ナショナル・プライバシー・テストについて
ナショナル・プライバシー・テストとは、世界の人々のインターネットセキュリティに関する知識を評価するための国際的な調査です。この調査は、日常のデジタル習慣やプライバシー意識、 サイバーセキュリティの脅威にまつわる22の質問で構成されています。
今年は世界186か国から30,792人がこの調査に参加し、サイバー衛生度(サイバー攻撃からデバイスや情報を守るための日々のセキュリティ活動や習慣)をテストしました。当社はすべての結果を収集し、回答者数が最低100人以上の、最も回答の多かった31か国に焦点を絞りました。そして、国・地域ごとのサイバーセキュリティにまつわる知識および意識を明らかにしました。
参加国は、3つのスコアに基づき、その国の参加者の成績に応じたNPTスコアを獲得します。また当社のデータアナリストが、サイバーセキュリティに関する知識やインターネットプライバシーへの意識にもとづき、参加者を4つのサイバータイプに分類しました。
今回の結果を深く掘り下げる前に、まずはナショナル・プライバシー・テスト(NPT)スコアの算出方法と、サイバータイプの決定方法について説明しましょう。
NPTスコアの算出方法
回答者のサイバーセキュリティおよびインターネットプライバシーの知識を調べるため、このテストでは以下3つのスコアの平均値を用いて、NPTスコアを算出しました。
- デジタル習慣:パスワード管理、アプリのアップデート、データ共有、アプリ権限の設定など、日常的に情報を扱う際の実践方法について
- プライバシー意識:詐欺やフィッシング、企業による個人情報の収集など、リスクをどれだけ認識しているかについて
- デジタルリスク耐性:オンライン上でリスクのある状況に直面した際に、どの程度慎重に対応できるかについて
テストは22の質問から成り、各質問の数値は4.5%です。それぞれのカテゴリーにおいて、回答者がより多くの質問に正しく答えるほど、NPTスコアは高くなります。
サイバータイプとは?
サイバータイプとは、NPTスコアにもとづいた、サイバーセキュリティ知識とスキルのレベルを表す参加者グループです。サイバータイプとそれに対応するNPTスコアは以下のとおりです。
- サイバーワンダラータイプ(1~24%): NPTスコアが最も低く、オンライン上で安全に過ごすためのデジタルセキュリティやプライバシー知識がまだ不十分なレベル。
- サイバーツーリストタイプ(25~49%): NPTスコアは平均的で、サイバーワンダラータイプより知識はありますが十分ではありません。ツーリストタイプの平均スコアを見れば、サイバーセキュリティ知識を向上させる必要があると分かります。
- サイバーアドベンチャータイプ(50~74%): オンラインセキュリティやプライバシーに関する問題について、よく理解できています。スコアも比較的高いタイプです。
- サイバースタータイプ(75〜100%): 最も高いNPTスコアを獲得しています。優れたサイバーセキュリティ意識、知識、スキルをそなえ、オンラインでの安全性が非常に高いタイプです。
テスト結果の示す事実
2024年のナショナル・プライバシー・テストでは、NPTスコアが世界最下位(50%)という結果でした。今年もNPTスコアは50%と変わらず、イタリア、韓国と同率でワースト1位タイとなっています。
一方、分野ごとのデータに目をむけてみると、AIを利用した詐欺の認識や、ブラウザへのクレジットカード情報保存リスクの理解など、複数の分野で向上も見られています。また、強力なパスワードの作成など、基本的なセキュリティ理解については高い数値を保っています。結果をもう少し掘り下げてみましょう。
重要なポイント
ナショナル・プライバシー・テストでは、サイバーセキュリティおよびインターネットプライバシーの知識において、日本は世界ワースト1位タイという結果が示されました。しかし、デジタル習慣においては、世界平均と同じスコア(53%)を獲得しています。主な考察は以下のとおりです。
- 日本の回答者の97%が、強力なパスワードの作成方法を知っていることがわかりました。これは世界平均(96%)を上回っており、サイバー犯罪者からアカウントを保護する上でも重要なことです。
- また、アプリの権限と通じてアプリと共有すべきデータ(92%)や、SNS上での共有を避けるべき機密データ(90%)、デバイスがどのようにマルウェアに感染するか(84%)、不審なストリーミングサービスのオファーへの対処法(79%)についても、よく理解していることが示されました。
- 一方、インターネットサービスプロバイダ(ISP)がメタデータの一部としてどのようなデータを収集するかを理解しているのはわずか6%で、AIを仕事で利用する際に考慮すべきプライバシー問題を知っているのも9%に留まりました。
- また、家庭用Wi-Fiネットワークの保護方法を把握しているのも9%に留まっており、フィッシングサイトを識別できるのは5人に1人(20%)のみという結果になりました。
- オンラインプライバシーツールの認知度は依然として低く19%ですが、それでも昨年から2ポイント上昇しています。
日本のサイバータイプの特徴
日本人の5%はサイバーワンダラーに分類され、最も多かったのは50~74ポイントを獲得したサイバーアドベンチャラーでした。サイバースターの割合は今年わずか4%で、昨年の8%から半減し、世界平均の10%を下回りました。
2024年からの主要な変化
2024年の結果と比べて変化したポイントについて、詳しく見ていきましょう。核となる3つのスコアについては、デジタル習慣が昨年の58%から5ポイント減少し53%、プライバシー意識が48%から4ポイント減少の44%、デジタルリスク耐性が56%から3ポイント減少の53%となりました。NPTスコアは53%から3ポイント減少の50%となり、全体的にスコアが低下しています。
質問ごとに見ると、複数の分野で認識の向上が見られたものもあります。オンラインプライバシーツールの認知度は2ポイント上昇し19%、AIを利用した詐欺の認識は10ポイント増の56%、ブラウザへのクレジットカード情報保存リスクの理解は2ポイント増の78%となりました。
一方で、脅威からの防御スキルに関しては低下が見られます。偽のURLの見分け方は12ポイント減の33%、フィッシングサイトの識別は10ポイント減の20%、接続機器のプライバシーセキュリティ理解は9ポイント減の36%となりました。
世界の結果概要
今年のナショナル・プライバシー・テストの結果から、世界のプライバシーとサイバーセキュリティに対する意識は横ばい状態が続いており、向上は見られませんでした。2025年の世界全体のNPTスコアは57点(満点100点)で、前年と同水準となりました。
詳細を見ると、進捗や改善の状況は分野によってさまざまです。デジタル習慣に関するスコアは、昨年から1ポイントの上昇を記録しており、人々の日常的なオンライン行動は着実に改善されています。しかし、プライバシー意識とデジタルリスク耐性は低下しており、基本的な習慣の改善にもかかわらず、拡大し続ける脅威への備えは十分とは言えません。
例年通り、強固なパスワードの作成(96%)や、不審なストリーミングサービスのオファーへの対処法(79%)、アプリの権限を通じてアプリと共有するデータ(92%)、SNS上での共有を避けるべき機密データ(90%)など、基本的なセキュリティ対策については良い結果が出ています。また、デバイスがどのようにマルウェアに感染するか(84%)についても、高スコアとなりました。
一方、技術的に新しい分野での理解は依然として低い状況です。たとえば、AIを仕事で利用する際に考慮すべきプライバシー問題を認識している人はわずか6%に留まり、ISPが収集するメタデータの内容、家庭用Wi-Fiの保護方法、パスワードの安全な保管、そしてプライバシー保護用のオンラインツールに関する知識も依然として乏しい結果となりました。
「AIの普及によりオンライン上のリスクは増大しましたが、安全を守るための基本原則は変わりません。人々は詐欺を見抜く力を向上させている一方で、ソフトウェアの更新を怠ったり、パスワードを再利用したりするケースが少なくありません。こうした小さな隙が、犯罪者にとって好都合な攻撃対象となっています」と、NordVPN最高技術責任者、マリユス・ブリエディス氏は述べています。
さらに、同氏は次のように付け加えています。「本テストは、世界中の人々にサイバー脅威について啓蒙し、詐欺、データ収集、監視、その他のオンラインリスクに対抗するための、明確で実践的なガイダンスを提供することを目的としています」。
また、全体的なサイバータイプは、2024年から大きな変化は見られず、参加者の10人に1人がサイバースターと分類されました。最高スコアは30~54歳層やIT従事者から得られ、一方で最低スコアは学生、退職者、ホスピタリティ業界や建設業の従事者に見られました。
ご自身のスコアが気になる方は、ぜひナショナル・プライバシー・テストに挑戦して、自分の知識レベルを確かめてみてください。全体の傾向が気になる方は、2025年NPTレポートで世界の結果をご確認ください。
世界的な主な変化
前年と比較して、いくつかの変化が顕著に見られました。
- AIを利用した詐欺の認識度向上:認知度は昨年の63%から5ポイント上昇し、68%となりました。サイバー犯罪者がAIを悪用して被害者を騙す手法への理解が深まっています。
- プライバシーツールの認知度向上:デジタルプライバシーを守るオンラインツール(VPN、パスワードマネージャー、暗号化サービスなど)の認知度が、2024年の27%から2025年には32%に上昇。全体としてはまだ低い数値ですが、少しずつ広がりをみせています。
- アプリの権限理解の向上:アプリの権限を介してアプリと共有するデータに関する知識は、91%から94%へと3ポイント上昇しました。多くの人々が、アクセス制限や個人情報の保護について学びを深めていることがわかります。
- ソフトウェア更新への意識低下:アプリをすぐに更新することのセキュリティ上の利点に関する認識は、56%から54%へと2ポイント低下。この傾向は、ハッキング対策や脆弱性修正のための更新の重要性が過小評価され続けていることを示しています。
調査方法
ナショナル・プライバシー・テストは、誰でも参加でき、自身と世界の結果を比較できるオープンアクセス調査です。
2025年は、186か国から30,792人の回答者が参加し、オンラインプライバシーのスキルと知識を評価する22の質問に回答しました。2025年のデータは2025年7月31日時点で分析され、当レポートに掲載されています。ウェブページの結果との差異がある場合、7月31日以降にテストを受けた参加者により結果が若干変化したことを意味します。
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