新社会人必見!セキュリティ対策完全ガイド
新生活をはじめる人にとって、インターネットのセキュリティ対策は重要な課題のひとつです。特にオンラインショッピングをしたり、新しい職場でパソコンを使用したりする際には、強力なパスワードの設定やアンチウイルスソフトの導入をおすすめします。今回の記事では、新生活で直面しうるセキュリティ問題とその対策についてまとめました。多要素認証、フリーWi-Fiの安全な利用法、フィッシング詐欺への対応など実践的な対策を紹介します。
目次
目次
新生活でのインターネットセキュリティ対策法
新生活をはじめた人は、以下のセキュリティ対策を考えてください。
- 強力なパスワードの設定
- 多要素認証(MFA)の活用
- アンチウイルスソフトウェアの導入
- フリーWi-Fiの安全な利用
- フィッシング詐欺対策
- 物理的なセキュリティチェックの実施
どのような問題が起きる可能性があるのかを把握し、事前に対策を講じてトラブルを防ぎましょう。
強力なパスワードの設定
オンラインアカウントを不正アクセスから守るには、強力なパスワードの設定が必要不可欠です。弱いパスワードは容易に推測され、個人情報の盗用などの被害にあう可能性があります。
オンラインアカウントには氏名、生年月日、住所など、サイバー犯罪者が狙う個人情報が含まれています。解読や推測をされにくくするためには、複雑で長いパスワードを各アカウントで使用するのが重要です。
パスワードの長さと複雑さは、解読されるまでの時間に大きく影響します。たとえば、大文字、小文字、数字、記号を含んでいても6文字までのパスワードは即座に解読されてしまいます。しかし、大文字、小文字、数字、記号を含む16文字のパスワードだと、解読には1兆年もかかるというデータがあります。
参考: Hive Systems, Cybersecurity and Infrastructure Security Agency
また、パスワードの使い回しも避けましょう。1つのパスワードが漏えいしただけで、ほかのアカウントも危険にさらされるリスクがあります。
多要素認証(MFA)の活用
多要素認証とは、ログイン時などに本人確認のために複数の認証要素をユーザーに求める方法です。強力なパスワードと多要素認証を組み合わせれば、セキュリティをさらに高められます。
多要素認証は知識、所持物、生体といった3つの認証要素から、2つ以上を使って本人であることを証明します。知識はパスワードや秘密の質問、所持物はスマートフォンやキャッシュカード、生体は指紋や声帯認証などです。
従来のパスワードのみの認証よりも安全性が高く、1つの認証情報が漏えいしてもほかの要素で不正アクセス防止ができます。パスワード以外の認証要素の盗用や偽造は困難なため、安全性が大きく高まるのが特徴です。
現在、多要素認証は多くの業界や政府機関で推奨されている認証方式です。Googleアカウントやインターネットバンキングなどの認証には、多要素認証を設定しておきましょう。
アンチウイルスソフトウェアの導入
新生活のはじまりに伴いパソコンを新調するなら、アンチウイルスソフトウェアの導入が必要不可欠です。
アンチウイルスソフトウェアとは、コンピューターウイルスやマルウェアの侵入を防ぎ、検知・駆除するソフトウェアです。Windowsの場合は、パソコン購入時からMicrosoft Defender(Windows Defender)がインストールされています。しかし、さらにセキュリティを強化したいなら、ほかのアンチウイルスソフトの導入も検討しましょう。
また、パソコンやルーターのファイアウォールの設定も重要です。ファイアウォールとは、外部ネットワークからの攻撃や不正アクセスを防御するためのソフトウェアやハードウェアです。無料のファイアウォールソフトとしては、以下の5つをおすすめします。
- Privatefirewall
- ZoneAlarm Free Firewall
- GlassWire
- COMODO Firewall
- PC Tools Firewall Plus
フリーWi-Fiの安全な利用
フリーWi-Fiは、駅やカフェなどで提供される無料のWi-Fiです。便利なフリーWi-Fiですがだれでも使えるため、暗号化されていないと個人情報やサイトの閲覧履歴が漏えいするリスクがあります。フリーWi-Fiは自宅やオフィスのWi-Fiと異なり、通信が暗号化されていないケースも珍しくありません。
フリーWi-Fiを安全に使うための対策は、以下のとおりです。
- セキュリティソフトを導入し、攻撃やウイルス感染を防止する
- 暗号化されているフリーWi-Fiを使う(WPA2やWPA3など)
- Wi-Fiへの自動接続を行わないように設定を変更する
- VPN(Virtual Private Network)を利用し、データを暗号化する
フリーWi-Fiの危険性には十分注意し、利用するときには上記の対策を講じましょう。なお、安全・安心なインターネット環境を構築するなら、有料VPNの導入を検討するのがおすすめです。
フィッシング詐欺対策
フィッシング詐欺とは、有名なECサイトやクレジットカード会社などを装って偽のメールやSMSを送り、偽サイトで個人情報の入力を促す詐欺のことです。偽メールやSMSは巧妙に作られており、本物との見分けがつきにくいといった特徴があります。「アカウントの確認が必要」「注文内容を確認してください」といったメッセージが典型的な例です。
2022年3月には、「えきねっと」と「日本郵便」をかたるフィッシング詐欺サイトが急増しました。このフィッシング詐欺は、新生活に伴って増加する、新幹線予約や荷物の発送などの需要を狙ったと考えられます。
フィッシング詐欺への対策として、以下のような点に注意しましょう。
- 送信者のメールアドレスを確認し、本物のメールかどうかを見極める(送信ドメイン認証など)
- 誤字脱字や不自然な日本語表現があれば、信憑性を疑う
- 信頼できるセキュリティソフトを導入し、フィッシングサイトのブロック機能を活用する
個人情報やクレジットカード番号などの入力を促すメールやSMSが届いたら、まずはすぐに手続きを行わずいったん立ち止まってください。
たとえば、クレジットカード会社がアカウント情報、クレジットカード番号、暗証番号をメールで問い合わせることはありません。メールやSMSに添付されたURLを安易にクリックせず、その企業の公式メールアドレスであるかを十分に確認してください。
また、同じIDやパスワードを使い回していると、フィッシング詐欺で情報が漏えいした場合のリスクが高まるので注意しましょう。
フィッシング詐欺についてさらに詳しく知りたい人は、下記の記事を参考にしてください。
参考:PRTIMES「“えきねっと”と“日本郵便”をかたるフィッシング詐欺が急増年度末・新生活に増える需要を狙った可能性大」
物理的なセキュリティチェックの実施
さらに、物理的なセキュリティ対策も忘れずに実施しましょう。物理的なセキュリティ対策の一例は、以下のとおりです。
- パソコンをワイヤーロックし盗難防止
- 鍵つきキャビネットの導入
- 離席時のパソコン画面ロック
- 管理ルール策定などによるUSBメモリの紛失防止
新生活のスタートにあたり、パソコンのセキュリティ対策を万全にして新しい環境に臨みましょう。
番外編(住まいのセキュリティ対策)
新生活ではインターネットセキュリティだけでなく、住まいのセキュリティ対策も重要です。
たとえば、空き巣は下見をしたうえでターゲットを決定し、犯行におよびます。以下のような住宅がターゲットにされやすいため、注意が必要です。
- 周囲から孤立した住宅
- 幹線道路や線路沿いなど、侵入時の物音がかき消されやすい住宅
- 塀や垣根が高いなど、死角がある住宅
- 柵など、2階以上に登れる足場のある住宅
空き巣は下見で、住人の家族構成、生活リズム、侵入経路などを把握します。洗濯物から家族構成を判断し、不在時間や帰宅時間を推測して犯行に臨みます。とくに一人暮らしの社会人や、日中不在にする時間が長い家庭は万全の防犯対策が求められます。
新生活の準備とともに、以下のような防犯対策を取り入れましょう。
- 防犯カメラ、防犯ステッカーの設置
- 窓やドアへの補助錠の設置
- 人感センサーライトの取り付け
空き巣以外にも、引っ越し時のトラブルで荷物の紛失や盗難が多く発生しています。現金、宝飾品、通帳などの貴重品は、できるだけ自分の手で運ぶようにしましょう。新居に運び込んだ荷物はその日のうちに確認し、見つからない荷物があればすぐ引っ越し業者に連絡を取りましょう。
一人暮らしの場合は、盗聴や盗撮にも警戒する必要があります。盗聴器や盗撮用カメラは、家電製品やコンセントに仕掛けられるケースが多いです。そのため、前の住人が残していった製品の使用は控えてください。
新居へ荷物を運び込むときは、出入り口が開けっぱなしになります。不審者が室内をのぞいたり立ち入ったりしないよう、玄関付近にはつねに注意を向けておきましょう。引っ越しトラックの荷台も無防備になりがちなので、可能な限りトラックと玄関を見張っているのが理想的です。
新生活を安全にはじめられるよう、インターネットと住まいの両面でセキュリティ対策を万全にしておきましょう。
まとめ
新生活をはじめるなら、インターネットと住まいの両面でセキュリティ対策を講じるのが重要です。
インターネット上では、強力なパスワードの設定や多要素認証の活用が欠かせません。一度設定しておけばかなりセキュリティレベルが上がるため、新生活を機に設定を見直してみるとよいでしょう。
メールチェックのときは、フィッシング詐欺があることを意識するだけでも、情報盗用を防げます。また、アンチウイルスソフトの導入やフリーWi-Fiの安全な利用するための対策も必要です。
住まいの防犯対策としては、防犯カメラや補助錠の設置、引っ越し時の荷物の確認や貴重品の管理が考えられます。
セキュリティ対策を十分に講じて、安心して過ごせる新生活をスタートしましょう。