·
VPNとは?
意味とメリット、
仕組みをわかりやすく紹介
VPNとは「Virtual Private Network(仮想プライベートネットワーク)」の頭文字をとった略語で、安全でないネットワーク上のインターネット通信を暗号化し、IPアドレスを隠すことで、オンラインデータを第三者から保護するサービスです。
このページでは、「VPN接続とは何か?」と疑問を持っている方に対して、VPN接続のメリットや必要性、機能や役割、仕組み、種類と特徴をわかりやすく説明します。
最終更新日: 2024年 02月 19日
VPN接続とは?
VPN接続とは、クライアント(スマートフォンやパソコンなど)とVPNサーバーとの間に、安全で暗号化された「仮想的な専用線(トンネル)」を構築する方法で、これにより物理的な専用回線が不要になります。VPN接続が確立されると、お使いのデバイスのIPアドレスがVPNサーバーのものに置き換わります。つまり、外部からは、あなたのオンライン活動は、実際の場所ではなく、VPNサーバーから発信されているように見えます。お使いのデバイスとVPNサーバー間で送信されるすべてのデータは、この暗号化されたトンネルを通過するため、通信内容の機密性が保たれ、外部の脅威から保護されます。
VPNのメリット
VPNでプライバシーを強化することで、さまざまなセキュリティリスクを回避し、より安全で便利にインターネットを利用できます。
VPNに接続することで、IPアドレスを変更し、仮想ロケーションを隠し、接続を暗号化することができます。
VPNは、あなたの身元とオンライン活動を追跡されないように保護することで、プライバシーを強化します。
VPNは、中間者攻撃、パケットスニッフィング、危険なWi-Fiネットワークなどのサイバー脅威からあなたを保護します。
VPNを利用することで、ネット上の検閲や規制を回避し、自由でオープンなインターネットを楽しむことができます。
VPNは接続を暗号化するので、ネット上でやり取りするデータを盗み見られることはありません。
VPNの必要性・利用例は?
インターネットのセキュリティ向上が求められる中で、VPNの利用が広まっています。インターネットは誰でも利用できるため、悪意のあるユーザーも存在します。普段からスマホなどで気軽にアクセスできるインターネットですが、通信内容が盗み見られたり、改ざんされたりするリスクを忘れてはいけません。VPNの使用により、これらのリスクを減少させることが可能です。
VPNの機能と役割
VPNは、ユーザーのインターネットトラフィックを遠隔地のサーバーに送り、その過程で情報を暗号化します。通常、ウェブサイトにアクセスしようとすると、インターネットサービスプロバイダー(ISP)がリクエストを受け取り、目的地に転送します。しかし、VPNに接続すると、インターネットトラフィックをリモートサーバー経由でリダイレクトしてから、目的地に送信します。
VPNによって保護される情報は、閲覧履歴、IPアドレスと位置情報、そしてデバイス間の通信内容です。
1. 閲覧履歴:VPNはあなたのデータを外部の盗聴から守ります。VPN接続によるデータ暗号化は、インターネットトラフィックを保護し、デジタルの足跡を隠す上で重要な役割を果たします。これにより、ISPはあなたの閲覧履歴すべてを追跡できなくなります。
2. IPアドレスと位置情報:あなたの実際のIPアドレス(または物理的な位置)が隠され、代わりに接続しているVPNサーバーのIPアドレスを割り当てられます。これにより、オンラインセキュリティが強化され、プライバシーの保護が飛躍的に向上します。その結果、第三者はあなたがどこからウェブサイトを閲覧しているのかを知ることが困難になります。
3. デバイス間の通信内容:送信する情報を暗号化し、盗聴やデータ漏えいを防ぎます。接続元と接続先のデバイスのみが解読できる特殊なキーを使って情報を暗号化・復号化します。これにより、インターネット上で情報が送信されている間でも、第三者がその内容を理解することはできません。これは特に公共のWi-Fiネットワークなど、セキュリティが低いネットワークを利用する際に便利です。
上記は、一般的なVPNの機能に過ぎませんが、NordVPNはさらなる保護を目指しています。我々は、データのみならずデバイス自体の保護も重要であると認識しています。そのため、ダウンロードされたファイルに潜むマルウェアやトラッカー、迷惑な広告、危険なウェブサイト等からデバイスを守るための脅威対策機能を開発しました。この機能は、VPN サーバーに接続する必要はなく、この機能を有効にするだけで、24 時間 365 日デバイスを保護できます。
VPNの仕組みは?
VPNにはさまざまなタイプがありますが、ここでは一般消費者向けのパーソナルVPNに焦点を当てます。NordVPNが提供するサービスもこれに該当します。契約済みのクライアントベースのVPNソフトウェアをデバイスにダウンロードしてログインするだけでVPNを利用できるので、使い方はとても簡単です。
VPNサービスについて深く理解するには、VPNがどのように機能するかを知ることが大切です。ここからはVPNの仕組みをわかりやすく解説します。
- 1.
仮想プライベートネットワークサービスに接続すると、VPNサーバーでクライアントの認証が行われます。
- 2.
次に、サーバーは送受信するすべてのデータに暗号化プロトコルを適用します。
- 3.
VPNサービスは、インターネット回線に仮想的な「トンネル」を作成します。トンネルを構築して通信をする技術は、トンネリングと呼ばれており、VPN接続に転送するパケットを外部パケットで覆い、カプセル化することで実現します。そして、各データパケットの安全性を維持するために、パケットを暗号化することにより、転送中のデータのセキュリティが確保されます。
- 4.
データがサーバーに到達すると、外部パケットは復号化プロセスにより削除されます。
VPNの仕組みを支える4つの技術
ここからは、VPNでセキュアな接続を確立する鍵となる4つの技術「トンネリング」「カプセル化」「暗号化」「認証」について詳しく説明します。
トンネリング
VPN接続で重要な役割を果たすトンネリングとは、インターネット回線上に仮想的な通信経路を構築し、拠点間の通信を確立する技術です。トンネル内でデータを送受信することで、第三者がネットワークから情報を盗み出すことを防ぎます。トンネルの経路は、インターネット回線を利用する他の通信経路に比べて安全性が高いのが特徴です。
カプセル化
カプセル化とは、トンネルの経路で通信するデータ(パケット)をプロトコルで包んで送受信する技術を指します。単にデータをカプセルで包むだけでは、安全面の観点から見ると懸念が残ります。そこで、カプセル化に暗号化技術を組み合わせることで、より強固なセキュリティを実現します。
暗号化
前提として、「カプセル化」と「暗号化」は異なる技術で、カプセル化をしても暗号化をしないVPNプロトコルもあります。VPN接続での暗号化とは、トンネルの経路でやり取りするデータを第三者が解読できない文字列に変換することです。通信を暗号化することで、VPN接続のセキュリティレベルをさらに高めることができます。
認証
VPN接続における認証とは、VPNサーバーへのアクセスを許可する前に、ユーザーまたはデバイスの身元を確認するプロセスを指します。この認証プロセスにより、許可されたユーザーまたはデバイスのみ、VPN接続が可能になります。認証技術のおかげで、VPNにさらなるセキュリティ層を追加し、不正アクセスを防止し、潜在的なサイバー脅威から機密データを保護することができます。
VPNと専用線の違い
VPNは、物理的な専用通信ケーブルやファイバーを使わずに、セキュリティを確保することができるサービスです。
一方、「専用線」とは、拠点間に物理的な専用の通信回線を構築して、外部からの接続をシャットアウトする通信方法で、通信事業者によって提供されることの多い特定のタイプのサービスです。一部の通信事業者は、「仮想専用線」と言われる仮想的な専用の通信回線も提供しています。
以下に、VPNと専用線を比較します。
VPNの特長
VPN接続を使用すると、拠点と拠点(1対1)の通信だけでなく、複数の拠点同士の通信も可能になります。本社と支社、地方の支社同士、日本と海外の支社等の間でも迅速に接続することができます。拠点の物理的な距離が長くなることでコストが高くなる心配もありません。テレワークや在宅ワーク用にも導入しやすく、仕事からプライベートまで幅広く活用できます。
専用線の特長
高品質で安定した通信とセキュリティによって、重要な個人情報を取り扱う場面や容量の大きいデータを送受信する場面での活用がより有効です。ただし、専用線は物理的な距離の遠さがそのままコストに反映するため、全国や世界中に複数の拠点を設置している企業や、遠方からのアクセスにはあまり向かないでしょう。
VPNの種類と特徴
VPNの種類はさまざまで、用途も数多くありますが、リモートアクセスで使われるVPNは、大きく「パーソナルVPN」「ビジネス用VPN」「自作VPN」の3つに分けられます。
パーソナルVPN
パーソナルVPNは、より安全でセキュアなインターネット体験を望む方に最適なオプションです。通常、合理化された使いやすいアプリとして利用できるため、個人のデバイスやホームネットワークでの使用に最適です。パーソナルVPNは、暗号化でデータを保護し、IPアドレスを守り、アプリ固有の追加機能を提供します。たとえば、NordVPNにはマルウェア感染やオンライン追跡を防ぐシステムである脅威保護プロが付属しています。パーソナルVPNのダウンロードと設定はわずか数分で完了します。オンラインセキュリティはかつてないほど簡単になりました。
用途で選べるVPNプロトコル
暗号化されていないVPNとはどのようなものでしょうか?これは、接続速度を確実に低下させる方法と言えるでしょう。VPNを使用するにあたり、一番の関心事はプライバシーと速度です。そのためNordVPNではいくつかの異なるVPNプロトコルを提供しています。VPNプロトコルとは、VPN接続の通信速度やセキュリティ性能、安定性などを明確に定義するVPNの基礎となるものです。NordVPNのユーザーは、ご希望の用途に合わせて最適なVPNプロトコルを選択できます。
OpenVPNは、世界の大部分のVPNプロバイダーが現在使用している、最も一般的な暗号化規格です。
OpenVPNは、世界の大部分のVPNプロバイダーが現在使用している、最も一般的な暗号化規格です。OpenVPNの最大の強みの1つは、高度に構成可能であることです。また、TCPポートとUDPポートの両方で使用できるため、速度とセキュリティのバランスが取れています。TCPポートはより安全なオプションですが、多くのユーザーはシームレスなオンラインゲームとライブストリーミング体験を得るためにより高速なUDPを好みます。
VPNサービスの選び方
VPNを利用する理由は人それぞれですが、どのような理由であれ、プロバイダーを選ぶ前に、「接続速度はどのくらい速いのか?」「 データの安全性は確保されているか?」「 プライバシーを尊重してくれるか?」 の3点を確認する必要があります。もちろん、接続の安全性やデータの機密性は確保したいものですが、その代償として接続速度が落ちるのも避けたいですよね。 ですから、VPNサービスを選ぶ際には、妥協しないようにしてください。強固な暗号化技術を採用していても、ウェブサイトの読み込みに時間がかかっては意味がありません。
VPNの価格は、最も重要な要素のひとつです。どのようなサービスでも、無料のオプションがあれば、人はすぐに興味を持つもの。しかし、無料のVPNに関しては、利用しない方がいいでしょう。無料のVPNでは、スピード、セキュリティ、プライバシーを得られない可能性が高いのです。これらのプロバイダーは通常、サーバーネットワークに投資していないため、VPN接続が不安定でユーザーのIPアドレスが漏えいする可能性があります。また、彼らはどうにかして収入を得る必要があります。場合によっては、ユーザーのデータを売るという手段に出るかもしれません。したがって、最も安いオプションを探すのではなく、信頼できるVPNプロバイダーを見つけるようにしましょう。
VPNの3つの接続方法
VPN接続のやり方はとても簡単で、繋いでいる間はどこにいても暗号化されたネット接続が可能です。NordVPNアカウントを設定するには、いくつかの異なる方法があります。以下のいずれかの方法でVPNに接続し、プライバシーを保護しましょう。
NordVPNでは、あらゆる主要なプラットフォームに対応するアプリをご用意しています。MacやWindowsなどのノートパソコンや、AndroidやiOS (iPhone)のモバイル、タブレットなど、さまざまなデバイスで利用可能です。NordVPNには、「誰もが簡単にホームネットワークとモバイルデバイスを保護できるべき」という強い信念があります。そのため、NordVPNアプリはとてもユーザーフレンドリーです。
VPNの詳しい使い方は、VPNの使い方ガイドを合わせてお読みください。
すでにVPNに関する知識をお持ちの場合は、好みに合わせた設定が可能です。ただし、手動での設定には時間がかかり、ミスが発生する可能性が高くなることにご注意ください。ご心配は無用です。サポートが必要な場合はヘルプセンターの詳細なチュートリアルをご覧ください。
Wi-FiルーターにNordVPNをインストールすると、接続されているすべてのデバイスが強力な暗号化で保護されます。初心者のユーザーにとってこの手順は複雑に感じられるかもしれませんが、設定が完了すれば中断なく安全なインターネット接続を楽しむことができるようになります。