NordVPN は Windows、Android、iOS、macOS(TVユーザーも含む)向けにポスト量子暗号化を導入し、この暗号化をすべてのプラットフォームで利用できるようにしました。

この機能の有効化は簡単です。NordVPN ユーザーは、トグルスイッチでこの機能を有効にできます。「ON」に設定すると、VPN が NordLynx プロトコル経由で接続されるたびに、この機能が自動的にアクティブになります。量子暗号化の標準はまだ進化の途上にありますが、今のうちに小さなステップを踏んでおけば、将来のデータ保護に大きな違いを生み出すことができます。

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未来はすでに始まっている──備えるのは今

2026年には、犯罪者たちはこれまで以上に高度なAIツールや量子技術、そしてより巧妙な手口を使って攻撃を仕掛けてくるでしょう。悪者たちが進化しているのと同じように、私たちも進化することができます。

情報を入手し、主体的に行動することで、一歩先を行き続けることができます。これらのヒントを実践し、良い個人のサイバーセキュリティ習慣を身につけることで、デジタルプライバシーとセキュリティを高め、データだけでなく心の平穏も守ることができます。

「物理世界とデジタル世界の境界が曖昧になっていく中で、サイバーセキュリティはもはや技術的な問題ではなく、社会的な問題になっています。それは、子どもにサンドイッチの食べ方だけを教えて、歯磨きの仕方を教えないようなものです。デジタル教育はこれまでリテラシー(デバイスの使い方)に重点を置いてきましたが、今後はデジタル衛生、つまり健全なセキュリティ習慣を育てることへと焦点を移す必要があります。2026年には、これがこれまで以上に重要になるでしょう」と、Adrianus Warmenhoven氏は締めくくっています。

参考文献

1 Mark Elsner, Grace Atkinson, and Saadia Zahidi (2025). Global Risks Report 2025. World Economic Forum. https://www.weforum.org/publications/global-risks-report-2025/ 

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Chihiro Sato | NordVPN

Chihiro Sato

デジタルセキュリティに関心が高く、読者がオンラインで安全を守るための情報提供を行うライターです。プライバシー保護やインターネットの安全性に関する実用的なアドバイスを中心に執筆し、ユーザーがデジタルライフを守る手助けをしています。執筆の合間には、最新のテクノロジートレンドや新しい技術をチェックしています。