モバイルホットスポットとは?Wi-Fiホットスポットの意味や特徴を紹介
ホットスポットは私達がインターネットに接続する際に重要な役割を担っており、特に外出先でインターネットを利用したい場合は必要不可欠といえます。今回は、公衆Wi-Fiホットスポットとモバイルホットスポットの2種類のホットスポットを中心に、使用する際のメリットやデメリット、安全な使用方法などをご紹介します。
目次
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ホットスポットとは?
ホットスポットとは、Wi-Fi(無線LAN)に接続できる物理的な場所のことで、場合によってはデバイスや技術を意味するなど幅広い用語として使用されています。ホットスポットは通常、ユーザーがケーブルやワイヤーなしで接続するため、「Wi-Fiホットスポット」とも呼ばれます。
近年の通信技術は目覚ましい発展を遂げており、余程の僻地でない限りはほとんどの場所でホットスポットが存在しており、どこからでもインターネットに接続できるようになりました。2018年には世界中にはおよそ2億か所ものホットスポットがあることがわかっており、これは地球上に存在する20人に1つの割合でホットスポットが存在していることを意味します。このようにホットスポットとは、電気や水道などのライフラインと同じように現代社会に生きる私達にとって必要不可欠な存在になりつつあります。
また、ホットスポットは、主に不特定多数のユーザーがアクセス可能な「公共のWi-Fiホットスポット」と、個人的なWi-Fiアクセスポイントを作成できる「モバイルホットスポット」の2種類があります。違いや特徴、メリット・デメリットは次の章で紹介します。
ホットスポットの種類
以下では、「公共のWi-Fiホットスポット」と「モバイルホットスポット」の概要、それぞれのホットスポットの特徴をはじめ、メリットやデメリットなどに関して紹介します。
公共のWi-Fiホットスポット
公共のWi-Fiホットスポット(公共のホットスポット)とは、カフェや空港、駅など、誰もが接続可能な公共のWi-Fiが設置されている物理的な場所を意味します。スマホを保持するほとんどの人は携帯会社と契約していますが、プランによっては使用できるデータ量が限られているので、公共のホットスポットを利用することで、スマホのギガ(通信量)を節約できるというメリットがあります。
また、最近ではリモートワークが一般的になったこともあり、カフェなどでパソコンをフリーWi-Fiに繋いで作業をしている人も増えてきました。さらに、海外旅行中などで、現地の通信手段が限られている場合は、公共のホットスポットが重宝するでしょう。
しかし、公共のホットスポットはどこも常に安定した通信を提供しているとは限りません。公共のホットスポットのデメリットとしては、その多くはセキュリティが脆弱で、サイバー犯罪者達がさまざまな罠を仕掛ける可能性があると言う点が挙げられます。フリーワイファイには危険性が高いものもあり、接続することで、入力した個人情報や金融情報が抜かれるケースもあるので注意が必要です。
モバイルホットスポット
モバイルホットスポットとは、モバイルデバイスを使用してWi-Fiアクセスポイントを作成し、他のデバイスを外出先からでもインターネットに接続可能にする移動式の無線ホットスポットを意味します。
モバイルホットスポットには、専用のパーソナルホットスポットデバイスを使う「ポケット型Wi-Fi」と、スマートフォンなどを使用してインターネット通信を共有する「テザリング」の2種類があります。
ポケット型Wi-Fi
ポケット型Wi-Fiとは、ワイヤレスのインターネット接続を作成するために使用できる小型のポータブルルーターを指します。モバイルルーターまたはトラベルルーターとしても知られています。
ポケット型Wi-Fiは、携帯電話の3Gおよび4GをWi-Fiに変換し、複数のユーザーまたはデバイスが同時にアクセスできるモバイルワイヤレスネットワークを作成します。通常、これらのユーザーがWi-Fi接続を確立するには、ポータブルホットスポットから10メートル以内にいる必要があります。
ポケット型Wi-Fiは、個人的なWi-Fiホットスポットを作成するため、公共のWi-Fiホットスポットよりも安全というメリットがあります。しかし、ポケット型Wi-Fiデバイスの購入には費用がかかります。
テザリング
テザリングは、スマホのモバイルデータ接続を使って外部へ無線でインターネット通信を共有する方法で、「個人アクセスポイント」と呼ばれることもあります。具体的には、お使いのスマートフォンをパーソナルホットスポットとして利用することで、ノートパソコンやタブレット、別のスマホでインターネット接続が可能になります。
テザリングもポケット型Wi-Fi同様、公共Wi-Fiホットスポットよりも安全ですが、スマホのデータプランに制限がある場合は、制限を超えると速度制限や追加料金が発生します。
さらに、Windows 10以降のパソコンをお持ちの場合は、モバイルホットスポットとして使うこともできます。インターネットに接続されたWindowsパソコンがルーター代わりとなって、他のパソコンやスマートフォンなどがインターネット回線へ接続できるようになります。
公共のWi-Fiホットスポットの仕組み
公共のWi-Fiホットスポットは、ルーターを使って、デバイスが接続できるワイヤレスネットワークを作成します。ルーターは、ケーブルモデムやDSL回線などの有線接続を介してインターネットに接続されます。多くの公共のWi-Fiホットスポットでは、お使いのデバイスから接続可能なWi-Fiを探し出してパスワードを入力することで、インターネットを利用することができるようになります。なかにはパスワードが不要の公衆Wi-Fiもありますが、そのほとんどはセキュリティ面が脆弱で、サイバー犯罪者による罠が仕掛けられている可能性もあるので使用する際には十分注意しましょう。
また、公共のWi-Fiホットスポットは無料で使用できるので、毎日多くの人が利用しています。しかし、この無線ネットワークに接続するユーザー数が多ければ多いほど、速度の遅延や信頼性が低下するなど、不安定になる可能性は高くなります。このようにWi-Fiを無料で提供しているプロバイダーは、各ユーザーの帯域幅を制限している場合が多く、結果的に速度が遅くなったり、インターネット接続が途切れることがよくあります。無料のWi-Fiの多くは速度が遅く、不安定なので、重いファイルのダウンロードやオンライン会議などインターネット速度が求める場合は自宅やオフィスに戻ってから実行するなど他の選択肢を考えましょう。
モバイルホットスポットの仕組み
モバイルホットスポットの仕組みは至ってシンプルで、お使いのスマートフォンでテザリングすることでポータブルWi-Fiルーターのように使用できるようになります。具体的には、まずお使いのスマートフォンの4Gまたは5Gのネットワーク信号をWi-Fi信号に変換して発信します。その後、物理的に近くにある他のデバイスであれば、SSIDと呼ばれるサービスセット識別子もしくはホットスポットの名前を探し出してパスワードを入力すると接続できます。
iPhoneやAndroidをはじめとする最近のほとんどのスマホは、このテザリング機能を兼ね備えており、無料で使用することができます。iPhoneの場合は「インターネットの共有」、Androidは機種によって異なりますがほとんどの場合は「アクセスポイントとテザリング」内の「Wi-Fiアクセスポイント」という項目をオンにすることでスマホをモバイルホットスポットとして利用できます。
また、モバイルホットスポットのひとつであるポケット型Wi-Fiも、モバイルネットワークに接続しWi-Fi信号に変換して、他のデバイスがインターネットにアクセスできるようにします。
一般的なモバイルホットスポットの通信速度は約30~40Mbpsですが、使用するデバイスや携帯電話ネットワークプロバイダー、最寄りの基地局からの距離、近辺の建物など、いくつかの要因によって速度は異なります。
モバイルホットスポットを利用する際の注意点としては、スマホでテザリングを使用すると、バッテリー寿命が極端に短くなる可能性があります。そして、複数のユーザーが同じホットスポットに接続してインターネットを利用すると接続速度が遅くなるので一度に多くのユーザーを接続するのは避けましょう。
モバイルホットスポットを使用する理由
上記で紹介した通り、モバイルホットスポットは、旅行中や外出先で安全な公共のWi-Fiネットワークにアクセスできないときにインターネットに接続する便利な方法といえます。以下では多くの人がモバイルホットスポットを利用する理由についてまとめました。
- 持ち運びが便利:スマホのテザリング機能やポケット型Wi-Fiルーターなどのモバイルホットスポットは、Wi-Fiが利用できない場所でもインターネットに接続できるだけでなく、サイズも小さいので海外など、どこにでも簡単に持ち運ぶことができます。
- 公共のWi-Fiよりも高速:公共のWi-Fiホットスポットの多くは、その公平性から各ユーザーの帯域幅が制限されるています。対してモバイルホットスポットの場合は自分専用のインターネット回線で管理も可能なので公共のホットスポット接続よりも速度が速い可能性があります。
- 公共のWi-Fiよりも安全:ほとんどの公共のWi-Fiホットスポットはセキュリティ面が脆弱で、サイバー攻撃からユーザーを保護するための十分なセキュリティ対策を行っていません。モバイルホットスポットの場合は、安全性を保つために必要な措置を自分自身でコントロールすることができます。
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Wi-Fiホットスポットを利用する際の安全対策
Wi-Fiホットスポットを利用する際の自己防衛法は、セキュリティとプライバシーを保護し、サイバーセキュリティのリスクを最小限に抑えるために重要です。以下に、Wi-Fiホットスポットを利用する際の一般的な安全対策をご紹介します。
- 強力なパスワードを設定する:スマホなどのモバイルホットスポットデバイスを使用してワイヤレス接続をする場合は、独自の強いパスワードを設定することで悪意のある第三者に推測されにくくなり、不正アクセスや侵入を防ぐことができます。他のオンラインサービスなどで使用したパスワードは決して再利用せずに、少なくとも12文字の大小英字と数字、記号を組み合わせて強力なパスワードを作成しましょう。
また、NordPassというサービスでは、パスワードの自動作成ができるだけでなく、あらゆるパスワードと機密情報を1つの安全な保管庫に保管することで、パスワード管理を簡単かつ効率的に行うことができるのでおすすめです。 - 堅固で信頼性の高い暗号化を使用する:オンライン上のデータを暗号化することで権限のない人には読み取れなくなります。暗号化の利用可否はデバイスによって異なり、全てのモバイルデバイスが全ての暗号化プロトコルに対応しているわけではありません。しかし、多くのモバイルデバイスではWPA2、またはその他の暗号化プロトコルを設定することが堅固なセキュリティ対策となり、漏えいを防ぐことができます。お使いのスマホやWi-Fiルーターのセキュリティを強化するためには、まず強力で信頼性の高い暗号化プロトコルを使用しているかどうかを確認してみましょう。
- VPNを使用する:VPNとは、仮想プライベートネットワークの略称でインターネット通信を暗号化し、サイバー犯罪者からデータを保護します。もし、VPNに接続しない状態で公共のWi-Fiホットスポットに接続すると、通信データが流出してしまう危険があります。しかし、VPNに接続することでユーザーのデータは暗号化レイヤーで保護されるので、サイバー犯罪者に読み取られる心配がなくなります。VPNは、公共のホットスポットとモバイルホットスポットの両方でセキュリティ面を強化できる方法といえます。
また、NordVPNのプラス・コンプリートプランには脅威対策Proというサイバーセキュリティをより強化するための機能が使用でき、これによって悪意のあるサイトやトラッカー、煩わしい広告からユーザーを保護します。ベーシックプランの場合は脅威対策がついてきます。