スプリットトンネルVPNとは?
VPNとは、VPNの暗号化を使って通信を安全に送受信できる仕組みで、オンライン活動を外部から守ります。スプリットトンネルVPNは、すべての通信を一律にVPNに通すのではなく、アプリやドメインなど必要な通信だけをVPN経由にする方式です。スプリットトンネルVPNは、端末上のVPNクライアントやルーターがアプリやIPアドレス、ドメインを認識して通信経路を自動で切り替えます。例えば、銀行アプリや業務用ツールの通信はVPNトンネルを通し暗号化する一方、動画視聴やオンラインゲームなど帯域を多く使う通信は通常回線で送受信されます。この仕組みにより、VPNサーバーの負荷を抑えつつ通信速度を維持できるのが大きな特徴です。
また、企業環境では、社内ネットワークやクラウド業務ツールへの接続をVPN経由にしつつ、社外サイトや動画配信サービスは直接接続にすることで、安全性と利便性を両立させています。個人利用でも、海外滞在中に日本の銀行アプリだけをVPN経由にし、現地サイトは現地回線でアクセスするなど、柔軟な運用が可能です。さらに、スプリットトンネルにはアプリ単位やドメイン単位でのルール設定があり、用途に応じて最適化できるため、必要な通信だけを安全に守ることができます。
スプリットトンネルのメリットとデメリット
スプリットトンネルVPN(VPNスプリットトンネル)の最大のメリットは、通信の柔軟な制御によって「速度と安全性の両立」がしやすい点にあります。特定のアプリやサイトだけをVPN経由に設定できるため、動画視聴やオンラインゲームなど帯域を多く使う通信は通常の回線で処理しつつ、銀行アプリや業務用サービスなど機密性の高い通信だけをVPNトンネルで保護することができます。その結果、ネットワーク全体の負荷を軽減し、快適な速度を維持したまま必要な部分だけを安全に守ることが可能です。
一方で、スプリットトンネルにはデメリットもあります。VPNを通さない通信は暗号化されないため、設定を誤るとセキュリティの「抜け道」が生まれるリスクがあります。特に、機密データを扱うアプリやウェブサービスを誤って通常回線側に残してしまうと、情報漏えいの可能性が高まります。また、利用環境によってはアプリごとのルーティング設定が複雑になることもあり、初心者にとっては導入のハードルがやや高い方式と言えるでしょう。
ただし、スプリットトンネルVPNを使用する際は、設定ミスによって個人情報が漏れるリスクにも注意が必要です。特に公共Wi-Fiや共有ネットワークでVPNを通さない通信が残っていると、第三者に通信内容を盗み見られる可能性があります。また、VPNを併用しているからといってすべてのアプリが安全とは限りません。バックグラウンドで動作するアプリが通常回線を使ってデータを送信するケースもあるため、定期的に設定を見直すことが重要です。
フルトンネルVPNとは?
フルトンネルVPNとは、デバイスから送受信されるすべての通信をVPNトンネル経由で暗号化し保護する方式です。ウェブ閲覧、メール送信、アプリの通信、クラウドストレージへのアクセスなど、どんなデータであっても例外なくVPNサーバーを通過して外部とやり取りします。必要に応じて一時的にVPNを無効にして速度を優先する、という使い方も可能です。
仕組みとしては、まずユーザーの端末がVPNサーバーと暗号化された接続(トンネル)を確立し、その後はすべてのリクエストがこの安全なトンネルを通って目的地のウェブサイトやサービスに届けられます。外部の第三者やISP(インターネットプロバイダ)は通信内容を閲覧できず、どんなサイトにアクセスしているのかも特定しにくくなります。
フルトンネルVPNのメリットとデメリット
フルトンネルVPNの最大のメリットは、全通信を確実に暗号化し、常に安全な接続を維持できることです。どのアプリやサービスを利用してもすべてのデータがVPNトンネルを通過するため、公共Wi-Fiや外部ネットワークを利用する際にも高いレベルのセキュリティが確保されます。また、IPアドレスが常にVPNサーバーのものに置き換えられるため、匿名性が高く、オンライン行動の追跡や位置情報の特定を防ぐことができます。設定もシンプルで、一度有効にするだけで端末全体を包括的に保護できる点も大きなメリットです。
一方で、すべての通信がVPNサーバーを経由するという特性上、通信速度が低下する場合があります。特に、サーバーとの物理的距離が遠い場合や、混雑している時間帯には遅延を感じることもあるでしょう。また、一部のストリーミングサービスやオンラインゲームなどでは、地域制限や接続制御によってアクセスが制限されるケースもあります。とはいえ、近年のVPN技術の進化により、このような速度面の影響は最小限に抑えられており、セキュリティ重視のユーザーにとっては十分に受け入れられる範囲です。
スプリットトンネルとフルトンネルVPNの主な違い
スプリットトンネルとフルトンネルVPNは、どちらも通信をVPNトンネルで保護する仕組みを持っていますが、どの範囲の通信を暗号化するかという点で大きく異なります。スプリットトンネルは、特定の通信だけをVPN経由にして残りを通常回線で処理する方式。一方、フルトンネルVPNは、すべての通信をVPN経由で送受信する完全保護型の方式です。
ビジネス用途では、スプリットトンネルVPNとフルトンネルVPNを組み合わせて使うケースもあります。たとえば、社内ネットワークやクラウド業務ツールなど機密性の高い通信はVPN経由にし、一般的なウェブ閲覧や動画視聴は通常回線に割り振ることで、ネットワーク負荷を抑えつつ安全性を確保できます。一方で、機密保持契約やコンプライアンスが重視される業界では、全通信をVPN化するフルトンネル方式の方が適している場合もあります。利用環境や業務内容に応じて、両者を柔軟に併用することが理想的です。
どちらにも明確なメリットとデメリットがあり、どんな環境で、何を重視して使うかによって最適な選択は変わります。
| スプリットトンネルVPN | フルトンネルVPN | |
|---|---|---|
| 通信速度 | VPNを通さない通信があるため高速で安定 | すべての通信を暗号化するためやや低速 |
| データ暗号化 | 部分的 | 包括的 |
| セキュリティ | 選択的(構成によって変わる) | 最大(すべての通信を暗号化) |
| 設定の複雑さ | アプリや通信ルールを手動で指定する必要がある | ワンクリックで全通信を保護できるシンプル構成 |
| 操作方法 | 日常の作業はスムーズに行え | 必須でない作業は遅くなることがある |
通信速度
スプリットトンネルVPNは、VPN経由の通信と通常回線の通信を分けるため、全体の速度低下が少ないのが特徴です。動画やゲームなど帯域を使う通信を直接回線に任せることで、VPNサーバーへの負荷を減らし快適に使えます。フルトンネルVPNは全通信を暗号化するため、距離や混雑次第で速度が落ちることがありますが、最近の高速VPNプロトコルにより差は縮まっています。
セキュリティ
フルトンネルVPNはすべての通信をVPN経由にするため、IPアドレスが外部に表示されず、匿名性やプライバシー保護に優れます。スプリットトンネルVPNはVPN経由外の通信でIPが露出するため部分的に匿名性は低くなりますが、重要なアプリだけをVPNに通せば安全性は確保できます。速度とプライバシーのバランス重視ならスプリットトンネルが適しています。
設定の複雑さ
フルトンネルVPNは接続するだけで全通信がVPNに通るため、設定は非常に簡単です。一括ポリシー適用も容易で管理負担が少ないのが利点です。スプリットトンネルVPNは柔軟ですが、どのアプリやサイトをVPNにするか手動で設定する必要があり、誤設定のリスクもあります。しかし直感的なUIを備えたサービスなら、初心者でも設定しやすくなっています。
スプリットトンネルVPNとフルトンネルVPN、どちらを使うべき?
スプリットトンネルVPNとフルトンネルVPN、どちらを選ぶべきかはあなたが何を優先したいかで決まります。スピードや柔軟性を求めるのか、それともセキュリティと一貫した保護を最重視するのか。どちらも万能ではないからこそ、自分の利用スタイルや仕事環境に合わせて最適な構成を選ぶことが大切です。個人利用とビジネス利用の両方の視点から、どんな場合にどちらを選ぶのが適切かを具体的に見ていきましょう。
フルトンネルVPNを選ぶべきとき
フルトンネルVPNは、すべての通信を自動で暗号化するため、安全性を最優先したい場合に最適です。たとえば、カフェや空港などの公共Wi-Fiを使う場合、オンラインバンキングや社内サーバー、クラウド管理ツールなど機密情報を扱う場合、全通信をVPN経由にすることで確実に保護できます。セキュリティポリシーが厳しい職場でも、個別設定のミスを防ぎながら統一的に管理できるため安心です。フルトンネルVPNは、安全性を最優先するユーザーにとって「完全防御モード」といえる選択肢です。
スプリットトンネルVPNを選ぶべきとき
スプリットトンネルVPNは、スピードと柔軟性を重視する人に向いています。重要な通信だけをVPN経由にすることで、快適な速度を保ちながら必要な安全性も確保できます。たとえば、ストリーミングやオンラインゲームは通常回線で利用しつつ、銀行アプリやメールなど機密性の高いアプリだけをVPNに通すことで、速度を落とさず安全性も守れます。海外滞在中に日本のサービスへアクセスしたい場合も、海外での日本のIPアドレスを使って国内限定サービスを利用しつつ、現地サイトは現地回線で高速に使うことができます。また、在宅ワークでは会議ツールやファイル共有だけをVPN経由にし、ブラウザ検索や音楽ストリーミングは通常接続にすることで、業務効率を落とさず安全性も維持できます。スプリットトンネルVPNは、必要な範囲だけを安全に保ちながらパフォーマンスを最大化したいユーザーに最適です。
たとえば、海外出張中に日本限定の動画配信サービスを視聴したい場合、日本のサーバーにVPN接続しつつ現地サイトは通常回線でアクセスすれば、速度を保ちながら制限を回避できます。逆に、カフェや空港など公共Wi-Fiを頻繁に使う場合は、フルトンネルVPNを選ぶ方が安全です。このように、利用環境や目的によって最適な設定を選び分けることが、快適で安全なインターネット利用につながります。
NordVPNでスプリットトンネルを使う方法
もしスプリットトンネル機能を備えたVPNを探しているなら、NordVPNは最もおすすめの選択肢のひとつです。NordVPNのスプリットトンネル機能は、Windows・Android・Android TV向けアプリに搭載されており、どのアプリを安全なVPN接続に通すか、または通常のインターネット経由で接続するかを自分でコントロールできます。
以下では、それぞれのプラットフォームでスプリットトンネルを設定する手順を紹介します。
Windows
- 1.NordVPNアプリを開き、左下の歯車アイコンをクリックして「設定」メニューを開きます。
- 2.メニューをスクロールし、「スプリットトンネル」を選択します。
- 3.スプリットトンネルのタイプを選び、VPN経由にしたいアプリ、または除外したいアプリを追加します。
Android
- 1.NordVPNアプリを開き、画面左上の「設定」アイコンをタップします。
- 2.「VPN接続」セクションまでスクロールし、「スプリットトンネル」を選択します。
- 3.VPN接続から除外したいアプリを選びます。
Android TV
- 1.NordVPNアプリのメインメニューから「設定」に進みます。
- 2.「信頼できるアプリ」を選択します。
- 3.VPNトンネルから除外したいアプリを選びます。
NordVPNのスプリットトンネルを使えば、すべての通信を一律にVPNへ通す必要はありません。仕事で扱う重要なアプリやオンラインバンキングはVPNで保護しつつ、動画ストリーミングやゲームなどはVPNトンネルの外でスムーズに楽しむことができます。セキュリティとパフォーマンスを両立させたい人にとって、スプリットトンネルは最もスマートな選択肢です。
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