お客様のIP:不明

·

お客様の状況: 不明

メインコンテンツにスキップ

サイト間VPNとは?種類やメリット、デメリット、設定方法を解説

サイト間VPN(Site-to-Site VPN)は、企業の本社、支社、データセンター、さらには提携先など、複数のネットワーク同士を安全に接続するための仮想プライベートネットワーク(VPN)です。インターネットやその他の公衆回線上に暗号化された専用トンネルを確立することで、遠隔地間でもまるで一つの内部ネットワークのようにデータのやり取りが可能になります。そのため、複数のオフィスを持つハイブリッド企業などでよく使用されています。本記事では、サイト間VPNの基本的な仕組み、種類、動作の原理、メリットやデメリット、具体的な設定手順、そしてリモートアクセスVPNやポイント間VPNとの違いについて詳しく解説します。

2025年9月9日

読み時間:13 分

サイト間VPNとは?種類やメリット、デメリット、設定方法を解説

サイト間VPNとは?

サイト間VPNは、地理的に離れた拠点間を安全に接続するためのネットワーク技術です。通常、企業の本社と支社、複数の事業所、あるいは提携企業との間で、専用線の代替として利用されます。例えば、各拠点に設置したVPNゲートウェイが、インターネット上で暗号化されたVPNトンネルを通じて接続されるため、第三者による盗聴や改ざんのリスクを大幅に軽減することができます。そのため、国内外に拠点をもつグローバル企業や、セキュリティを重視する企業で多く使用されています。業界としては、金融や航空、流通、メディアなど、セキュリティが特に重要視される分野で広く採用されています。

サイト間VPNの種類

サイト間VPNには大きく分けて2種類が存在します。それぞれの仕組みと利用シーンに応じた特徴を理解することで、自社のネットワーク要件に最適なソリューションを選ぶことが可能です。

1. イントラネットベースのサイト間VPN

イントラネットベースのサイト間ブイピーエヌとはとは、複数の拠点(サイト)にある企業ネットワーク(イントラネット)を、インターネット経由で安全に接続するためのVPN接続です。これにより、各拠点間であたかも同一のネットワーク内に存在するかのように、安全でスムーズな社内リソースの共有が実現できます。例えば、複数の支社で同じデータベースの情報を参照する必要がある場合、イントラネットベースのサイト間VPNを使用し、それぞれの拠点から安全にデータベースにアクセスできます。

2. エクストラネットベースのサイト間VPN

一方、エクストラネットベースのサイト間VPNは、企業が外部の複数の組織(パートナーやサプライヤーなど)とそれぞれのネットワークを拡張し、安全にリソースを共有するためのVPN接続です。専用線やMPLSとの組み合わせにより、厳格なセキュリティ要件を満たすことが可能です。特に、企業間の情報交換や取引データのやり取りが重要な金融機関や、自社拠点だけでなく顧客やパートナー企業とのやり取りが必要なIT企業などで採用される傾向が強く、信頼性の高い通信経路が求められる場合に適しています。

イントラネットベースのサイト間VPNと、エクストラネットベースのサイト間VPNを紹介する画像。

サイト間VPNの動作原理

サイト間VPNが安全な通信を実現するためには、複数の技術的要素と暗号プロトコルが連携して動作しています。ここでは、その主要な要素について詳しく解説します。

  • IPSec:IPSecは、サイト間VPNで最も一般的に使用されるプロトコルで、データパケットを暗号化し、送受信されるデータを安全に保護します。IPSecは、認証ヘッダー(AH)とカプセル化セキュリティペイロード(ESP)の2種類のモードがあり、主にESPがデータ暗号化に使用されます。この仕組みにより、普通の文章では送信できない機密情報やプライバシー情報を外部からの侵入や盗聴から守ります。
  • IKE交渉(フェーズ1&2):IKE(Internet Key Exchange)は、IPsecで安全な通信を行う際に、暗号鍵や認証情報など通信に必要な情報の交換、共有を行うためのプロトコルです。フェーズ1では、安全なチャネルを確立するために双方の認証と暗号化パラメータが交換され、フェーズ2では実際のデータ通信に必要な暗号化および認証パラメータを取り決めます。これにより、疑似ランダムなセッションキーが生成され、通信が動的かつ安全に行われます。
  • VPNゲートウェイと事前共有鍵:各拠点に設置されるVPNゲートウェイは、サイト間VPNの通信ルートとなります。これらの機器は、事前に共有されたパスフレーズ(事前共有鍵)や証明書を元に相互認証を実施し、正当なユーザーやデバイス以外からのアクセスを遮断します。加えて、各種ルーターやファイアウォールで適切に管理されることで、不正アクセスのリスクを大幅に低減します。
  • 共通ポートとNATトラバーサル:IPsecを利用したVPN通信が正常に行われるためには、UDP500番や4500番など、特定のポートが開放される必要があります。NATトラバーサルとは、NAT/NAPTを使用しているネットワーク環境において、IPsec通信を実現するために必要なIPsec拡張技術のことです。NAT環境下では、NATトラバーサル技術が適用され、IPアドレスが変換されてもVPNセッションが維持される仕組みが取り入れられています。より詳細な通信プロトコルの比較や解説については、VPNプロトコルの比較に関する記事もご参照ください。
    サイト間VPNの動作原理を紹介する画像。上から順番に、IPSec、IKE交渉(フェーズ1&2)、VPNゲートウェイと事前共有鍵、共通ポートとNATトラバーサル。

サイト間VPNのメリット・デメリット

サイト間VPNを利用するメリットはさまざまですが、一方で構成や運用において注意すべき点も存在します。以下で、主なメリットとデメリットを説明します。

メリット

  • 高いセキュリティ:サイト間VPNは、IPSecやIKEを利用した強固な暗号化技術により、データ通信の安全性が確保されます。これにより、外部からの盗聴や改ざんのリスクが大幅に軽減され、金融情報や個人情報、知的財産などの機密データを守ることが可能です。
  • コスト効率:専用回線や専用線VPNに比べ、サイト間VPNの導入コストは比較的低く、既存のインターネット回線を利用できるため、設備投資や運用コストの側面で有利です。また、迅速な展開が可能なため、短時間での拠点間ネットワーク構築が実現できます。
  • 管理のしやすさ:ネットワーク管理者は、中央の管理システムを通じて、全拠点のVPN接続状況やセキュリティポリシーを一括管理できます。これにより、運用負荷が軽減され、各拠点間での一貫したセキュリティ対策が講じられやすくなります。

デメリット

  • 構築の複雑性:サイト間VPNの設定は、各拠点での機器設定や認証情報、ルーティングの調整など、多岐にわたる要素が絡み合っており、初期の導入やトラブルが起きた際の解決に高度な専門知識が要求されます。不適切な設定はセキュリティの抜け穴となるリスクがあるため、運用前の十分な検証が必要です。
  • スケーリングの課題:拠点数が増加するにつれて、VPNゲートウェイの負荷が高まり、パフォーマンスの低下や管理の複雑化が懸念されます。そのため、大規模ネットワークでは専用の管理システムや監視ソリューションを併用することが求められます。
  • 低帯域環境でのパフォーマンス問題:特に低速なネットワーク環境では、暗号化処理やルーティングのオーバーヘッドが顕著になり、通信速度が低下する可能性があります。こうした問題に対しては、帯域拡張策や、リモートアクセスVPNやSD-WAN、さらには新たに注目されるSASE(Secure Access Service Edge)などの技術を組み合わせた解決策が検討されます。

サイト間VPNとリモートアクセスVPNの違い

リモートアクセスVPNは、個々のユーザーがインターネット経由で企業ネットワークへ接続する技術です。リモートワーカーや出張中の社員が、自宅や外出先から安全に会社のシステムにアクセスするために利用されます。これに対して、サイト間VPNは企業の拠点同士を直接接続するための技術であり、常時安定した接続と大規模なネットワーク管理が求められる環境に適しています。

サイト間VPNとポイント間VPNの違い

ポイント間VPN(Point-To-Site VPN)は、個々の端末が個別にVPN接続を行うもので、リモートユーザーのアクセスに特化しています。サイト間VPNは、ネットワーク全体を統合するため、各拠点間での大容量データのやり取りや、柔軟なネットワーク拡張に対して有効なソリューションとなります。両者は用途が異なるため、自社の接続要件に合わせた適切なVPN形態を選択することが重要です。

サイト間VPNトンネルの構築方法

サイト間VPNを構築する場合、以下の手順に沿って設定を進めることが一般的です。なお、各プラットフォーム(Cisco、AWS、その他ベンダーなど)ごとに詳細な設定項目は異なるため、各メーカーの公式ドキュメントもあわせて参照することを推奨します。

  1. 1.ローカルとリモートのサブネットの特定:各拠点のIPレンジや、通信すべき内部ネットワークを把握します。これにより、接続する先のネットワークが明確になり、重複を避けることもできます。
  2. 2.VPNゲートウェイの展開と設定:各拠点にVPN対応のファイアウォールまたはルーターを設置し、VPNゲートウェイとして機能させます。設置後は、各機器の設定画面から基本的な接続パラメータの入力を行います。
  3. 3.IPSecトンネルの設定:暗号化方式、認証方式、IKEのバージョン(一般的にはIKEv2が推奨される)などのパラメータを決定し、双方のゲートウェイで一致するように設定します。これにより、安全なVPNトンネルが確立されます。
  4. 4.ファイアウォールルールとNATポリシーの設定:VPNトンネル通信用に必要なポート(例:UDP 500番、4500番)やプロトコルを許可するためのルールを、各ファイアウォール上で定義します。NAT環境下では、NATトラバーサルの設定も重要となります。
  5. 5.ルーティング設定:構築後、静的ルートまたは動的ルーティングプロトコル(OSPF、BGPなど)を用いて、各拠点間の通信経路を設定します。これにより、正しい経路へトラフィックが流れるよう管理します。
  6. 6.トンネルのテスト
  7. 7.設定完了後、各拠点間で実際に通信が行われるか確認します。フェーズ1およびフェーズ2の認証状態、パケットのやり取りや遅延など、各種パラメータを点検し、問題があれば設定を再調整します。

サイト間VPNの設定例

サイト間VPNを構築するためには、各拠点にVPN対応のルーターまたはファイアウォールへのアクセスが必要です。以下の手順に沿って設定してください。

  1. 1.ルーターまたはファイアウォールの管理者画面にログインします。
  2. 2.管理画面内の「VPN」セクションに移動し、「サイト間」または「IPsec」VPNを選択します。
  3. 3.自拠点(内部ネットワーク)のサブネットと、接続先(リモート)のパブリックIPアドレスを設定します。
  4. 4.リモート側のサブネット(接続先の内部ネットワーク)を入力します。
  5. 5.暗号化方式(例:AES)や認証方式(例:SHA)などの設定を選択します。
  6. 6.事前共有鍵(Pre-Shared Key)を入力するか、デジタル証明書をアップロードします。
  7. 7.必要に応じてNATトラバーサルを有効にします(ネットワーク環境に依存します)。
  8. 8.設定を保存し、適用します。
  9. 9.リモート側のデバイスにも同様の設定を繰り返します。
  10. 10.最後に、接続テストを実施し、VPNトンネルが正常に動作していることを確認します。

サイト間VPNに必要なハードウェアとは?

サイト間VPNは、ハードウェアVPNとソフトウェアVPNの両方のアプローチが存在しますが、企業向けのサイト間VPNでは専用のハードウェアVPNアプライアンスを利用して構築されるケースが多いです。ハードウェアを用いてサイト間VPNを構築するには、高価なエンタープライズ機器が必要なわけではありませんが、構築を行う場合は以下のような適切なツールが必要です。

  1. 1.サイト間VPNプロトコル(例:IPsec)に対応したルーターまたはファイアウォール
  2. 2.インターネット冗長性や負荷分散を求める場合は、デュアルWAN対応ルーター
  3. 3.大規模ネットワークで複数のVPNトンネルを管理するためのVPNコンセントレータ
  4. 4.各拠点で安定したインターネット接続を確保するためのモデム

また、ハードウェアは暗号化処理をネットワークパフォーマンスに影響を与えずに処理できる十分な性能が求められます。

サイト間VPN構築時に気をつけるべきポイント

サイト間VPNの導入にあたっては、事前の計画と設計が成否を大きく左右します。以下のポイントを十分に検討してください。

  • パブリックIPの取得とデバイス互換性:各拠点がインターネット上で相互に通信する際、適切なパブリックIPアドレスの確保が必要です。また、使用する機器が現行のVPNプロトコルに対応しているかを確認することが重要です。
  • IPアドレス設計とルーティング構成:各拠点内のIPアドレス設計が重複しないよう、またルーティングテーブルが最適化されているかどうかを事前に検証する必要があります。不整合が生じると、通信障害の原因となるため注意が必要です。
  • 通信手段の選定:セキュリティや信頼性の観点から、単にインターネット回線を利用するか、あるいはMPLSなどの専用回線に依存するかを検討します。MPLSは高い信頼性を提供しますが、導入コストが高くなる傾向があります。
  • クラウドプロバイダーとの連携:AWS、Azure、GCPなどの主要クラウド環境では、サイト間VPNとの接続要件や推奨設定が存在します。オンプレミスとクラウドとの統合運用を考える場合は、各クラウド事業者のガイドラインにも目を通す必要があります。
  • セキュリティとアクセス制御:ファイアウォール、VPN認証、アクセス制御リスト(ACL)などを活用し、全拠点間で統一したセキュリティポリシーを運用することが欠かせません。定期的なパッチ適用や監視システムの導入も合わせて検討してください。
  • 耐障害性とフェイルオーバー対策:通信障害発生時に備え、冗長構成や自動フェイルオーバーシステムを導入することで、業務継続性を確保します。設計段階で、バックアップルートや代替回線の確保も重要なポイントとなります。

サイト間VPNの代替ソリューションとしてのNordVPN

NordVPNは、伝統的なサイト間VPNに比べてシンプルかつ手頃な価格で提供されており、特に安全なリモートアクセスが必要な中小企業に適しています。厳密にはサイト間VPNではありませんが、専用IPを利用することで、リモート勤務の従業員に対して複雑な設定なしに安全かつ制御されたネットワークアクセスを提供できます。

AES-256暗号化、グローバルなサーバーネットワーク、そしてダブルVPNなどの追加セキュリティオプションを備えているため、接続は高速かつ安全です。さらに、使いやすいインターフェースと24時間365日のサポート体制により、複雑な設定なしに信頼性の高いリモートアクセスを実現したい企業にとっては魅力的な選択肢となっています。

本記事では、サイト間VPNの基本概念から種類、動作原理、具体的な設定手順、運用時の注意点、そしてリモートアクセスVPNやポイント間VPNとの違いに至るまで、幅広く解説してきました。企業にとって安全かつ効率的な拠点間通信は非常に重要な課題であり、サイト間VPNはその解決策の一つとしてとても有効です。また、NordVPNのような代替ソリューションを活用することで、従来のハードウェアベースのVPNに比べ、より迅速で柔軟な運用が可能となります。今後もネットワークセキュリティの向上とコスト効率の両立を目指し、自社に最適なVPN環境の整備が求められます。

ワンクリックでオンラインセキュリティ対策を。

世界をリードするVPNで安全を確保

よくある質問

こちらでもご利用可能: Dansk,Deutsch,English,Español,Français,Italiano,Lietuvių,Nederlands,Norsk,Português Brasileiro,Português,Русский,Svenska,繁體中文 (香港),繁體中文 (台灣),简体中文.

Rin Yoshitani

Rin Yoshitani

サイバーセキュリティとデータプライバシーに情熱を持つ、Z世代のテック愛好家です。複雑なテーマをわかりやすく解説することから、オンラインで安全を保つための最新のヒントを共有することまで、彼の目標はサイバーセキュリティを理解しやすく、楽しくすることです。好奇心旺盛でデジタル感覚に優れたRinは、インターネットをより安全かつ自信を持って利用できるようサポートします。