VPNの分類
VPNにはさまざまな種類と分類方法があり、目的や利用シーンに応じて選ぶべきタイプが異なります。一般的にリモートアクセス向けVPNは、個人向けVPN、ビジネス向けVPN、自作VPNの3つに大別されます。ビジネス向けVPNにはさらに、インターネットVPN、エントリーVPN、IP-VPN、広域イーサネットなどの種類があります。また、VPNプロトコルも重要な要素で、接続方式やセキュリティレベルに違いがあります。代表的なVPNプロトコルには、通信全体を強力に保護するIPsec、使いやすさで人気のSSL、そして手軽に利用できるPPTPなどがあります。用途や必要なセキュリティに合わせて、適切なVPNタイプとプロトコルを選ぶことが大切です。続けて、それぞれのVPNの種類の特徴と違いについて詳しく見ていきましょう。
1:個人向けVPN
個人向けVPNは、インターネットのプライバシー保護や地理的制限の回避を目的としたサービスで、スマートフォンやパソコンにアプリを入れるだけで簡単に利用できます。特にカフェや空港の公共Wi-Fiを頻繁に使う人や、海外の動画配信サービスを楽しみたい個人ユーザーに最適です。メリットは、通信内容を暗号化し安全にネット接続できることや、手軽に利用できる点です。一方、通信速度が遅くなることや、企業向けVPNのような複雑なアクセス制御には対応していない点がデメリットです。ビジネス向けVPNや自作VPNと比べると、導入の容易さと使いやすさが特徴で、専門知識がなくても気軽に利用できる点で大きく異なります。
2:ビジネス向けVPN
ビジネス向けVPNは、企業や組織が社内ネットワークやリモートワーク環境を安全に保つために使われます。大規模なネットワークを一括管理し、社員がどこからでも安全に社内システムへアクセスできることが特徴です。ファイアウォールやアクセス権限管理など、高度なセキュリティ機能も備えています。リモートワーク導入企業や多拠点組織に適しており、安全性が高く社内データをしっかり守れます。一方、導入や運用には専門知識が必要で、コストが個人向けVPNより高いのがデメリットです。個人向けVPNや自作VPNと比べ、より複雑で専門的な管理が可能です。ビジネス向けVPNは「インターネットVPN」「エントリーVPN」「IP-VPN」「広域イーサネット」の4カテゴリーに分かれます。
インターネットVPN
インターネットVPNは、インターネット回線を利用してリモートユーザーと企業ネットワークを安全に接続する方式です。低コストで導入しやすく、多くの企業で利用されています。主な特徴は、既存のインターネットインフラを活用するため、専用回線を用意せずに広範囲で接続できる点です。インターネットVPNには主に2つの技術があります。IPsec VPNはネットワーク層で動作し、企業の全社ネットワークへのアクセスを安全に実現します。一方、SSL VPNはアプリケーション層で動作し、ウェブブラウザからのアクセスが可能で、特定のサービスのみ利用したいユーザーに適しています。
つまり、SSL-VPNとIPsec VPNの違いは、IPsecがネットワーク全体を保護するのに対し、SSLは特定のアプリやサービスに限定したアクセスを提供する点にあります。IPsecは専用のクライアントソフトが必要で設定もやや複雑ですが、高度なセキュリティを提供します。対してSSL VPNはブラウザベースで簡単に利用でき、導入の敷居が低いのが特徴です。
| | IPsec VPN | SSL VPN |
|---|---|---|
| 接続方法 | ネットワーク層で接続 | アプリケーション層で接続 |
| 利用環境 | 専用クライアントが必要 | ブラウザからのアクセス可能 |
| セキュリティレベル | 高い | 高い |
| 利便性 | 専門的設定が必要 | 利用しやすい |
エントリーVPN
エントリーVPNは、中小企業やリモート拠点向けに設計された比較的シンプルなVPNサービスです。基本的な暗号化と認証機能を備え、導入や運用が容易なことが特徴です。専門的なネットワーク知識がなくても扱いやすく、コスト面でも手頃なため、初めてVPNを導入する企業に適しています。一方で、大規模なネットワーク管理や高度なセキュリティ要件には対応しづらい点がデメリットです。
IP-VPN
IP-VPNは、専用線や仮想専用線を利用して企業間を直接安全に接続する方式で、高いセキュリティと通信品質を提供します。特に大企業や複数拠点を持つ組織に適しており、安定した通信環境が求められる場面で重宝されます。ただし、専用回線の利用によりコストが高めで、導入までに時間がかかる場合があります。
広域イーサネット
広域イーサネットは、IP-VPNと似た専用線サービスですが、イーサネット技術を用いることでより高速かつ柔軟なネットワーク接続を実現します。大容量通信やリアルタイムのデータ転送が必要な企業に向いています。IP-VPN同様、コストや導入の手間は高めですが、拡張性や速度面で優れています。
ビジネスVPNのカテゴリー比較
以下の表は、これら4つのビジネスVPNカテゴリーを機能、セキュリティ、コスト、対応規模などの観点から比較したものです。導入を検討する際は、自社の規模や用途、予算に応じて最適なタイプを選ぶ参考にしてください。
この比較を踏まえ、ビジネスの規模や必要なセキュリティレベル、通信の安定性などを考慮しながら最適なVPNタイプを選びましょう。
| カテゴリー | 主な特徴 | セキュリティ | コスト | 適用範囲 | 導入のしやすさ |
|---|---|---|---|---|---|
| インターネットVPN | 既存インターネット利用 | 中〜高 | 低 | 中小〜大企業 | 簡単 |
| エントリーVPN | シンプルで低コスト | 中 | 低 | 中小企業 | 非常に簡単 |
| IP-VPN | 専用線利用の高品質 | 高 | 高 | 大企業、多拠点 | 専門知識必要 |
| 広域イーサネット | 高速大容量通信対応 | 高 | 高 | 大企業、通信負荷大 | 専門知識必要 |
3:自作VPN
自作VPNは、自宅のルーターやサーバーを使って自分で構築するVPNです。商用サービスに頼らず、自分の管理下で通信を保護できるのが特徴です。技術に詳しい個人ユーザーや、カスタマイズ性を重視する人に適しています。月額コストがかからず柔軟に設定できるのが利点ですが、構築や保守には専門知識が必要で、セキュリティ管理もすべて自己責任です。個人向けVPNより自由度は高い反面、使いこなすには技術力が求められます。ビジネス向けVPNのような大規模管理機能はなく、あくまで個人運用向けの手段です。
自分に合ったVPNの種類・カテゴリーを選ぶには?
VPNには大きく分けて、個人向けVPN、ビジネス向けVPN(インターネットVPN・エントリーVPN・IP-VPN・広域イーサネット)、自作VPNの3タイプがあります。では、自分にとってどのタイプ・カテゴリーが最適なのでしょうか?ここではVPNの正しい選び方を解説します。以下のポイントを参考に選んでみてください
・利用目的を明確にする
何のためにVPNを使うのかを考えましょう。たとえば、オンラインプライバシーを守りたい個人ユーザーには個人向けVPNが最適です。社外から社内ネットワークに安全にアクセスしたい企業ならインターネットVPNやSSL-VPNが効果的です。複数拠点をつなぐ場合はIP-VPNや広域イーサネットが適しています。
・企業規模やネットワーク構成を考慮する
小規模なスタートアップならエントリーVPNのような簡易型がコスト・導入面で適しています。一方で、大企業や全国に拠点を持つ組織は、安定性とセキュリティの高いIP-VPNや広域イーサネットが向いています。
・コストと運用負担のバランスを取る
個人向けVPNやエントリーVPNは月額費用が抑えられますが、自作VPNは初期設定や保守の手間が大きいため、技術力が必要です。ビジネス用途では、導入費用だけでなくサポート体制も検討材料になります。
・使用例を基に検討する
使用シーンに応じて最適なVPNを選ぶことが重要です。たとえば、公共Wi-Fiを安全に使いたい一般ユーザーであれば、通信を暗号化しプライバシーを保護できる個人向けVPNが適しています。リモートワークを行うフリーランスや、自宅から企業のシステムへアクセスする必要がある場合には、SSL-VPNなどを利用したインターネットVPNが便利です。中規模以上の企業で複数拠点間の通信を安定して行いたい場合には、セキュリティと接続の安定性に優れたIP-VPNが向いています。そして、自社のセキュリティポリシーに沿ってネットワーク全体を自分で構築・管理したい上級ユーザーやIT担当者には、自作VPNという選択肢もあります。
VPNの種類についてまとめ
VPNとは、インターネット上の通信を暗号化し、安全にやりとりを行うための仕組みです。本記事では、個人向けVPN、ビジネス向けVPN(インターネットVPN・エントリーVPN・IP‑VPN・広域イーサネット)、自作VPNの特徴や違いを紹介しました。それぞれ適した用途が異なるため、目的や規模に応じた選択が重要です。もし迷った場合は、使いやすく高性能なNordVPNのような信頼できるサービスを検討するのも一つの手です。
ワンクリックでオンラインセキュリティ対策を。
世界をリードするVPNで安全を確保