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SSL-VPNとは?接続方法、メリット、IPsec VPNとの違いをわかりやすく解説

SSL-VPNは、SSL/TLSによる暗号化を活用して、インターネット経由で社内や学内リソースに安全にアクセスできるVPN方式です。近年、リモートワークの普及や外部委託者の増加により、利用者ごとに異なるアクセス権限や制御が求められる場面が増えています。SSL-VPNには大きく分けて、クライアント不要でブラウザだけで利用できる「ポータル型」と、専用の軽量クライアントやブラウザプラグインを用いる「トンネル型」があります。本記事では、SSL-VPNの基本的な動作原理や接続方法、メリット、脆弱性、そしてIPsec VPNとの違いについて、わかりやすく解説します。

2025年8月20日

読み時間:10 分

SSL-VPNとは?

SSL-VPNとは、SSL/TLS技術を用いることで、インターネット経由で安全に社内ネットワークや内部アプリケーションへアクセスできるVPN方式です。特徴として、専用のクライアントソフトが不要な「ポータル型」や、専用ソフトを用いる「トンネル型」の2種類があります。技術的には、TLS(旧称SSL)による認証および暗号化プロセスを経て、認証が完了したユーザーに対してWebポータルや保護されたVPNトンネルを通じた内部資源へのアクセスを提供します。

  • ポータル型:httpsを使用したVPN Webポータルにログインするだけで利用可能です。httpsとは、ウェブサイトとブラウザ間のデータ通信を保護するためのプロトコルであり、httpのセキュリティ強化版として知られています。SSL/TLSを用いた強固な暗号化により、通信内容はしっかりと保護され、盗聴や改ざんのリスクを大幅に低減します。そのため、ポータル型SSL-VPNを利用すれば、Webアプリケーションやファイル共有システムに安全かつ迅速にアクセスでき、管理者は各ユーザーに対して柔軟かつ細やかなアクセス権限の設定が可能となります。
  • トンネル型:専用のソフトウェアまたはSSLクライアントを利用して、TLSで暗号化された仮想のネットワークインターフェース(仮想NIC)を構築します。これにより、リモート端末があたかも内部ネットワークの一部のように動作し、リモートデスクトップや各種アプリケーションの利用が可能となります。

SSL-VPNの仕組み

SSL-VPNの動作原理は、SSL/TLSの暗号化技術に基づいています。たとえば、ユーザーがリモートでアクセスを試みる際、まずクライアント(ユーザー側)とVPNサーバーとの間でTLSハンドシェイク(ネットワーク上で暗号化された安全な通信を始めるための手順)が行われます。実際の動作は、以下のとおりです。

  1. 1.Webブラウザを開き、SSL-VPNゲートウェイに接続します。
  2. 2.ユーザー名やパスワードなどのログイン情報を入力して認証を行います。場合によっては、二要素認証が求められることもあります。
  3. 3.クライアントとサーバーがTLSハンドシェイクを実施し、サーバーの証明書を確認、暗号化の設定に合意し、安全なチャネルを確立します。
  4. 4.接続が確立されると、端末とネットワーク間の全てのトラフィックが暗号化され、機密性と整合性が保証されます。
  5. 5.安全な接続が確立された後、内部アプリケーション、ファイル、またはシステムへのアクセスは、以下のモードに依存して行われます。
    • ポータルモード(Webコンテンツのみのアクセス)
    • ブラウザ拡張機能を利用したトンネルモード(ブラウザの通信のみを対象)
    • SSL-VPNクライアントを利用したトンネルモード(端末からの全トラフィックを含む)

このように、SSL-VPNは強固な暗号化と認証機能を組み合わせることで、安全で柔軟なリモートアクセスを実現しています。

SSL-VPNで使用されるプロトコルは?

VPNプロトコル比較」の記事でも解説したように、VPNプロトコルには多くの種類があります。SSL-VPNにおいては、その名称のとおり、SSL/TLSプロトコルを使用しています。具体的には、TLS(Transport Layer Security)が主に利用され、httpsと同様の手法で暗号化と認証を行います。たとえば、ウェブブラウザがhttpsサイトにアクセスする際と同じ技術を応用しているため、ユーザーにとって親しみやすく、かつ高度なセキュリティが実現されています。SSL/TLSプロトコルでは、以下の点が保証されます。

  • エンドツーエンド暗号化
  • 整合性の検証
  • ファイアウォールを容易に通過できる

このため、SSL-VPNは高いセキュリティを維持しながらも、柔軟かつ簡単に導入できるリモートアクセス技術として広く利用されています。

SSL-VPNの接続方式は? 

SSL-VPNの接続方式は、セキュリティやアクセス制御のニーズに応じて複数の方法で実装されます。ここでは代表的な3つの接続方法を解説します。

リバースプロキシ

まず初めに、プロキシとは、クライアントとサーバー間の通信を代理する仕組みで、特にリバースプロキシは外部ネットワークから内部サーバーへのアクセスを中継し、サーバーの直接公開を防ぐことでセキュリティを強化します。プロキシとVPNの違いは、プロキシが特定のアプリやプロトコル単位で通信を中継・制御するのに対し、VPNはネットワーク全体を暗号化トンネルで接続しIPレベルで保護する点です。

リバースプロキシとは、Webサーバーの前に置かれ、クライアントからのリクエストを代わりに受け取り、適切なバックエンドサーバーに送るサーバーです。SSL-VPNはTLSを使った安全なVPN方式で、これにリバースプロキシを組み合わせると、暗号化の負荷を分散したり、多要素認証でアクセスを管理したり、複数のVPNサーバーに振り分けたりすることができます。これにより、セキュリティと可用性を同時に高めることが可能です。

ポートフォワーディング

VPNポートとは、ネットワーク上で特定のサービスやアプリケーションを識別し、通信先を振り分けるための番号(ポート番号)を受け付ける入口のようなものです。ポートフォワーディング方式では、このポート番号を使って外部から内部リソースへのアクセスを制御し、SSL-VPNサーバーが受信した通信を指定された内部ポートへ転送します。これにより、必要なサービスだけを単一ポート経由で公開でき、不要なポートを閉じることで攻撃対象を減らし、セキュリティを高めることが可能です。

L2フォワーディング

L2フォワーディング方式は、OSI参照モデル(コンピューターが通信のために利用するネットワークの機能を、7つの階層に分類して整理したモデル)の「データリンク層」を使った接続方法です。データリンク層とは、コンピュータ同士が直接データをやり取りするための仕組みを提供するネットワークの階層のことです。SSL-VPNサーバーは仮想的なネットワークを作り、リモート端末をまるで社内ネットワークに直接つながっているかのように扱います。これにより、リモートデスクトップや、社内ネットワーク内のファイル共有など、内部リソースにスムーズにアクセスできるようになります。

SSL-VPNとIPsec VPNの主な違い

以下の表は、SSL-VPNとIPsec VPNの主要な違いをまとめたものです。

項目

SSL-VPN

IPSec VPN

主な用途

特定のアプリケーションやポータルへの安全なリモートアクセス(ブラウザベースが多い)

サイト間やネットワーク全体への安全なリモートアクセス

認証方式

ユーザー名/パスワード+多要素認証(MFA)対応可。証明書との連携も可能

事前共有鍵(PSK)やデジタル証明書を使用

構成の容易さ

比較的簡単に設定可能。多くはブラウザ経由で専用クライアント不要

設定が複雑。VPNクライアントやルーター設定が必要

OSI参照モデル層

トランスポート層(レイヤー4)以上で動作

ネットワーク層(レイヤー3)で動作

接続タイプ

必要時にオンデマンド接続。特定アプリやセッションごとに利用

エンドポイント間で全トラフィックを常時暗号化するトンネル接続

開発・設計目的

ネットワーク全体を公開せず、必要なリソースだけに安全にアクセスさせる

離れたネットワーク同士を同一LANのように安全に接続する

クライアント要件

ブラウザのみ、または軽量クライアントソフトで利用可能

専用VPNクライアントソフトやハードウェア対応が必要

パフォーマンス

アプリ単位のアクセスには適しているが、ネットワーク全体接続では速度低下の可能性あり

ネットワーク全体のトンネルに効率的だが、暗号化処理による負荷あり

SSL-VPNを利用するメリット

SSL-VPNの利用におけるメリットは以下のとおりです。

  • 簡単な展開:クライアントレス方式により、専用ソフトのインストールが不要で迅速に導入可能です。
  • 高いセキュリティ:SSL/TLS暗号化により、公共Wi-Fi環境でも安全な通信が実現できます。
  • 柔軟なアクセス制御:利用者ごとに異なるアクセス権限を設定できるため、細かなセキュリティポリシーの管理が可能です。
  • コスト削減:専用クライアントの配布や管理の負担が軽減され、運用コストが低減されます。
  • ブラウザ互換性:主要なWebブラウザで動作するため、利用環境が限定されにくいという利点があります。

SSL-VPNを利用するデメリット

一方で、SSL-VPNの利用におけるデメリットは以下のとおりです。

  • 脆弱性のリスク:プロトコルや設定次第では、既知の脆弱性に対するリスクが残る可能性があります。
  • パフォーマンスの低下:暗号化・復号化プロセスにより、データ転送速度が低下する場合があります。
  • 互換性の問題:一部の旧型ブラウザやOSでは、動作が不安定なことがあるため、常に最新環境での利用が望まれます。
  • ネットワークの可視性:クライアントレス方式では、従来のVPNに比べ内部トラフィックの把握が難しく、トラブルシューティングが複雑になることがあります。

安全なリモートアクセスのためにSSL-VPNを使うべき理由

SSL-VPNは、公共ネットワークやリモート環境におけるセキュリティを強化するための有効なツールです。以下に具体的な事例やその利点について解説します。

SSL-VPNは公共ネットワーク上でデータを保護できる?

SSL-VPNは、公共Wi-Fiやカフェ、空港などの不特定多数が利用するネットワーク上でも、暗号化された通信を実現するため、データ漏洩リスクを大幅に低減します。

SSL-VPNはインターネットのセキュリティ向上に役立つ?

暗号化と認証の二重防御により、SSL-VPNはインターネット上の攻撃や不正アクセスに対して強固な防御策を提供し、安心してオンライン業務やリモート作業が行える環境を整えます。

クライアントレス型SSL-VPNの仕組み

専用のソフトウェアを必要とせず、Webブラウザを通じて接続が可能なクライアントレス型SSL-VPNでは、ユーザーがブラウザからログインするだけで安全な内部リソースへの接続が確立され、設定やインストールの手間が省略されます。

ネットワークセキュリティアーキテクチャにおけるSSL-VPNの役割は?

企業ネットワークのセキュリティアーキテクチャにおいて、SSL-VPNは外部からのアクセスを安全に中継するリモートアクセスゲートウェイとして、内部ネットワークへの柔軟なアクセスを提供し、全体のセキュリティを強化します。

SSL-VPNとOpenVPNの違い

SSL-VPNとOpenVPNは、共に暗号化技術を用いる点で共通していますが、OpenVPNはオープンソースで柔軟なカスタマイズが可能な点に対し、SSL-VPNは商用製品としてのサポートや管理機能が充実している点が特徴です。

SSL-VPNの設定方法

SSL-VPNのセットアップ方法は、利用環境やセキュリティポリシーにより変わりますが、基本的なステップは以下のとおりです。

  1. 1.SSL-VPNサーバーソフトウェアをインストールします。信頼できるプロバイダーを選び、ネットワークゲートウェイにインストールします。
  2. 2.SSL/TLS証明書を設定します。これにより、安全な暗号化が実現され、サーバーの認証が保証されます。
  3. 3.認証方法を設定します。パスワード、二要素認証、または証明書を利用してアクセス制御を行います。
  4. 4.アクセスポリシーを定義します。誰が何にアクセスできるかを決定し、その権限がユーザーの役割に合致していることを確認します。
  5. 5.必要なポートを開放します。SSL-VPNは通常、ポート443(https)を使用するため、ほとんどのファイアウォールで既に開放されている場合が多いです。
  6. 6.接続をテストします。ユーザーがログインしリソースにアクセスできるか、また暗号化が正しく機能しているかを確認してください。

従来型VPNと比較して、SSL-VPNはどう違う?

SSL-VPNと従来型VPNは、どちらも安全なアクセスを実現するという同じ根本的な目的を持っていますが、その実現方法に違いがあります。以下に、主な観点から比較した内容を示します。

  • アクセス方法:SSL-VPNは、Webブラウザベースで利用できる場合が多いため、ソフトウェアのインストールが不要で、迅速なアクセスが可能です。一方、従来型VPNは専用のクライアントソフトを用いて、端末全体の通信を保護します。
  • 速度:従来のVPNは、特にストリーミングや大容量ファイルの転送などの用途で、より高速で安定したパフォーマンスを提供できることが多いです。
  • 使いやすさ:SSL-VPNは、カジュアルな利用や一時的なアクセスに向いており、ユーザーフレンドリーな設計が特徴です。一方、従来型VPNは設定がやや複雑な場合がありますが、常時安定した保護を提供する点で優れています。
  • セキュリティ:どちらも強固な暗号化を使用していますが、SSL-VPNは主に特定のアプリケーションやWebコンテンツを保護するのに対し、従来のVPNは端末全体のオンライン活動を保護します。
  • 価格:プロバイダーやセットアップによって異なります。従来型VPNによっては、端末全体の保護機能も兼ね備えるなど価格に見合った価値を提供しています。
  • プライベートデータの保護:従来のVPNは、ブラウザ経由の通信のみならず、端末全体に対して常時保護を提供するため、より広範なセキュリティ対策が実現されます。

SSL-VPNを使用すべき?

利用環境やセキュリティ要件に応じて、SSL-VPNはリモートワークや多拠点ネットワークにおける安全なアクセス手段として有効だといえるでしょう。使いやすさと柔軟性を重視する場合、SSL-VPNの導入は十分検討する価値があります。

VPNがある場合、SSLは必要?

通常、VPN自体が強固な暗号化を提供しますが、SSL-VPNは特にWebベースの認証やアクセス制御を組み込んでいるため、公共ネットワーク利用時の追加セキュリティ対策として有用です。利用シーンに合わせた選択が重要となります。

本記事では、SSL-VPNの基本概念から具体的な接続方法、メリット・デメリット、そしてIPsec VPNやOpenVPNとの違いまで、幅広い視点からその魅力と課題について解説しました。おすすめのVPNサービスは使用する用途や目的によって異なりますが、特に企業や教育機関での安全なリモートアクセス環境の構築を考える際、SSL-VPNは非常に有効な手段となります。本記事の内容を参考に、最適なVPN環境の構築に役立ててください。

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Rin Yoshitani

Rin Yoshitani

サイバーセキュリティとデータプライバシーに情熱を持つ、Z世代のテック愛好家です。複雑なテーマをわかりやすく解説することから、オンラインで安全を保つための最新のヒントを共有することまで、彼の目標はサイバーセキュリティを理解しやすく、楽しくすることです。好奇心旺盛でデジタル感覚に優れたRinは、インターネットをより安全かつ自信を持って利用できるようサポートします。