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AIとは?技術や種類、サイバーセキュリティにおける役割を解説

AI(人工知能)は、人間が発明した画期的な技術のひとつで、インターネットをはじめとする今日の私達の生活の中で必要不可欠なものを形成しています。今回は、AIの仕組みや種類をはじめ、AIがもたらす利点や課題、サイバーセキュリティに与える影響など、AIにまつわるさまざまなことを詳しく解説していきます。

AIとは?技術や種類、サイバーセキュリティにおける役割を解説

AI(人工知能)とは?

AIとは、Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)の略で、日本語では人工知能と表記します。人工知能は、コンピュータに蓄積されている知識を基にコンピュータ自身がさまざまなデータを分析し、課題や問題を解決するための最適な答えを提案したり、学習を行なうなど、人間の知的能力を模倣する技術のことを意味します。簡単に説明すると、人間などの生物ではなく、コンピュータのような非生命体が人間の知能をシミュレーションし、認知機能を創造するというイメージです。

現在、AIは、コンピュータサイエンスの分野のひとつとして、エキスパートシステムや自然言語処理、画像認識、音声認識、機械学習、アルゴリズム、データマイニング、ロボットなど多くの分野で使用されています。AIは、音声認識や意志決定、視覚など、一般的な人間の知能に関連するタスクをコンピュータシステムが学習して実行することを可能にします。AIの仕組み的には、与えられた大量の学習データから特徴や規則性を導き、その特徴や規則性を用いて目的のタスクを実行することで、人間と同じように答えることができるようになります。このようなAIシステムは、ロボット工学から経済学、サイバーセキュリティに至るまで、幅広い分野で採用されており、ビジネスに変革をもたらしています。

また、AIはルール化された単純作業や大量のデータ処理を得意としますが、苦手なこともあります。まず、データがあまりにも少ないと推論できなかったり、入力デバイスの性能を超える作業はできません。そして、あくまでもデータをもとに計算しているのでもちろん合理的ではない判断はできず、人間のように目的を示すことや創造性が必要な作業や人の気持ちを汲み取ることは不可能です。

人工知能の歴史

人工知能(Artificial Intelligence)という言葉は、1956年でアメリカのダートマス大学の研究会において、同大学の計算機科学研究者ジョン・マッカーシー教授によって公の場で初めて使用されました。当時、AIの概念自体は存在しており、初期のAI研究では、問題解決や記号処理といった内容が探究されていました。

1960年代に入ると、アメリカの国防総省が関心を示しはじめ、コンピュータが人間の基本的な論理的思考を模倣するための研究が始まりました。この時期の人工知能は、すでに「推論」や「探索」の技術を活用し、オセロやチェスなどができるAIが開発されたほか、1964年には簡単な受け答えができる対話型AIの元祖「ELIZA」が誕生しました。

その後、1980年代には、コンピュータが経験と学習をする「ディープラーニング(深層学習)」と、特定分野の知識を取り込み、推測できる「エキスパートシステム」が開発され、医療分野で病理診断の際や株価予測などで実用化されました。

1990年代には、Windows上で動作する音声認識ソフトウェアが開発され、2000年代に入ると、オプションとしてクラウドなどの速度とストレージが登場し、一般家庭の間でもコンピュータを通してインターネットを使用することが一気に普及しました。

前述の1980年代に開発されたディープラーニング技術は、コンピュータの計算性能が大幅に不足しており、大量のデータ入手も難しかったため、なかなか研究が進みませんでした。しかしその後、インターネットの急速な発展と科学技術の進化が進み、2006年に多層ニューラルネットワークを用いたオートエンコーダという技術が登場したことで、音声や画像などさまざまな面でコンピュータに十分に学習させられるようになり、これが今日の機械学習の仕組みに大きな影響を与えています。

そして、ここ最近、注目を集めているのが、入力した文章の指示に基づいて画像データを出力するMidjourneyなどをはじめ、人と対話するような感覚で自動的に文章を生成するChatGPTなどのジェネレーティブAIと呼ばれる生成系AIです。これらに関しては、まだまだな発達途上な面がみられるものの、今後は多くの改良を重ね、より精度の高い製品が開発されることが予測されます。

AI(人工知能)技術

ここでは、機械学習、エキスパートシステム、ディープラーニングのAI(人工知能)に使われている技術について紹介します。

機械学習

機械学習とは、コンピュータがデータのパターンを特定し、そのパターンを使ってタスクをこなしたり、問題を解決する能力のことです。このようなシステムは、アルゴリズムから学習し、プログラムされていない予測や決定を実行する能力を発達させます。人工知能の大量のデータを迅速に処理する能力により、機械学習が統合されたサイバーセキュリティシステムは、攻撃をより正確に予測・防止するのに役立ちます。

エキスパートシステム

エキスパートシステムは、さまざまな問題を解決するために人間の知性による意思決定のプロセスを参考に見習ったプログラムです。知識体系を通して推測することで、複雑な問題を解決するように設計されています。通常、エキスパートシステムには推測エンジンと知識ベースという2つのサブシステムがあり、知識ベースは事実とルールを表し、推測エンジンはルールを使って新しい事実を推測します。

人工ニューラルネットワーク

人工ニューラルネットワークは、コンピュータが観察データから学習することを可能にするパラダイムを採用しており、人間の脳の生物学的プロセスを参考にしています。ニューラルネットワークは、信号を送る人工ニューロン(神経細胞)で構成されています。また、ニューロンは学習が進むにつれて調整されるウエイトを持っており、ウエイトによって信号を増減させることができます。このような機能を兼ね備える人工ニューラルネットワークは、システム識別、量子化学、顔認識、画像認識、シーケンス認識、データマイニングなどに使用されています。

ディープラーニング

ディープラーニングは、人工ニューラルネットワークと表現学習に基づく機械学習の一部です。ディープラーニングは、入力データから上位層の特徴を徐々に抽出するために、複数のレイヤーを使用します。そのため、ディープラーニングは、非常に正確な画像認識を提供するなど、データの特定の違いや側面を識別することができます。

3つのAI(人工知能)の種類

今日において、AI(人工知能)はタイプ分けすることができます。こちらでは、3つの種類のAI(人工知能)「支援知能」「拡張知能」「自律知能」について詳しく解説します。

支援知能

支援知能はAIの最も基本的なレベルといえ、主な目的はビッグデータやクラウド、データサイエンスの力を利用してプロセスを自動化し、意思決定を支援することです。支援知能は、人間のユーザーによる常時介入を必要とするため、自立とまではいかず、すでに実行されているプロセスを改善するのみとなっています。ただし、人々がすでに行なっていることは、より生産的かつ効率的にこなすことが可能です。たとえば、Wazeのようなナビゲーションシステムは、ルート検索や距離計算のプロセスをスピードアップするために支援知能を使用しています。AIなしでもナビゲーションを使うことはできますが、より時間と労力が必要になるでしょう。

拡張知能

拡張知能は、他の方法ではできないことを可能にする機械と人間の共同作業のようなものです。拡張された知能プラットフォームは、大量の複雑なデータを処理し、分析された問題に関する多角的な情報を専門家に提供することができます。機械学習と予測分析を用いることで、知性をより強化することができます。たとえば、医療分野でのヒューマンエラーの可能性を減らすため、あるいは金融サービスで顧客のニーズとリスクを計算するために、拡張知能を使用することができます。

自律知能

自律知能は、人間の入力や介入なしに動作することができ、人工知能の最も高度なタイプといえます。この種のAIはもはやSFの空想ではなく、現実のものとなっていますが、あらゆる組織がAIを搭載したシステムを完全に信頼し、ITインフラに導入しているわけではありません。そのため、自律知能は通常、専門家が判断の根拠を見つける際のアドバイザーとして採用されています。

AI(人工知能)の例と応用

現在、私達の日常生活でAI(人工知能)は、どのような場面で使われているのでしょうか。こちらでは人工知能の中でも具体的に使われているものの例をまとめました。

  • 自動車の自動運転
  • お掃除ロボット
  • エアコン(室内温度に合わせて自動で作動)
  • 医療機関(治療、投薬、レントゲン画像診断など)
  • 非接触検温
  • 工場での不良品検知
  • コールセンターの音声アシスタント機能(AIチャットボット)
  • クレジットカードの不正使用検知
  • Amazonなどでの自分に合う商品のパーソナライズ化
  • Google翻訳(自動で各言語を翻訳)
  • ChatGPT(自動文章生成)
  • SiriやAlexa(バーチャルアシスタント)
  • 人工知能で動くドローン
  • 人工知能を搭載した介護ロボット
  • 人工知能を活用した農業(収穫ロボット、農作物の管理)

サイバーセキュリティにとってのAI(人工知能)

あらゆるものがインターネットと同期している現代では、悪意のあるハッカーなどのサイバー犯罪者に四六時中狙われているといっても過言ではありません。ここではサイバーセキュリティにとってAI(人工知能)が持つ意味について解説します。

サイバーセキュリティにおけるAI(人工知能)の利点

まずは、サイバーセキュリティにおけるAIのメリットを紹介します。

  • 乗っ取りを防止できる:AIは機械学習によってデバイス所有者の行動パターンを特定できるので、異常な行動などにも気づき、結果的に乗っ取りを防ぐことができます。
  • 脅威や脆弱性を検出できる:AIの機械学習機能と大規模なデータベースは、オンライン上での脅威や脆弱性をより効率的に検出します。また、機械学習は、より正確なパターン識別のための膨大なデータベースの蓄積にも役立ちます。
  • パスワード流出の防げる:AIを使用している生体認証システムは、顔認識、指紋、その他の類似技術を使用して、正当な所有者を識別します。
  • 端末のセキュリティが向上する:AIは、スマホなどの端末を保護するのに有効で、新しいタイプのマルウェアの発見やマルウェア攻撃を防止する際に役立ちます。AIは、マルウェアやその他の不審なプロセスの行動パターンを認識して学習するため、常に新たな脅威に対して迅速に適応します。

サイバーセキュリティにおけるAI(人工知能)の危険性

次に、サイバーセキュリティにおけるAIのデメリットや危険性を紹介します。

  • AIは悪用される可能性がある:悪意のあるハッカーは、AIを犯罪などに利用して、巧妙で大規模なサイバー攻撃を仕掛けることができてしまいます。また、AIは脆弱性をより迅速かつ効率的に特定し、悪用することも可能です。
  • AIを利用した生体認証も脅威となり得る:一般的にAIを利用した生体認証の種類は、指紋や手のひら、顔の特徴などが存在しますが、これらの情報が第三者の手に渡ってしまうと、なりすましの被害や機密情報が漏えいしてしまう可能性があります。生体認証情報は盗まれたり、悪用された場合に気軽に変更できないのが難点といえます。
  • ウイルス開発に使用される:AIを搭載したウイルスは、ウイルス対策ソフトを検知して攻撃し、回避することができるため、他のウイルスよりも大きな被害をもたらす可能性があります。
  • ソーシャルエンジニアリング手法に利用される:最近のサイバー犯罪者達は、AIを使って偽の音声をはじめディープフェイクの動画と画像を作成してユーザーを騙し、パスワードや金融情報などの機密データを送信させることも。またこうした技術は、過去にネットいじめに利用された事例があります。

今回、紹介したAI(人工知能)の仕組みに関する知識は、まだほんの一部に過ぎません。AI(人工知能)は、これからの時代に大切な存在で、AIに関する知識を得るだけでも、この先の未来を生きる際の大きなメリットとなるでしょう。